全部は語らない。語らないことで伝わることもある。
■ 商品ページに“書かなかった話”がある
古着のオンラインショップをやっていると、
写真をどこまで載せるか、どこまで説明を書くか、毎回悩む。
サイズは正確に伝えたいし、色もできるだけ忠実に写したい。
でも――すべてを語りすぎたくない、と思うことがある。
特にこのナイロンジャケットには、そう思った。

■ 90年代、ヨーロッパ、どこかのスポーツクラブ
タグもブランドも不明。
でもデザインから、おそらくヨーロッパのクラブチームのものだろうと想像できた。
テニスボールのクラブチームなのかなぁという印象です。
ネイビー×グリーン×ホワイトのカラーブロック。
どこか懐かしいような、でも新鮮な配色。
手に取った瞬間に、「この服、何かを語りたがってるな」と思った。
でもその“何か”を、すぐに説明で閉じ込めたくなかった。
■ だから、小説にしてみた
このジャケットについて、商品ページではあえて多くを語っていない。
その代わりに、物語という形でnoteに書いた。
フランス郊外のテニスクラブ、祖父の遺品として受け継がれたブルゾン。
ちょっとした勇気と再出発。
実在しないけれど、この服が運んできた空気を物語に閉じ込めた。
物語は、服に“語らない背景”を与えてくれる。
■ 書かないことで、想像が広がる
商品ページに、素材もサイズも、デザインの背景も書いてある。
でも、そこに“空白”があることで、見た人が勝手に想像できるようにしたい。
「このジャケット、兄貴が昔着てたやつに似てるな」とか、
「部活帰りの汗の感じ、こういうジャケットだった」とか。
服を通して記憶がじわっと立ち上がってくるような、そんな余白。
■ 商品説明って、“接客”じゃなくて“余白”だと思う
実店舗なら、
「これタグないんですけどたぶんヨーロッパ物で…」と話しながら伝えられる。
でもオンラインだと、文章ですべてを埋めてしまうと、
“感じる余地”がなくなることがある。
その服を見て「なんかいいな」と思ってもらえたら、
きっと説明じゃなくて、感覚が届いたということなんじゃないかと思う。
■ 伝えるために、語らないという選択もある
このナイロンジャケットが、誰かにとって“新しい一着”になるかもしれない。
でもそのきっかけは、きっと文字じゃない。
写真の色味かもしれないし、小説の空気かもしれない。
伝えることと、語らないこと。
そのバランスの中で、今日も服をアップロードしている。
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