#378[料理]チキンのクリーム煮と、秋の風[短編]
ひと口頬ばれば、柔らかな肉の食感と滋味に満ちた野菜のスープが鼻の奥を抜ける──シチューにはまだ早い秋の入り口。
きれいに掃除し、フォークで穴をあけた鶏の1枚肉を4等分にカットし、ブライン液に20分漬けた。にんじんを1.5cm幅の小さな乱切りに、10分ほど茹でてグラッセに。
タマネギを3mm のみじん切り、しめじは4分割にして小房に分けて石づきをつまみ取り、生パセリは葉と茎から外して細かく刻むと、華やかないい香りが漂う。
鶏肉の水気を切って小麦粉をまぶす。フライパンにオリーブオイルを引いて、弱火で5分ほど、しっかりと余熱をして油を回した所へ、鶏肉を皮目からゆっくりと入れ、ジュッと優しい音がしたら、クッキングシートをかぶせて10分間、じっくりと焼く。鶏の油をじわりと出し、肉のうま味、甘みが引き出るように。
鶏肉の皮目が焼けたら裏返してフライパンの端に寄せ、火をほんの少しだけ強くしてしめじを入れて焼き目をつけ、塩コショウする。続いて、タマネギ、にんじんを入れて、フタをせずに野菜に火を通していく。
鶏肉に焼き目がつき、タマネギがしんなりとしたら、牛乳300ccと、チキンコンソメの素を1つ。フタをせずに煮立て、5〜10分ほど煮込む。
塩コショウで味を調え、温かいうちに器に盛りつけ。
パセリを全体にふりかけて、さあ召し上がれ。
香りが立ち上がる、帰りたくなるご飯、温かい一皿。
朝の風が、窓辺に立ち止まる。
まだ冷たくはないけれど、どこか乾いた気配をまとって。
待ってるよ、今日も元気に行ってらっしゃい!
<了, 約 640字>
食べ物系の記事は、こちらぶりでした。
あとがき
空想のお話のアイデアが浮かばなかったので、日常風景を物語にしました。
きのこと鶏肉だけで作ると簡単です。(野菜は筆者が足しました)また、ドライパセリでもOKです。
誰かの帰りを待つ時間、キッチンで立つ火の音。この一皿が、あなたにとっての「帰りたくなる理由」の1つになりますように。

それではまた、次の記事でお会いしましょう!
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