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#359[オハつぶ]3つの道、持つべきもの[短編]
着ていく物はなんでもいい。そう言いかけて、深紫のネルのシャツのシワを整えると、友人を置いて、元いた部屋に荷物を取りに戻った。
黒のボストンバッグが4つはあっただろうか。誰かが整然と端に寄せたらしく、出ていた金色のひときわ大きなイヤリングに目をやり、再びしまう。
そこへふと、清掃係の女性が立ち寄ると、「あのイヤリングがお好きな方なら、こちらも素敵でしょう」と、同僚が選んだものという小さなイヤリングを手渡した。
石膏でできた白い貴婦人像のデザインの、小さな飾り。バッグにそっと収め、友人のいる部屋へ行こうと思う。けれど、しまえど、しまえど、しまえど……。
予定していた人には会わない。それなら次はどこへ、何をしに……? 辺りがぼんやりとし始め、別の景色を重ね始める。
今日も新しい朝のはじまり。
持てるだけの荷物を持って、好きなものに囲まれる生き方から、必要なもの、持ち運べるものを持って。
窓の外から、日の光が差し込む部屋で、蒸し暑い気だるさに体を起こす。
あなたのボストンバッグには、いま、何が入っていますか?
「大丈夫。もう、何も持たなくていいわ」
石膏の貴婦人が、そう微笑んだ気がした。
(約 480 字, フィクション, 夢日記)

オハヨウは「心の朝ゴハン」、
一日を頑張りきる「活力の源」。
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