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「水分補給してね」だけじゃ人は守れない,コミケとライブの熱中症対策を本気で調べてみた

コミケ,何回行ったか正直もう覚えていない.待機列で汗だくになりながら「今日も暑いなあ」って思うのが夏のお決まりになっている.去年だったか,前の方の列で救護スタッフに担がれていく人を見て,ちょっと血の気が引いた.自分もギリギリだったから.
そのとき思ったのは,「こまめに水分補給してください」って毎回アナウンスされてるのに,なんで毎年同じことが起きるんだろう,ってこと.気になって調べてみたら,普通に「水分補給の呼びかけ」だけじゃ全然足りないらしい.待機列の設計から,救護所の配置,スタッフの休憩まで,一体でやらないと意味がないって環境省のガイドラインにもちゃんと書いてあった.
今日は,来場者側と主催者側,両方の視点から「大規模イベントの熱中症対策」についてまとめてみる.

会場の中だけの話じゃない

熱中症のリスクって,会場に入ってからだけの話だと思われがちだけど,実は開場前の待機列から始まっている.直射日光の下で長時間立たされて,給水もできなくて,列がどんどん圧縮されていく.これが一番危ない.
そこから先も,入場ゲート前の人混み,屋外の物販列,冷房が効きにくい会場内の密集,そして終演後の一斉退場,どの場面にもそれぞれ別のリスクがある.駅までの道,炎天下で歩かされるのもけっこうきつい.
つまり「本番中だけ気をつければいい」って話じゃなくて,家を出てから帰るまで全部が対策の対象ってこと.

主催者はここまで考えてる(らしい)

調べてて一番「へえ」と思ったのが,暑さ指数(WBGT)っていう指標の話.気温だけじゃなくて,湿度とか日射とか輻射熱まで含めて判断するらしくて,例えば新潟の三条市だと,予測値が31℃を超えたら時間短縮を検討,実況値が31℃を超えたら中断か中止,みたいな運用基準を持ってるところもある.
こういう基準を,開催の1か月前から文書化しておいて,誰が判断するか,いつ確認するか,中止になったらどう払い戻すか,みたいなところまで決めておくのが「ちゃんとしたイベント」らしい.
あと,待機列を減らす(整理券や時間指定入場),日陰と冷房と給水を「場所」として用意する,救護所から搬送までの導線を確保する,スタッフを固定配置じゃなくて交代制にする,このへんが優先度高いって書いてあった.正直,冷却グッズを配るだけとか,看板で「水分補給してね」って呼びかけるだけだと,構造的な問題(暑い場所に長時間人を置いてしまうこと)はまったく解決しないらしい.たしかに.
コミケの公式案内も,補給・休憩・冷却をキーワードにして,屋内の密集とか屋外待機とか,具体的なシーンごとに注意喚起してる.ああいうのって毎回同じこと言ってるように見えて,実はちゃんと意味のあることだったんだなと今更思った.

来場者にできること

主催者側がどんなに頑張っても,来場者側の準備もセットじゃないと結局倒れる人は出る.環境省が言ってるのは,数日前から無理のない範囲で暑さに体を慣らしておくこと,参加前から水分と塩分を摂っておくこと,体調が悪ければ無理せず参加を見合わせること,このあたり.
当日の格好も地味に重要で,通気性のいい服,帽子,日傘,冷却タオル,凍らせた飲み物,携帯扇風機,このへんは持ってて損はない.あと,これは自戒も込めてだけど,コスプレとか着ぐるみとか,重ね着や密閉性の高い装備をしてる人は特にリスクが高い.楽しい気持ちはわかるけど,無理はしないほうがいい.
ライブだと「途中で抜けにくい」っていう独特の事情もある.同行者と集合場所を決めておいて,きつくなる前に近くのスタッフに声をかける,これだけで全然違うらしい.

もし目の前で誰か倒れたら

これが一番大事な部分だと思うんだけど,熱中症っぽい人を見つけたら,まず一人にしないこと.近くのスタッフか救護所に連絡する.
意識がはっきりしてて自分で飲める場合だけ,少しずつ水分と塩分を補給する.逆に,意識がもうろうとしてたり,呼びかけへの反応が悪かったり,けいれんしてたり,繰り返し吐いてたりする場合は,無理に飲ませちゃダメ.誤嚥(ごえん)の危険があるから.こういうときは119番と救護所への連絡を最優先で.
応急処置としては,涼しい場所に移動させて,服を緩めて,首・脇の下・足の付け根を濡れタオルや保冷剤で冷やす,というのが基本らしい.救急隊が来たら,発症した時刻とか,暑い環境にいた時間とか,飲酒や持病の有無とかを伝えられると助かるみたい.

おわりに

正直,今まで「水分補給してね」ってアナウンスを右から左に聞き流してた自分がいた.でも調べてみると,あの一言の裏に,待機列の設計とか,WBGTの監視体制とか,救護所から病院までの搬送ルートとか,結構な量の準備が隠れてるってわかった.
来場者としてできることは正直そんなに多くないけど,「暑い場所に長時間いない」「無理しない」「異変に早く気づく」,このへんだけでも意識しておくと,自分も周りの人も守れると思う.今年の夏も,まだイベントが続く人は,どうか無理しないでほしい.冷却グッズのスポンサーさん,いたら普通に案件ください.


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