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私の90smusic#35

#341 I Witness by Black Sabbath

英国のヘビーメタルバンドの重鎮による17作目Cross Purposesから。
70年代にカリスマ的なフロントマンだったオジーがバンドから抜けた後のサバスは、アイオミ/バトラーのオリジナルメンバーに加え、他ボーカルとドラムはディープパープルやレインボーの元メンバーが出入りする機会がなぜか多く、かつてからのサバスらしいヘビーなギターリフを中心に置いた音楽性も、多少そっちにも寄っていくような音楽傾向がありました。
この作品でのドラマーは、後期レインボーに在籍していたボビー・ロンディネリ。80年代中盤からボーカルを取っていたトニー・マーティンは、レインボー出身とかではないものの、ロニー・ディオのパワフルなボーカルスタイルに少し似ていたこともあってか、ディオの影武者感が否めないとこのイメージはちょっとあったかも。交代のタイミングもあるのかな。とはいえ、献身的な実力派ボーカルで計5作品務めていたのは、きっとバンドへの順応と安定した能力への高い評価ゆえ。
このアルバムはサバスの代表的な作品として挙げられるような感じではないものの、個人的にはとても好きな作品で、聴いたタイミングとの同時代性で入りやすかったのもあると思いますが、なかなかサバスらしい良い作品だなという感じがしてます。

#342 Doctor Rockter by W.A.S.P.

ブラッキー・ローレス擁するLAのメタルバンドの5作目Crimson Idolより。
メジャーレーベルのバンドでありながら、過激な表現やパフォーマンスで話題となり、PMRCからも目をつけられていた彼ら。80年代中盤から後半のLAメタルシーンを賑わせていたが、メンバー交代も多く、4作目の時点ではオリジナルメンバーのクリス・ホムルズまでが抜けてしまい、バンドはブラッキーだけが残るほぼ解散状態に陥ることに。
90年代に入り、ブラッキーはソロ作品を制作したところ、レーベルからバンド名義のリリースにするようアドバイスを受けて、本作がバンド名義の5作目として出される。内容は架空のロックスターを主人公にしたコンセプト作品で名作の呼び声も高く、キャッチーなグラムメタルから正統派ヘビーメタルへの転換にもなっていた。
個人的には、単純に過激に暴れてるバンドがいたというとこで、興味本位でベスト盤?を買って聴いて、後に真面目なコンセプト作が出ていることを聞いて、中古で買ってたかなあ?それで聴いてみたら、フーやサヴァタージのコンセプト作とかみたいに、1つのきちんとしたアート作品だったのは印象的でした。アルバムジャケットがまた格好良かった。
18年にはリリースから25周年を機に録音がし直され、また当時収録されなかった楽曲も織り交ぜられて、完全版として再リリースされているそう。

#343 Forever Young by Tyketto

ニューヨークのハードロックバンドのデビュー作Don't Come Easyからのシングル曲。
聴いた感じ、非常に80sのキャッチーセンスと爽やかさを持ったアメリカンハードロックをやっているホワイトスネイクみたいな感じなんですかね。演奏力もあって、親しみやすさもあるし、格好良いから売れてそうなんだけれど、出たタイミングの頃には時流も変わってしまって、結果ゴールドにも届かなかったよう。もしホワイトスネイクと同じ87年なんかにリリースされてたら、ミリオン規模もあったかもしれないことを思うと、遅かったかな。
それでもこの頃まだグラムメタル人気根強い日本だったら、このタイミングでもしっかりウケていても不思議ではないのに、これまた全然売れた様子はがなく、来日公演にも呼べていないというのがとても不思議ではあるんだけど。
わからないけど、全体的に何となくレイドバックした雰囲気なので、もう少しアッパーなのか、刺激的で前のめりな仕草があれば良かったのかな。そういう自分も名前は聞いたことあっても、曲は聴いたことはなくて、それほど知るには疎い存在でした。勿体なかったなあ。

#344 True Believer by Lilian Axe

ルイジアナ州ニューオリンズで結成されたハードロックバンドの3作目Poetic Justiceより。プロデュースは、ジェフ・ベックのギターショップを始め、ブラックサバスのクロス・パーパシス、ヨーロッパの明日への翼などを手がけていたリーフ・メイセス。
ラットのマネージメントとメジャーレーベルとの契約を手にした彼らは、ラットのギタリストのロビン・クロスビープロデュースの元、88年にデビューしているのだけど、続くトニー・プラットプロデュースの2作目と、この時代に合った親しみやすいグラムメタルをもってしても全然ヒットしなくて、レーベルからドロップさせられてしまう。その後も作品を出していくも、残念ながら目立ったヒットにならず、結局バンドは解散に。
この作品、ジャケットはなかなか酷いけど笑、アルバムの内容は全然悪くないどころか名盤域なので、とても勿体ないなあと。メロディアスでスピード感もあり、演奏テクニックも魅力的で十分。
ただ前述のタイケットもそうですが、一度解散した後にまた復活するんですけど、また新たな作品を作りながら、ライブ活動を今も続けられるその後の息の長さを見てみると、何だかんだこういう本当に実力あるハードロックって、やはり正義なんだなあと思わせてくれます。
日本には一度だけ来日をしていて、99年のサンダーの前座として、日比谷野音の地に立っているそうです。

#345 Downhill Racer by TNT

ノルウェーのハードロックバンドの5作目Realized Fantasiesより。
80年代に彼らのような北欧のメタルバンドがMTVで紹介されるようになると、徐々にアメリカやヨーロッパのチャートでもランクインするようになり、大きな海外市場に向かって打って出る土壌が出来つつありました。
3作目Tell No Tales、4作目Intuitionとスカンジナビア地域で人気を大きく獲得した彼らは、同様にしてヨーロッパやアメリカにも知名度は飛び火していったそうで、そんな中でメジャー契約も新たにして、次の展開に向けてリリースされたのが、当時この作品だった。
従来の透明感のあるヨーロピアンサウンドから、アメリカナイズされた刺激とグルーヴ重視のサウンドに明らかな転換を図った作品で、ファンの間では賛否に分かれていたし、今も多分そんな印象を持たれているんだと思う。当時のプロモ活動も上手く出来なかったようで、商業的には落とすことになってしまい、パンド活動も一旦止まってしまうような事態に。
個人的にもやはり、前作の透明感とキャッチーなAOR的なハードロックに惹かれているところがあって、これを聴いて印象が上振れることはなかったんだけど、トニー・ハーネルのボーカルの力量と、ロニー・ル・テクロのハードロックギターのテクニックは流石の域だったし、あと思いがけずクイーン色の濃いEasy Streetという楽曲は好きだったなあ。

#346 Mysterious (This Time Is Serious) by Talisman

スウェーデンのハードロックバンドのセカンドアルバムGenesisからのシングル曲。
バンドの発端は、ベーシスト&ソングライターであるマルセル•ヤコブがジョン•ノーラムのソロバンドから抜けて、自身のソロ作品を制作するところから始まる。
ボーカルには、かつてイングヴェイ•マルムスティーンズ•ライジングフォースで活動を共にしたアメリカ人シンガーのジェフ•スコット•ソートに白羽の矢が立ち、デビュー作を作成。元々の1作限りのつもりが、ジェフがこのプロジェクトを続けたい意思を見せたので、この2作目が続き、3作目以降にはバンド化もされて、09年にマルセルが亡くなるまで、それは続いた。
この作品当時は、ギタリストは後にスウェーデンのプログレメタルバンドのオーペスに加入するフレドリック・オーケソン が正式メンバーとして加入し、ドラマーの方はトリートのドラマーのジェイミー・ボーガーがこの次の作品で加入するも、この時はまだ空席状態で、この作品の中でのドラムの音は打ち込みだった。
個人的にこのバンドを知ることになったのは、ジェフが在籍していた米西海岸のタカラというまた別のバンドの作品をたまたま聴いた時に、タリスマンというバンドもやっているということをライナーノーツで知り、とても良いボーカリストだったので聴く流れに。この時はライジンフォースのことも、イングヴェイのことも多分まだほとんど知らなかったと思う。
ドラムが打ち込みだと全然気づかないほど、ちゃんとバンドしてる感じでこのアルバムは作られていて、曲もメロディが立っててソウルフル。ユニークなのが刺激的なハードロックの土台に、ジェフが持ち込んできたと思われるブラックミュージックの要素を部分的に取り入れているので、ソウルフルな歌唱スタイルに上手く溶け込んで馴染んでいて、そのハードロック以上のリズム感タイム感含めて、作品をさらに魅力的にしていると思う。またこの良く出来たバランスは、以降リリースされる作品にもさじ加減を変えながら継いでいくことになる。
このバンドは良い作品が多くて、そもそもやっぱりわかりやすく演奏が上手い、歌が上手いって良いねえという安心感はありますね。そこはやはり元ライジングフォースかな。

#347 Broken Heart by White Lion

ニューヨークで結成されたグラムメタルバンドの4作目Mane Attractionより、デビューシングルの再録バージョン。
セカンドアルバムPrideの時に、Wait やWhen the Children Cryといった全米トップ10シングルを送り出して、それが押し上げる形でアルバムの方もダブルプラチナムを達成。90年代に入ると、グランジの波に飲まれていく形になって、この作品を最後に解散する。
解散後のリズム隊の2人は、ザック•ワイルドと合流してバンドを組み、ジェイムズ•ロメンゾは現在、メガデスのベーシストとして活躍しています。ボーカルのマイク•トランプは、フリークオブネイチャーなんていうバンドもあったけど、その後はソロ活動に従事。ホワイトライオンの看板をいまだに背負って活動するのがこの人だけかも。一方でエディ•ヴァン•ヘイレンと肩を並べるくらいの技巧の持ち主ヴィト•ブラッタは、バンド解散後は表舞台から姿を完全に消してしまっている。あれだけの腕前とソングライティングも出来る人が本当に勿体ないんだよなあ。
キャリアを通じて、キャッチーで、時には哀愁もある楽曲に、マイクのハスキーな歌声が乗り、ギターテクニックを魅せるヴィトのコンビネーションが印象的なバンドでしたが、本作もそれに従った作品で、前作より力強さも増した感もあったので、せめてこの前作と同じくらいのセールスが残っていれば、もう少しやってみようかという気にもなったかもしれないはずと思う次第です。

#348 Spend My Life by Slaughter

ヴィニー・ヴィンセントがキッス脱退後に結成した自身のバンドに在籍していたという、マーク・スローターとダナ・ストラムを中心に結成されたラスベガスのバンドのデビュー作Stick It to Ya 邦題:欲望のターゲットより。
本作はシングルのヒットによって、ダブルプラチナムを獲得。その後はやはり他と同様にグランジブームに飲まれ、逆境に立たされるも、90年代は5作品のアルバムを残しつつ、ライブ活動をしながら、現在までバンドも解散もしていない。
確か中古で最初の2枚は同時に買ったなあという記憶はあるんですが、あんま聴いてなかったのかな?全然印象になかったところで改めて向き合うと、派手に音処理されたドラムを中心に展開するハードロックギター&ボーカルは、おそらく当時の流行りの感じがよく出てて微笑ましいですが、こんなにキャッチーで勢いのあるロック作品なら、もっと聴いとけばよかったなと。

#349 Straight to Your Heart by Bad English

ジャーニーとベイビーズのメンバーで集まって結成されたスーパーグループとされるバンドのセカンドアルバムBacklashより。プロデューサーはロン・ネヴィソン。
セルフタイトルデビュー作はヒット曲に恵まれて、ミリオンセラーを飾れた作品だったのですが、それに比べるとあんまり活躍できなかった作品というイメージかもしれません。期待したほどは売れなかったみたいですから。
実際自分は後追いで2作同時に聴いてるんですけど、やっぱり売れたデビュー作の印象が強く、こっちの方はほとんど覚えていないという格差が生まれてるんですけど、このくらいの面々が集まると当然期待値も高くなり、ファーストで結果を残してますから、余計に求めるものは多くなりがちかもしれません。
聴いたこのアルバムのイメージで最も印象的だったのは、せっかく洗練されたAORサウンドの中で、結構ドラムがドカドカしてるので、自分の中では全体のバランスがあまり良くないように聴こえてしまうのだけど、ミックスのタイミングでバンドはもう解散していたそうなので、なんか違ってたんでしょうかね。曲そのものはラジオオリエンテッドで、大衆に届くはずのかなり良い曲が並んでるんですけどね。

#350 Givin' Yourself Away by Ratt

カリフォルニアのハードロックバンドの5作目Detonatorより。
デビュー以来、彼らのアルバムはずっと絶えずプラチナムレベルのヒットを獲得していて、モトリークルーらと並ぶLAメタルの代表格に。
しかし前作の4作目まで続いていた人気にも試行錯誤が始まったようで、デビューから務めていたプロデューサーのボー・ヒルがその役割をここで降り、復活気運で望んだ本作では、いわゆるデズモンド•チャイルドやダイアン•ウォーレンのようなヒットを呼ぶ外部ライターを起用した当時の必勝パターンを用意してみるものの、逆に今まで掲げていたラットンロールという魔法があまり機能しなくなってしまったのか、年代が変わってしまったからなのか、初めてゴールドに収まってしまったという流れに。バンドも結局そこで解散してしまいました。
スティーブン・パーシーというバンドの顔になるボーカリストに、ロビン・クロスビーとウォーレン・デ・マルティーニという二枚看板のギタリストがプレイしているというオールドスクールなバンド形態が、自分の中では印象的でした。
ただ自分が知る時には解散してしまっていて、もういないバンドでしたので、音源は後追いで触れる機会はあったけど、いまいち掴めないことも多かったと思います。正直、LAメタルでラットンロールとか言ってるので笑、勝手に何となくパーティーロックなイメージも持ってたかもしれない。
彼らの活動当時って、日本でのツアーも群を抜いて本数が多かったり、城ホールや武道館もやってたりで、相当な人気が窺えて、正直そんなに!?と軽く驚きなんですが、この辺も同時代の空気を吸ってないと、わかんないかなあ。


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