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報われた三度目のお花見、そして「穀雨」へ

今年は、一度春らしくなってから気温が下がったせいかタイミングが上手くつかめず…というより欲張りな気持ちもあり三回もお花見に出掛けた。もちろん近場の名所を訪ねる。

一度目は満開にはまだ早く、二度目は菜の花とのコラボと言うロケーションで人が多すぎた。果たして三度目は、里山を流れる川沿いの桜並木で、これが実は大当たりであった。実は桜の花はほとんど終わりに近く葉桜になりかけの樹もあった。一応「桜まつり」の最終日だったのだが花見客らしい人は殆どいない。近くのスーパーで素朴な〈ちらし寿司〉を買い、まるで目立たぬようにとそっと置いてあるベンチに腰掛けて散り際の桜を愛でる。緩いカーブを描く川に沿って淡いピンク色をかすかに残す桜並木は思いのほか美しかった。

並木に面した田畑からは土の匂いが立ち込め、どこかで雲雀ひばりが鳴いている。遠くに目をやれば、生まれたばかりの若葉に包まれた山は鶯餅のような緑。その所々に綿菓子のように桜が見える。私はこの春の里山の風景が大好きだ。

あれから一週間。4月20日は二十四節気の「穀雨」にあたるらしい。春の雨は穀物を育て木々や花々に命をもたらす恵の雨だ。そしてもちろん私たち人間もその恩恵にあずかっている。桜が散ったら終わり、などではなく季節はまた景色を変えながら新しい恵みをもたらしてくれる。

行き帰りの車窓からも其処此処そこここに里山の美しさを満喫でき、三度目のお花見は大正解だったと思いながら帰宅した。


早々と
水引きおりし道沿いの
水田は揺れる卯月の風に

未だ尚
冷たさ残る 空の下
ほのかに登る 春の土の香

葉桜の
土手の下には春紫苑
愛でられずとも揚々と咲く

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