見出し画像

50.散文詩 ≪菜の花の黄色に、≫

ここは太平洋に面した丘の上にある広大な菜の花畑
まだ冬が明けきらない、朝日にキラメク光の中
咲き誇る菜の花で埋め尽くされている
 
この黄はタダモノではないのです、陽光を浴びて
濃すぎず、淡過ぎず、発光しているかのように
トテツモナク明るく、トテツモナク眩いんです
 
一組の家族連れ、ふたりの幼な児が、はしゃぎながら
いきなり勢いよく黄の世界に飛び込んでいった
一瞬にして消えた、パパとママが慌てて後を追った
 
そして、夢うつつの雲間
黄色い光背を背負った不動明王の姿
ちっとも怖くない、どこか優しい、なぜか懐かしい
 
どれだけの時間が経ったのだろう
その閉じた瞼がかすかに動いた
いきなり鮮烈な光線が、ハッと、我に還る
 
目の前に広がる黄色の異次元の空間
キラキラと波間から不定期に放射される魔界の光線
キャッキャと幼な児たちのくったくのない無邪気な歓声
 
いつの間にか、
ユンワリとユッタリとシアワセの空間に浸っていた
そんな気がした、早春の一コマ
 
 
幸せ詩集 『やさしい人』 著:中村とうご より
**************************
 
 
たまに訪れるのどかな早春のまばゆい広大なお花畑、
ウッカリ、夢心地の世界に墜落してしまうことが有ります、
心の中の異空間に飛遊する、それも一つの幸せなんです、
人間だけに特別に与えられた幸せなんです、きっと。
折角の二度と無い人生、仲良く楽しく幸せに生きましょう(H/P 書窓けやき通り)

いいなと思ったら応援しよう!