87.散文詩 ≪藤の花の下に、≫
五月の光をはらんで、藤の花が咲きこぼれる、
藤は、日本の柴垣に似合う
藤は、振袖姿の日本髪に似合う
藤は、武士(もののふ)の街、金沢に似合う
しっとりと落ち着いた風情に、艶やかな、はなやかさ
特に紫色の大きな花の房は高貴な花の代表かも
イヤイヤ、もう一人の私がもっともらしくのたまう
藤ってさぁ、里山の樹々の間で、アチラコチラで藤の花が、覗いているよ
子供たちが遊ぶ公園でも、藤棚に一杯咲いているよ
藤は日本が原産地というのも、妙に納得できるしね
まぁ、本当は庶民の花とも言えるかもね
まぁ、そんなことはともかく、
今日はとんでもなく幸せな日だったような
家族連れの多い、ここ、藤公園に心浮かれてやって来た
花房の長さ八十センチもあろうかという紫色の大きな藤の花が
皐月の風に、揺れていた
見ているだけで、なんか嬉しくなってしまった
暖かい、のどかな、明るい日差しの中で
その紫色の端正な長―い花房たちに囲まれ
非日常の世界に招待されているような錯覚
それだけで
特別新鮮な空気に触れた気がした
子供たちが長―い藤の花の下を走り回っていた
それだけで
今日は幸せな日、のような気がした
暖かい、のどかな、明るい日差しの中で
幸せ詩集 『やさしい人』 著:中村とうご より
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折角の二度と無い人生、仲良く楽しく幸せに生きましょう(H/P 書窓けやき通り)
