社会主義国比較|同じ赤でも、中身はまるで違った【野球から始まる知的散歩メモ】
成島です。@freeowner171
以前、カリブの野球史に
ついて書きました。
キューバ、ドミニカ共和国、
プエルトリコ、パナマ、ベネズエラ。
野球を入口にカリブを眺めていたら、
気づけば国の形や、
アメリカとの距離感や、
選手が国外へ出ていくルートの
話になっていました。
で、
そこで一番引っかかって残ったのが、
やっぱりキューバです。
キューバの野球は、
ただのスポーツではない。
国家が育てる。
代表が国を背負う。
国外へ出る選手には、
移籍という言葉だけでは
片づかない重さがある。
そう考えていくと、
どうしても次の疑問が出てきます。
そもそも、社会主義国って何なんだろう?
中国も社会主義を掲げる国。
ベトナムも社会主義を掲げる国。
キューバも社会主義国。
ラオスも社会主義国。
北朝鮮も、かなり特殊ですが、
社会主義を掲げ、共産主義陣営の
流れを持つ国として語られることが多い。
さらに、前回の流れで
ベネズエラも気になります。
ベネズエラは、
厳密には中国やキューバのような
共産党一党体制の社会主義国ではありません。
でも、チャベス政権以降の
社会主義的な政策、
反米姿勢、石油依存、
国家による経済介入、
そして国外へ出ていく人々の流れを見ると、
比較対象としてはかなり面白い。
つまり、同じ「社会主義」という
言葉の周辺にいても、中身はまるで違うんです。
中国とキューバは違う。
ベトナムと北朝鮮も違う。
ラオスと中国も違う。
ベネズエラは、
そもそも少し別枠だけど、
横に置くと見えるものがある。
同じ「赤」のイメージでまとめると、
むしろ見えなくなるものが多い。
ということで、今回は社会主義国比較です。
ただし、僕は政治学者ではありません。
この記事は、専門的な論文ではなく、
前回のキューバ野球から
続いてしまった知的散歩のメモです。
「社会主義」という言葉の中身を、
国ごとに少し分解して眺めてみる。
そのくらいの温度感で読んでください。
まず、社会主義国という言葉がざっくりしすぎている
最初に整理したいのはここです。
社会主義国という言葉は、
かなりざっくりしています。
日本で普通に会話していると、
「社会主義の国」
「共産主義の国」
「自由がない国」
「国が全部決める国」
みたいに、
かなり大きな箱で語られがちです。
でも、ここは本当は
少し分けた方がいい。
社会主義と共産主義は、
厳密には同じ言葉ではありません。
ざっくり言えば、
社会主義は生産や分配に
国家や社会が強く関わる考え方で、
共産主義はその先に
階級や私有財産のない社会を
理想として置く思想として
語られることが多い。
ただ、現実の国を見ていると、
名前や理念よりも、
実際の運用の方が大事になってきます。
社会主義を掲げていても、
市場経済をかなり取り入れている国がある。
一党支配だけど、民間企業が
巨大に育っている国もある。
逆に、
市場経済の要素がかなり限られ、
国家の管理が濃い国もある。
さらに、
国際社会とのつながりが
太い国もあれば、
かなり閉じている国もある。
つまり、
「社会主義かどうか」
だけで見ると粗いんです。
むしろ大事なのは、
政治はどれくらい一党支配なのか。
経済はどれくらい市場化しているのか。
民間企業はどれくらい動けるのか。
国民は海外やインターネットとどれくらいつながれるのか。
国家がどこまで生活を管理しているのか。
何に依存して国を回しているのか。
このあたりを分けて見ること。
ここを混ぜると、
話がぐちゃぐちゃになります。
前回の亡命の記事で書いた、
「それはルールの話か、運用の話か、言葉の幅の話か」
という切り分けに近いです。
社会主義国を見るときも、
「政治体制の話か」
「経済運用の話か」
「生活の自由度の話か」
「外交関係の話か」
「資源依存の話か」
を分けた方がいい。
そうしないと、
中国と北朝鮮を同じ箱に入れて終わり、
みたいな雑な理解になってしまいます。
中国は「市場を使いこなす巨大な一党国家」
まず中国です。
中国は、社会主義国として語られます。
中国共産党による一党支配。
政治的な統制。
言論やネット空間への強い管理。
このあたりは、たしかに
社会主義国家としての特徴が濃い。
でも、経済だけを見ると、
かなり市場経済の要素が入っています。
巨大な民間企業がある。
起業家がいる。
ECもある。
不動産市場もある。
工場もある。
外資も入っている。
世界中と貿易している。
日本人が「社会主義」と聞いてイメージする、
全員が同じ服を着て、
国営商店だけがあり、
国家がすべてを配給しているような
世界とはかなり違います。
中国は、ざっくり言うと、
政治は共産党が握る。
でも経済には市場を使う。
この組み合わせです。
国家が市場を消したのではなく、
市場を使って国力を伸ばした。
ここが中国の特徴だと思います。
もちろん、
完全な自由市場ではありません。
国家の意向はかなり強い。
企業も、一定以上大きくなれば
政治と無関係ではいられない。
ネットも自由に
何でも見られるわけではない。
つまり、中国は
「自由な資本主義国」ではない。
でも同時に、
「市場のない社会主義国」でもない。
ここがややこしい。
僕の中では、中国は、
市場を使いこなす巨大な一党国家
という感じです。
政治のハンドルは党が握る。
でもエンジンには市場も使う。
この組み合わせで、
とんでもない規模まで成長した国。
そう見ると、単に
「社会主義だから貧しい」
といった古いイメージでは説明できません。
むしろ、中国を見ると、
政治の自由化と経済の市場化は、
必ずしもセットではない
ということがわかります。
ここが、けっこう大事です。
ベトナムは「現実主義の社会主義」に見える
次にベトナムです。
ベトナムも社会主義国です。
一党支配。
共産党体制。
政治的な自由には制限がある。
この意味では、
中国と同じ側にあります。
でも、ベトナムを見ていると、
中国ほど巨大な国家資本主義という感じではなく、
もっと現実主義的に見えます。
外資を入れる。
輸出産業を伸ばす。
工場を誘致する。
民間ビジネスも活用する。
観光も受け入れる。
日本企業の進出も多いですし、
日本人にとっては東南アジアの
成長国というイメージも強いと思います。
ベトナムは、社会主義という
看板を持ちながら、
経済ではかなり柔軟に動いている国に見えます。
中国と似ている部分もあります。
政治は一党支配。
経済は市場を使う。
ただ、中国ほど世界そのものを変える
巨大国家というより、外資や輸出を
うまく使って成長している現実的な国、
という印象です。
僕の中では、ベトナムは、
生活の現実に合わせて
市場を取り入れた社会主義国
という感じです。
理念だけで突っ走るのではなく、
「このままだと食えない」
「経済を伸ばさないといけない」
「外とつながらないと成長できない」
という現実から、
制度を調整してきた国。
もちろん、政治的な自由が
広いわけではありません。
政府批判や言論の領域では制限があります。
ただ、
日常の経済活動や商売の空気を見ると、
「社会主義」という言葉から受ける硬さよりも、
かなり動いている感じがあります。
ここでもやっぱり、
政治体制と経済活動は
分けて見ないといけない
と思います。
政治は一党支配。
経済はかなり市場化。
この組み合わせは、
中国にもベトナムにもあります。
でも、国の規模、歴史、外交、経済の
つくり方が違うので、同じには見えない。
同じ社会主義国でも、
かなり表情が違うんです。
キューバは「国家色が濃いまま、市場化も進めている社会主義」
そしてキューバです。
これまでの記事の流れでいうと、
ここが一番気になるところです。
キューバは今も社会主義国です。
一党体制で、
国家の存在感がかなり強い。
ただし、ここは少し
丁寧に見た方がいいところです。
キューバは、
完全な国家管理モデルのまま
止まっている国ではありません。
2010年代以降、自営業や民間セクターは
少しずつ広がってきました。
さらに2021年には、
中小企業の合法化も進みました。
つまり、
国家がまだ濃く残る。
でも、民間の動きも広がっている。
この両方を見る必要があります。
中国やベトナムほど
大きく市場化しているわけではない。
でも、昔ながらの完全な
国家管理だけで説明するのも、少し古い。
この中間にあるのが、
今のキューバのややこしさです。
キューバを考えるとき、
野球はかなりわかりやすい入口になります。
才能ある選手が国家の仕組みの中で育つ。
国内リーグがある。
代表チームが国の誇りになる。
国際大会で勝つことが、国の威信につながる。
これは、自由市場の中で
選手が球団と契約して
移動していく世界とは少し違います。
もちろん、今は昔より複雑です。
国外でプレーする選手もいる。
MLBを目指す選手もいる。
キューバ連盟の運用も変化してきている。
それでも、キューバ野球には
「国が育てた才能」という感覚が残ります。
だからこそ、
選手が国外へ出る話には重さが出る。
ただの移籍ではなくなる。
ただの転職でもなくなる。
国の管理から外に出る。
外の市場へ流れる。
場合によっては亡命や
離脱という言葉で語られる。
この重さは、中国やベトナムの
民間企業の話とはまた違う質感です。
キューバは、経済規模で
中国のような巨大国家ではありません。
世界の工場でもありません。
むしろ、
アメリカとの関係や制裁、
国内経済の制約、物資不足など、
かなり厳しい条件を抱えてきた国です。
だから、市場化といっても、
中国やベトナムのように
一気に外資と輸出で巨大成長、
という見え方にはなりません。
国家主導の骨格が残ったまま、
自営業や中小企業などの市場要素を広げている。
僕にはそう見えます。
つまり、キューバは、
国家色が濃いまま、
市場化も進めている社会主義国
です。
そして、その国家の濃さが、
野球選手の移動にも影を落としている。
ここが、前回のWBCや
亡命の話とつながる部分です。
ベネズエラは「社会主義を掲げた産油国」の難しさが見える
ここで、少し番外編として
ベネズエラも入れておきたいです。
ベネズエラは、中国、ベトナム、
キューバ、ラオス、北朝鮮のような意味での
「共産党一党体制の社会主義国」ではありません。
形式上は選挙もあり、
複数政党制もあります。
なので、厳密に言えば、
同じ箱にそのまま入れると少しズレます。
でも、社会主義国比較をしていると、
ベネズエラはどうしても横に置きたくなる国です。
なぜなら、
チャベス政権以降のベネズエラは、
反米、資源ナショナリズム、
貧困層向け政策、国家による経済介入など、
「社会主義」を掲げた政治が、
資源依存やポピュリズムと
結びついた例として見えるからです。
ここで注意したいのは、
ベネズエラの混乱を
「社会主義の結果」と一言で片づけないこと。
これはさすがに単純化しすぎです。
ベネズエラには石油があります。
ここがかなり大きい。
中国は市場を使って巨大化した国。
ベトナムは外資と輸出で伸びた国。
キューバは国家主導の濃さが残る国。
それに対して、ベネズエラは、
石油収入を背景に、
国家が分配を強めた国
として見るとわかりやすいです。
石油でお金が入る。
そのお金を使って、貧困層向けの政策を進める。
国家が経済に強く関与する。
反米的な姿勢も強まる。
この流れだけを見ると、
かなり社会主義的に見えます。
ただ、問題はそれだけではありません。
ベネズエラの経済危機は、
石油価格の下落。
為替管理や価格統制の失敗。
汚職。
統治能力の低下。
産業の弱体化。
国際関係の悪化。
こうした複数の要因が
重なって起きたものです。
だから、
社会主義を掲げたから崩壊した
と単純に書くのは危ない。
むしろ、
資源依存の国が、
国家介入とポピュリズムと
統治不全を重ねたとき、
どれだけ脆くなるのかを見る例
として考えた方が近い気がします。
ベネズエラを見ていると、
「資源がある国は強い」と
単純には言えないことがわかります。
むしろ、資源があるからこそ、
国家がそれに依存してしまう。
そして、資源収入をどう使うかで、
国の形が大きく変わってしまう。
ここがベネズエラの怖さであり、
面白さでもあります。
キューバと比べても、かなり違います。
キューバは資源大国ではありません。
限られた条件の中で、
国家が医療、教育、スポーツ、配給などを
握りながら国を維持してきた。
ただし、先ほど書いたように、
近年は自営業や中小企業など、
民間セクターも広がっています。
一方、ベネズエラは
石油という巨大な収入源があった。
だからこそ、社会主義的な
分配政策を大きく打ち出せた。
でも、その財源が揺らぎ、
制度運用もうまくいかなくなると、
国全体が大きく揺れてしまう。
つまり、キューバは
「不足の中で国家色を濃く残しながら、
市場化も少しずつ進めている国」
ベネズエラは
「資源収入に乗った国家介入が、
資源依存や統治不全と絡んで難しくなった国」
この違いで見ると、
かなり整理しやすいです。
さらに、ベネズエラには
野球の文脈もあります。
前回のカリブ野球史でも書いたように、
ベネズエラは南米の国でありながら、
野球文化としてはカリブ海側と深くつながっています。
ミゲル・カブレラ。
ホセ・アルトゥーベ。
ロナルド・アクーニャJr.
サルバドール・ペレス。
フェリックス・ヘルナンデス。
ルイス・アラエス。
MLBで活躍するスターも多い。
でも、その背景には、
国内の政治経済の不安定さや、
国外へ出ていく人々の流れもあります。
野球選手がMLBへ向かうことは、
単なるスポーツの成功ではなく、
国の外に人生のルートをつくることでもある。
ここは、社会主義国比較に
ベネズエラを入れる意味があるところです。
ベネズエラは、
厳密には一党体制の社会主義国ではない。
でも、
社会主義を掲げた政治。
国家による経済介入。
反米姿勢。
石油依存。
経済危機。
国外流出。
こういう要素を見ると、
キューバや中国、ベトナムと
横に並べて考える価値があります。
ただし、因果を単純にしない。
ここが大事です。
同じ社会主義という言葉の周辺にいても、
中国は市場を使った。
ベトナムは外資を使った。
キューバは国家管理を
残しながら市場化も進めた。
ベネズエラは石油収入に乗った国家介入が、
資源依存や統治不全と絡んだ。
こう見ると、社会主義の中身というより、
国家が何を握り、何に依存したのか
が見えてきます。
ベネズエラは、その比較に
かなり良い補助線を
引いてくれる国だと思います。
ラオスは「目立たないけれど、同じ一党体制の国」
社会主義国比較で
忘れられがちなのが、ラオスです。
中国、ベトナム、キューバ、北朝鮮に比べると、
日本のニュースでラオスが
大きく取り上げられることはあまり多くありません。
でも、ラオスも一党体制の社会主義国です。
ラオス人民革命党による支配が続いています。
地理的には東南アジアの内陸国。
ベトナム、中国、タイ、
カンボジア、ミャンマーに囲まれています。
この場所が、かなり大事です。
ラオスは大国ではありません。
中国のような巨大市場でもない。
ベトナムのような輸出製造業の存在感とも違う。
キューバのようにアメリカとの
対立で象徴化される国でもない。
でも、周辺国との関係の中で
生きている社会主義国です。
中国からの投資。
ベトナムとの関係。
タイとの経済的なつながり。
メコン川。
インフラ開発。
こういうものの中で国が動いている。
つまり、ラオスを見ると、
社会主義国にも、
大国型と小国型がある
ということがわかります。
中国のように世界に影響を
与える社会主義国もあれば、
ラオスのように周辺国との
関係の中で現実的に動く社会主義国もある。
同じ一党体制でも、
国のサイズが違うと見え方が全然違う。
ラオスは、社会主義国比較の中では
地味に見えるかもしれません。
でも、地味だからこそ、
「社会主義国
=全部が世界を揺らす巨大国家ではない」
という当たり前のことを
思い出させてくれます。
北朝鮮は、同じ箱に入れると逆に混乱する
そして北朝鮮です。
ここは、かなり特殊です。
北朝鮮も、社会主義を
掲げる国として語られます。
ただ、中国、ベトナム、キューバ、
ラオスと同じように並べて
理解しようとすると、逆に混乱します。
なぜなら、北朝鮮は社会主義というより、
超閉鎖的な世襲独裁国家
として見た方が実態に近いからです。
もちろん、国家が経済を管理する。
政治的自由がかなり制限される。
一党支配に近い構造がある。
そういう意味では、
社会主義国比較の中に入ってきます。
でも、
中国やベトナムのように、
市場を使って外とつながりながら
成長するモデルとはまったく違う。
キューバのように、
国際大会や医療、教育、文化などを
通じて外に顔を出す感じとも違う。
北朝鮮は、かなり閉じています。
国民が世界のインターネットへ
自由につながることも難しい。
海外との人の往来も
非常に限られている。
情報統制も強い。
国家そのものが、
外部から見えにくい。
ここが他の社会主義国と大きく違います。
中国は統制が強いけれど、
世界経済と深くつながっています。
ベトナムも政治統制はありますが、
外資や観光や貿易で外とつながっています。
キューバも制約はありますが、
医療、観光、スポーツ、文化などで
外との接点があります。
でも北朝鮮は、その接点がかなり細い。
だから、北朝鮮を
「社会主義国の一例」として並べることはできても、
「中国も北朝鮮も同じ社会主義だから似ている」
とは言いにくい。
むしろ、北朝鮮は例外枠として
扱った方がいい気がします。
社会主義という看板よりも、
閉鎖性、世襲、軍事、
情報統制の方が前に出てくる国。
ここを混ぜると、
社会主義国比較全体の解像度が落ちます。
同じ社会主義でも、経済の自由度がまるで違う
ここまで並べると、
ひとつ見えてくることがあります。
同じ社会主義国でも、
経済の自由度がまるで違う。
中国は、市場をかなり使う。
ベトナムも、市場と外資をかなり使う。
キューバは、市場要素を
取り入れつつも国家管理が濃い。
ただし、2010年代以降は自営業や
民間セクターが広がり、
2021年には中小企業の合法化も進んだ。
ベネズエラは、
一党体制の社会主義国ではないけれど、
石油収入を背景に社会主義的な分配と
国家介入を強めた。
ただし、その危機は社会主義だけではなく、
資源依存、政策運用の失敗、
汚職、統治能力の低下などが
重なったものとして見る必要がある。
ラオスは、小国として
周辺国との関係を使いながら動く。
北朝鮮は、かなり閉鎖的で、
市場化の見え方も限定的。
この差は大きいです。
日本人が「社会主義」と聞いて
イメージするものと、
実際の各国の姿はかなり違う。
特に中国とベトナムは、
経済だけ見ればかなり
資本主義的に見える場面があります。
街に店がある。
企業がある。
投資がある。
輸出がある。
富裕層もいる。
格差もある。
それでも政治体制としては一党支配です。
ここでわかるのは、
市場経済があるからといって、
政治的に自由とは限らない
ということです。
逆に言うと、
政治が一党支配だからといって、
経済が全部配給制というわけでもない
ということです。
ここが、社会主義国を見るときの
一番の注意点だと思います。
政治と経済をセットで雑に理解しない。
これだけで、かなり見え方が変わります。
ネットを見ると、国の本音が少し見える
もうひとつ、社会主義国を
比べるときに面白いのが
インターネットです。
ネットは、その国がどれくらい
外の情報を許しているかを
見る入口になります。
中国は、インターネット自体は
ものすごく発達しています。
ECもある。
動画もある。
SNSもある。
決済もある。
アプリも生活に入り込んでいる。
でも、外部の情報へのアクセスや
政治的な発言には強い制限があります。
つまり、
ネットは発達しているが、
管理も発達している。
ベトナムもネットは
普通に使われています。
若い人もSNSを使う。
商売にも使う。
海外情報にも触れる。
ただし、政治的な発言には制限がある。
キューバは、以前よりネット環境が
広がってきましたが、
経済事情や国家管理の影響が残ります。
中国やベトナムのように、
生活インフラとしてネットが巨大に
発達している感じとは違います。
ベネズエラは、ネットだけで見ると
北朝鮮のような閉鎖国家とは違います。
ただ、政治経済の不安定さや
情報環境の問題はあります。
つまり、ネットに接続できるかどうかだけではなく、
その国で何を言えるのか。
どこまで安全に発信できるのか。
生活インフラとして安定して使えるのか。
このあたりまで見る必要があります。
北朝鮮は、そもそも一般市民が
世界のインターネットに
自由につながれる国ではありません。
ここは別格です。
こうして見ると、
ネットの自由度は、
社会主義国や社会主義的な国家運営の
違いをかなりはっきり見せます。
同じ統制でも、
中国は巨大なデジタル経済を作ったうえで管理する。
ベトナムは利用を広げながら政治領域を締める。
キューバは経済制約も絡みながら徐々に広がる。
ベネズエラは政治経済の不安定さが情報環境にも影を落とす。
北朝鮮はそもそも外部接続を強く絞る。
同じ「ネット統制」でも、質が違う。
ここもやっぱり、
一言でまとめると見えなくなります。
日本人が想像する社会主義と、現実の社会主義国はズレている
日本で社会主義という言葉を聞くと、
どうしても冷戦時代のイメージが残ります。
ソ連。
東側。
赤い国。
配給。
国営。
自由がない。
貧しい。
こういうイメージです。
もちろん、
完全に間違いではない部分もあります。
でも、今の社会主義国や
社会主義的な政策を掲げた国を、
それだけで見るとかなりズレます。
中国には巨大IT企業がある。
ベトナムには外資工場がある。
キューバには自営業や中小企業など、
民間ビジネスの拡大もある。
ベネズエラには石油収入を背景にした
分配政策の歴史がある。
ただし、その危機は社会主義だけでなく、
資源依存や統治不全も含めて見る必要がある。
ラオスには中国投資やインフラ開発がある。
北朝鮮は、たしかに閉鎖的ですが、
それは社会主義だけでは
説明しきれない特殊な体制です。
つまり、社会主義国は、
冷戦時代の博物館の中に
止まっているわけではありません。
それぞれの国が、
現実に合わせて形を変えている。
市場を入れる国。
外資を使う国。
国家管理を残しながら民間部門も広げる国。
資源収入に依存する国。
閉鎖性を強める国。
周辺国との関係で生きる国。
同じ赤でも、
濃さも、質感も、使い方も違う。
ここが面白いんです。
雑にまとめると、こう見える
かなり乱暴にまとめると、
僕の中ではこんな感じです。
中国は、市場を使いこなす
巨大な一党国家。
ベトナムは、外資と輸出を使う
現実主義の社会主義国。
キューバは、国家色が濃いまま、
市場化も進めている社会主義国。
ベネズエラは、社会主義を掲げた
産油国の難しさが見える国。
ただし、その混乱は社会主義だけではなく、
資源依存、政策失敗、汚職、統治能力の
低下などが絡む複合問題。
ラオスは、周辺国との関係の中で
生きる小国型の一党国家。
北朝鮮は、社会主義というより、
閉鎖性と世襲独裁が前面に出る特殊国家。
もちろん、この一文だけで
語り切れるわけではありません。
でも、最初の地図としては使える気がします。
少なくとも、
「社会主義国は全部同じ」
という見方からは抜け出せる。
この一歩が大事なんだと思います。
キューバ野球から始まったのに、また地図を見ている
それにしても、不思議です。
最初はWBCの
キューバ代表を見ていただけでした。
ジャリエル・ロドリゲスがいて、
「あれ、亡命したのに代表になれるの?」
と思っただけ。
そこから、亡命と
難民認定の違いを調べました。
キューバ連盟の運用を調べました。
カリブ野球史を調べました。
キューバとドミニカ共和国の
育成構造の違いを調べました。
ベネズエラの野球を見たら、
石油と都市と国外移動の話になりました。
そして今度は、
社会主義国比較まで来てしまった。
野球を見ていたはずなのに、
なぜか政治体制を比べています。
でも、たぶんこれが面白いんです。
ひとつの違和感を放っておかない。
「なんで?」と思ったところから、
少しだけ深く掘る。
すると、スポーツの話が国の話になる。
国の話が経済の話になる。
経済の話が人の移動の話になる。
人の移動の話が言葉の話になる。
つながっていないようで、
全部つながっている。
今回の社会主義国比較も、
結局はその延長です。
キューバという国をもう少し理解したくて、
他の社会主義国と比べてみた。
そうしたら、社会主義という
言葉自体が思っていたより雑だった。
そして、ベネズエラのように
厳密には同じ箱に入らない国を横に置くと、
「国家が何を握るのか」
「何に依存するのか」
「外とどうつながるのか」
「どこで制度が詰まるのか」
という別の軸が見えてきた。
この発見だけでも、
調べてよかった気がします。
調べてみてよかった切り口
最後に、今回のメモとして
使えそうな見方を置いておきます。
ひとつ目。
社会主義国を見るときは、
政治体制と経済運用を分ける。
一党支配だからといって、
市場がないとは限らない。
市場があるからといって、
政治が自由とは限らない。
この切り分けが大事です。
ふたつ目。
社会主義と共産主義を、
なんとなく同じ意味で使わない。
日常会話では混ざりがちですが、
厳密には別の概念です。
そして現実の国を見るときは、
名前よりも運用を見る。
その方が、だいぶ理解しやすくなります。
みっつ目。
中国、ベトナム、キューバ、ラオス、
北朝鮮は、同じ箱に入れられがちだけど
中身はかなり違う。
中国は巨大市場。
ベトナムは現実主義。
キューバは国家色を残しながら市場化も進む国。
ラオスは小国型。
北朝鮮は特殊な閉鎖国家。
こう見ると、だいぶ整理しやすいです。
よっつ目。
ベネズエラは、厳密には
一党体制の社会主義国ではないけれど、
比較対象として入れるとかなり見えるものがある。
社会主義を掲げた政治。
石油依存。
国家による分配。
政策運用の失敗。
汚職。
統治能力の低下。
経済危機。
国外流出。
このあたりを見ると、
「社会主義かどうか」だけではなく、
「国家が何に依存しているか」という視点が出てきます。
いつつ目。
ネットやスポーツを見ると、
国の運用が少し見える。
ネットをどこまで許すか。
スポーツ選手をどう扱うか。
国外との接点をどう持つか。
こういう生活に近い部分を見ると、
政治体制の説明だけでは
見えない空気が出てきます。
むっつ目。
「社会主義」という言葉を見たら、
そこで止まらない。
その国は市場を使っているのか。
外資を入れているのか。
民間セクターはどれくらいあるのか。
資源に依存しているのか。
国民は外とつながれるのか。
国家は何を強く握っているのか。
そこまで見ると、
言葉への違和感が少し減ります。
また変な方向へ散歩したくなったら、
続きを書きます。
次は、
社会主義国のインターネット統制だけで
一本書けそうな気もしています。
あるいは、
中国とベトナムの違いだけでも、
かなり面白そうです。
ベネズエラだけを切り出して、
石油と野球と移民の話にしても
面白そうですね。
この記事を書いたことで、
普段は出会えない
読者の目に止まっていたら、嬉しいです。
【プレゼントコーナー】
顔出しなしでバズりも不要!
少ないフォロワーでも複数SNSから毎日集客して
売上を生み出す方法をまとめた無料ウェビナーを
【期間限定】でプレゼント中!
↓↓↓↓↓クリックしてください(^^)
いいなと思ったら応援しよう!
チップって金額以上の嬉しさがあって不思議…