スーファミ風ダンジョンRPG「Dungeon Antiqua 2」を制作しています
昨年2024年10月に、ファミコン風ダンジョンRPG「Dungeon Antiqua」を制作してSteamおよびApp Store/Google Playにてリリースを行いました。
嬉しいことに自分が期待していたよりもはるかに多くの反響がありましたので、今年2月くらいに主要なアップデートが一巡してから、いただいたご意見や自分としての反省点を次の制作へ反映すべく、そのまま「2」の制作へと進むことにしました。
<<以下2025/9/11修正・追記(予定日反映とストアページリンク追加)>>
「Dungeon Antiqua 2」、通称ダンティカ2は2025年12月の体験版リリース、そして2026年1月の本リリース(とりあえずはSteam版)を目指しています。
サイドビューバトルのスーファミ風DRPG
本作はサイドビューバトルのスーファミ風RPGです。
誰も知る名作RPG「ファイナルファンタジー(以下FF)」をリスペクトしたサイドビューバトルRPGの世界が、スーファミのようなグラフィックやサウンドで表現されます。

本作はタイトルからも「ダンジョン」を前面に押し出している通り、「ワールドマップ」が存在しません。ひたすらダンジョンと街を往復することになります。
この手のダンジョンRPGは、Wizardryや世界樹の迷宮のような主観視点の3Dダンジョンが主流ですが、Dungeon Antiquaではわかりやすさ・カジュアルさを重視して2Dダンジョンを舞台にしています。
ただ、ドラクエやFFのようなクラシックな2DタイプのJRPGのダンジョンとは異なる点として、本作にはプレイヤキャラクター主観の「視界」の概念があり、扉の奥や壁の向こうの通路は一度探索するまで見えないようになっています。

なお、前作ではグラフィックやサウンド面のスペックは「ファミコン風」で制作していましたので、今作でスーファミ風に「進化」したことになります。
これは動画やスクショでぱっと見たときに「1」か「2」かをすぐにわかるようにしたいという理由と、かつてファミコンからスーファミに進化したときのワクワク感をプレイヤーが少しでも追体験できれば、という狙いによるものです。
ダンティカ2のビジュアルを少しずつ制作中
— frenchbread(ふれんち) (@frenchbread1222) March 21, 2025
前作はファミコン風でしたが(あくまで「風」、使用色数の制約とかは守ってない)次作はスーファミに近づけます
と言ってもスーファミほど多色にするわけではなく色数を16から32に増やすだけなんですが、戦闘背景とフチがつくとだいぶ変わって見えません? pic.twitter.com/1EOhyU4X7b
ターゲットとするプレイヤー層
前作は「ゲームデザインはWizardryがベース、ビジュアルやUIは初期FFリスペクト」という方針で制作していましたが、前作の経験を活かして本作のシステムを吟味していった結果、特定の何かを強くリスペクトしたゲームというより、SFC時代の複数のRPGの特徴を反映したゲームデザインとなりました。
また、令和の現代における洗練された他のゲームに比べても見劣りしないテンポの良さや親切な操作性から得られるプレイの爽快感は、今作でも強く意識しています。
つまり、SFC時代のRPGの歯応えにワクワクしながら挑んだプレイヤーの方を主なプレイヤー層と想定しつつ、SFC時代より後の世代のプレイヤーの方にも快適に遊んでいただけるゲームを目指しています。
ゲームシステム
シリーズものである以上、ゲームシステムは前作「Dungeon Antiqua」と重なる部分も当然多いのですが、主に違いを示しつつ、前作を知らなくても伝わるように紹介していきます。
冒険の舞台は6つのダンジョン
前作からの進化点として、前作では舞台となるダンジョンは1種類だけでしたが、本作には6つのダンジョンが用意されています。
ゲームスタート時には最初に行くべき場所として指示される「試練の塔」と、最終目的地として提示される「デモンズゲート」だけが表示されていますが、ストーリーの進行やサブクエストの発生によって行き先が増えていきます。
6つのダンジョンは「一度クリアしたら終わり」とは限らず、ストーリーの進行や入手したキーアイテムなどに応じて再訪し、ダンジョンのさらに下層(上層)を目指したりすることになります。

戦闘はシンボルエンカウント
今作はシンボルエンカウントで戦闘が発生します。
前作はランダムエンカウントシステムだったのですが、前述の「プレイヤーキャラクターの視界の概念」と組み合わせることで面白くなるのではないか、と考え今作にて変更しました。
Dungeon Antiquaでは3Dタイプの一人称視点同様、パーティの背後から敵が迫ってきても視界に入っていなければ敵は見えないので、探索中に不意に背後から敵の攻撃に見舞われる、といった緊張感が生まれることになります。


またプレイヤーの腕前次第では、極力不要な戦闘を避けてダンジョンの奥に進む、といったことも可能になりますので、より多様なプレイスタイルが生み出されると考えています。
職業が8個→10個に
前作はパーティキャラクタの職業は8個、「戦士・盗賊・魔法使い・僧侶・ビショップ・侍・ロード・忍者」となっていました。
初期のWizardry(あるいは最近のものでも5つの試練とか)をご存じの方であればすぐわかるように、これはWizardryの伝統的な職業リストそのものです。
私はこの8つの職業リストは過不足のない美しい設計だと感じているのですが、一方でDungeon Antiqua前作に関しては「後列からの物理攻撃が得意な弓矢系のジョブがほしい」「8つは自由度が少ない」といった声もありました。
そこで今作では、職業を「モンク」「アーチャー」の2つだけ追加し、合計10個から選べるようにしました。
より増やすことも考えられましたが、量が多くなるほどプレイヤーにとって把握や管理がしづらくなること、職業の個性が際立ちやすいことから、あえて2つにとどめています。

プレイスタート時点で選べる職業は「戦士・盗賊・モンク・魔法使い・僧侶」の5種(前作はモンクを除いた4種)で、残りの5種への転職はゲームが進む中で解放されていきます。
スキル習得と転職で育成していく
今作のキャラ育成システムのコアとなるのが、職業ごとのスキル習得+転職による引き継ぎシステムです。
これは、知っている方であればFF5を思い浮かべてもらえればわかりやすいと思います。

レベルアップに必要な経験値とは別に、得られる職業の習熟度(スキルポイント)が一定値に到達すると職業ごとに決められたスキルを習得します。
習得したスキルは最大3つまでスロットに装備でき、転職しても引き継ぐことができます。
また、この任意に装備できるスキル(追加スキル)とは別に、職業として1つ指定されている「基本スキル」があり、これは必ず装備した状態となります。
モンクは「かくとうぎ」が基本スキルのため、常に素手でも高い攻撃力を発揮する、といった具合です。

スキルの引き継ぎができるため、上の画像のような「モンクとして育ててクリティカルとカウンターのスキルを習得した物理面でさらに強力な戦士」や、「魔法使い・僧侶の呪文をマスターした盗賊」など、スキルの組み合わせや習得のステップを考えながら育成していくことになります。
また、今作は前作と異なり、転職してもレベルが1に戻りません。
そのため、特に転職によるリスク(ロス)を考慮することなく、純粋な積み上げ式でキャラクターの育成に専念できます。
ストーリー・世界観・キャラクター
固有名詞の登場しない世界
記事の序盤でも触れましたが、Dungeon Antiquaはあくまでストーリーや世界観ではなくシステムやプレイ感(と昔のゲーム機のテイスト)重視のゲームで、キャラクターも最低限しか登場しません。

これは前作から継続して登場するサポートキャラ「ようせい」で、本作のヒロイン(?!)と言っていい位置付けですが、この「ようせい」も含めてDungeon Antiquaで登場するキャラクターや場所には一切固有名詞がついていません。
これはプレイヤーに固有名詞を覚えさせることで余計な脳への負担を発生させないようしたい、という配慮のつもりです。
私なんかはプレイ開始時に人物の名前やら国の名前やらが5個くらい登場するともう「お、覚えられん」となってしまうタイプなので、と言ってももちろん世界観重視のゲームならそういった細かい設定こそ大事なのですが、本作においてはその点は重要でない、と判断しました。
つまり、意図的に色の薄い世界観にしているということです。
セリフや描写は最低限に
さらに言えば、セリフよるストーリーなどの説明もできるだけ最小限に絞っています。

本作は上の画像くらいの説明で済まされて冒険がスタートしますし、前作未プレイでも設定がわからなくて困るということは全くありません(一応同じ世界の数百年後という設定ではありますが)。
ちなみに私はこんなゲームを2025年に制作するくらいなので古いRPGが大好きな人間ですが、好きな点の一つとして「セリフが短い」があります。
それはもちろん、容量が小さくてそもそも多くのセリフを収録するのが困難だった、ゲームに今ほど緻密なストーリーが重視されないことが多かった、など時代背景的な要因もあるわけですが、初期のサガシリーズやドラクエなど「よくこんな簡潔な描写でプレイヤーに十分なイメージを与えられるものだ」と本当に感心させられます。
さながら字数制限の中で研ぎ澄まされた表現を行う短歌や俳句のようだと常々思っています。
私はそこまでのセンスは持ち合わせていませんが、本作のコンセプトから言ってもだらだらと長い描写はなじまないので、できる限り端的でテンポの良い状況説明やセリフづくりを心がけました。
あれから ながい ながい
つきひが ながれた・・
ひとびとが こへ こが まごへと
せだいを つないで いくなか
かのじょは しずかに
やくめを はたしつづけた
しかし やがて ときが おとずれ
せいじゃくは やぶられた
としおいた かのじょは
のこされた ちからを ふりしぼり
ゆうしゃを さがしに
はばたいていく・・
(おまけ)配布素材は一切使わない
プレイヤーからすればどうでもいい点と承知で書きますが、本作はキャラクターグラフィックなどはもちろん、呪文のエフェクトやSEに至るまで一切配布素材を使っていません。
もちろん個人制作ゲームやインディゲームではサウンド面含めて全て自作で賄うのはコスパが悪いですし、作り手がこだわっても遊ぶ側は(ほとんどの人は)そこまで気にならないので、それなりにゲームにマッチするならOK、というのが合理的な考え方だと思います。
ただ私としては、(ストーリーやキャラクターという観点に限らない)「Dungeon Antiquaというゲームの世界観」を表現するには、不特定多数が利用可能な配布素材の使用は避けるほうがより純度が高まると考えたため、本作では全て専用の自作・オーダーメイドの素材で構成しています。

その他前作との主な違い
この章は前作をプレイした方向けに書いたもので、特にその点が気にならない方は読み飛ばしていただければと思います。
性格システム廃止
前作ではWizardryに準じて性格(アラインメント)があり、善と悪の性格のメンバーは一緒にパーティを組めなかったり、正確によって選択できる職業が異なるといったシステムがありました。
今作では「性格」は撤廃しました。
この理由は、今作では「パーティメンバーがいつでも職業変更可能で、習得済みの職業スキルは全て引き継ぐ」というシステムを採用したため、性格によってなれる職業が異なる仕様とは相性が悪いと判断したためです。
また、ゲームイベントや配信を拝見する中でWizardryに馴染みのないプレイヤーが「性格?どうすればいいの?」とプレイ開始直後に悩む場合があることに気づき、そういった要素を減らすメリットもあるとも考えています。
なお以下は余談ですが、「性格」に関して、前作で明確に失敗した点があります。
前作では性格「善」「中立」「悪」のうち、中立を除く2者についてはダンジョン内でNPCに遭遇したときの行動によって変化する、というシステムを採っていたのですが、何も知らないプレイヤーがNPCから求められるままに治療してあげたりすると性格が悪から善に変化し、他のメンバーとパーティを組めなくなる、といったことが起こりました。
制作当時の自分としては、このようなトラップをゲーム中に数箇所散りばめておくことで緊張感を持たせたり、ファミコン時代にはよくあった理不尽さを部分的に再現した感覚でいたのですが、後になってみるとこれはただの独りよがりでした。
そもそも時代が違いすぎますし、特に低価格で気軽な気持ちでプレイすることが多いインディーゲームでこんなトラップを仕掛けられても、プレイヤーとしてはやる気が削がれるだけで「うわあ!たまんねえぜこのレトロ感!」と喜ぶ人などほとんどいなかったのです。
4人パーティ、メンバー入れ替えは原則なし
前作は5人パーティ制でしたが、今作は4人パーティになります。
理由は以下の2つです。
①転職してもマイナスがないので、プレイを通じて同じキャラが複数の職業を容易に経験でき、「職業に対して人数が足りない」感覚にならない
②キャラクタのスキル習得を管理していくことになるので、人数が多いと把握や管理が面倒になる恐れがある(本作はあくまでライトにプレイしてもらうことが多い低価格ゲーム、と考えるとなおさら)
さらに、前作ではパーティ外含めて20人までキャラクターを登録できましたが、今作では性格システムがないこと、転職しても成長度を維持することから、メンバーを入れ替えたいというニーズが通常ないと考えられるため、メンバーは最初に登録した4人で原則固定となります。
(削除して作り直すこともシステム上は可能にしています。)
序盤の難易度のカジュアル化
前作は初期Wizardryをリスペクトした戦闘バランスのとりかたと言いますか、かなりランダム性が大きく影響していました。
特に序盤は敵への攻撃が当たらないことも多く、反対に敵の攻撃数回で簡単に味方が倒されるといった難易度設定でしたので、現代から考えればやや粗すぎる面もあったかもしれません。
主なプレイヤー層が当時のRPGを遊んでいる方々だったことが幸いし、こういった点も含めて好意的に受け取ってくださる方は多かったのですが、人によっては(特に後発リリースしたスマホ版では)「最初に出てきたコヨーテとかいう最弱と思われる敵に2発でやられた、☆1つ」といった感想を抱かれた方もいらっしゃったようで、それは確かに無理もないなと思いました。
そのため今回は、プレイ開始直後の序盤のバランスはかなりカジュアル(易しめ)となるように調整しています。
もっともこれは諸刃の剣かもしれません。
前作の序盤のバランスを好意的に見ると「序盤からなかなかの難易度で苦労する」→「ちょっと懐かしさも感じつつ、レベルアップはまあまあ早いので、少しプレイヤーが慣れた頃にはキャラも成長している」→「強くなったぞと実感して快感を覚える」というプレイ体験になっていたかもしれず、序盤をカジュアル化することでその尖った良さが失われたと感じられる可能性もあるためです。
難しくなりすぎないようにしつつ、手応えがなさすぎるのも避けるべき。
あらゆるゲームの永遠の課題かもしれませんね。

ステータスをわかりやすく
カジュアルさという観点で関連する話として「ステータスのわかりやすさ」も今作では意識しました。
前作はWizardryプレイヤーにはお馴染みの「AC(アーマークラス)」制を採用していたのですが、特に「ACは低い方が防御性能が高い」という性質が不慣れなプレイヤーには混乱を招いてしまう、などデメリットが感じられたため、できるだけ一般的で簡潔明瞭なステータス構成にとなるようにしています。

まとめ
スーファミ風ダンジョンRPG「Dungeon Antiqua 2」は以下の特徴をもつ作品です。
前作同様の爽快感あふれるサイドビューバトルな2DダンジョンRPG
グラフィックやサウンドをFC風からSFC風へとシフトしたため、前作とも違ったプレイ感が味わえる
探索対象のダンジョンが1つ→6つに増え、職業の追加、職業別スキルやシンボルエンカウントなどのシステムを導入など、より歯応えのあるゲームシステムに
完成や体験版のリリースまで、まだまだかかると思いますがどうぞよろしくお願いいたします。
