お金の不安が、心を支配していた時期

離婚してすぐの頃、
私の中で一番大きかった不安は、実は「今日どう生きるか」ではなかった。
数か月は、貯金で暮らせる。
上の子は奨学金をもらい、下の子には母子手当もあった。
飢えることはない。住む場所もある。子どもたちも笑っている。

それなのに、
離婚から3か月ほど経った頃、
お金の不安は静かに、でも確実に私の心を侵食し始めていました。

このままで、本当に大丈夫なんだろうか。
貯金が減っていくスピードを、頭の中で何度も計算してしまう。
もし何かあったら?
もし仕事がうまくいかなかったら?
もし、子どもが「やりたい」と言ったことを、
「お金がないから」と諦めさせる日が来たら──。

私にとって、お金は
高級なものを買うための道具ではありませんでした。
選択肢を持てるかどうか。
子どもに「経験」を与えられるかどうか。
その自由そのものだったのです。

だから私は、
「足りなくなること」よりも、
「選べなくなること」を、何よりも怖れていました。

働かなきゃ。
稼げるようにならなきゃ。
人気講師にならなきゃ。

そんな言葉が、毎日頭の中をぐるぐる回っていました。

子どもたちの前では、苦労している顔は見せなかった。
食費や学費を削ることもしなかった。
その代わり、自分のことはいつも後回し。
割引シールが貼られた食材を選び、
「節約上手なシングルマザー」を、どこかで演じていた気もします。

私は、とにかく学びました。
ブログ、起業塾、行政の支援、補助金、税金。
知らないことが、どれほど損になるかを思い知り、
必死で知識を集め、働き続けました。

今思えば、
あの頃の私は「お金が足りない」のではなく、
「自分への信頼」が足りなかったのだと思います。

もっと資格があれば。
もっと実績があれば。
もっと稼げていたら。

そんなふうに、
自分の外側ばかりを見て、
「今の私は、まだ足りない」と決めつけていました。

客単価を上げられなかったのも、
資格を次々に取りに行ったのも、
全部、自信のなさの裏返しだったのでしょう。

それでも、
不安に支配されながらも、
私がやめなかったことがあります。

それは、
「この道で生きる」と決めたこと。

お客様が笑顔になる瞬間。
「来てよかった」と言ってもらえたとき。
その一つひとつが、
私をほんの少しだけ、前に進ませてくれました。

今振り返ると、
あの激しいお金の不安は、
私に大切なことを教えてくれていたのだと思います。

「無い」に意識を向け続けると、
本当に「無い世界」が広がっていく。
でも、欠乏感や劣等感は、
時に人を動かす強烈な原動力にもなる。

あの頃、
もがいて、悩んで、必死に学んだ時間があったから、
私はその先へ進むことができました。
諦めなかった自分を、今はちゃんと認めてあげたい。

もし今、
お金の不安で立ち止まっている女性がいるなら、
私はこう伝えたい。

「お金は、ある」
「あなたの中にも、すでに“使える力”はある」

“無い”ばかりを見ていると見えなくなるけれど、
視点を変えたとき、制度も、能力も、道も、必ず見えてきます。

方法も大事。
在り方も大事。

「私にはできない」と思った瞬間、
それはまた“無い”にフォーカスしている合図です。

大丈夫。
あの人にできたなら、あなたにもできる。
私がそうだったように。

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