玉の輿を夢見た女、破産する⑤〜知らなかった「もう一つの道」〜
前回までのあらすじ:元夫の隠し子・度重なる嘘・膨らむ借金。気づけば家計は限界を迎え、私は「自己破産」という現実と向き合うことになった。
自己破産。
その4文字を、まさか自分の人生で口にする日が来るとは思ってもいなかった。
「玉の輿に乗る」と言い続けていた女が、破産する。
笑えない話のはずなのに、あまりのギャップに乾いた笑いしか出てこなかった。
弁護士を自分で探す余裕なんて、当時の私にはなかった。
見かねて助言をくれたのは、元夫の会社の社長だった。
社内恋愛から始まった結婚だったこともあり、
社長には昔から、可愛がってもらっていた。
「このままじゃまずい」と、知り合いの弁護士を紹介してくれたのだ。
藁にもすがる思いで、そのつながりを頼った。
話を聞いてもらうために、福岡まで飛んだ。
初めての弁護士事務所。緊張で手が震えていたのを覚えている。
そこで言われた言葉は、今でもはっきり覚えている。
「もう、何も払わなくていいですよ」
えっ、と思った。
督促状が来るたびに、なけなしのお金をかき集めて払っていた私にとって、
その一言は、目の前が真っ白になるくらいの衝撃だった。
そこから自己破産の手続きが進んでいった。
書類の準備、裁判所とのやり取り、免責が下りるまでの数ヶ月。
正直、内容の半分も理解しないまま、ただ流れに身を任せていた。
「とにかくこれで楽になれるなら」
その一心だった。
でも、後になって知ったことがある。
あの日、福岡の弁護士事務所で、 私は震える手でメモを取りながら、 実は大事なことを、ちゃんと聞けていなかった。
もし、あの時それを知っていたら。
今の私は、少し違っていたかもしれない。
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