運動習慣がつくと食生活も整う説
〖プロローグ〗
運動を始めると、食事まで自然によくなる。
これはかなり希望のある話だ。
実際、筋トレやランニングを始めた人が、甘いものや夜食を少し控えるようになることはある。
ただし、それが自動で起こるかというと少し怪しい。
運動習慣は食生活を整えるきっかけにはなるが、勝手に全部を直してくれるわけではない。
〖結論〗
この説は半分正解である。
運動を始めることで健康意識が高まり、食事選択が改善する人は確かにいる。
ただし、運動後のご褒美意識や食欲増加で、逆に食事が乱れる人もいる。
運動習慣が食生活を整えるかどうかは、行動のつなぎ方次第である。
〖エビデンス〗
行動変容研究では、一つの健康行動の改善が別の健康行動へ波及することがある。
これを良い相乗効果として捉えることはできる。
一方で、運動したことで自分を甘やかし、高カロリー食品を選びやすくなる補償行動も報告されている。
つまり、運動は引き金にはなりうるが、方向は一つではない。
〖研究から分かること〗
運動が食事に効く時は、意識の高まりだけでなく、生活のリズムが整うことが大きい。
朝に運動する人が、ついでに朝食や就寝時刻まで整いやすいのはそのためだ。
逆に、疲れと空腹だけ増えて準備の手間を嫌うと、外食や甘いもので埋めやすくなる。
〖なぜこの説が広まったのか〗
うまくいった人の体験が強く見えるからだ。
運動開始をきっかけに人生全体が整った話は印象に残りやすい。
一方で、運動は続いたが食事が崩れた例は、あまり語られにくい。
成功談が少し理想化されやすい領域である。
〖制御ダイエット理論視点〗
運動は食事改善の起点にはなるが、自動連携はしない。
つなげたいなら、運動後の食事内容、買い物ルール、帰宅後の行動まで決めておく必要がある。
良い連鎖は設計しないと起きにくい。
習慣同士は放置で整うというより、連結して初めて強くなる。
〖まとめ〗
運動習慣が食生活を整えることはあるが、自動的とは言えない。
良い方向へ働く人もいれば、ご褒美意識で逆に乱れる人もいる。
運動を食事改善へつなげるには、行動の連結設計が必要である。
〖参考文献〗
Prochaska JJ, Preventive Medicine, 2008。 King AC, Annals of Behavioral Medicine, 2007。 Mata J, Appetite, 2011。
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