【Q20.しまなみ海道完走記】2.大三島→伯方島→大島にて雨に降られる
(前回の記事はこちらです)
今回の旅のGoogleマイマップ
大三島の道の駅でバッテリー交換→大三島橋→伯方島
そろそろ昼飯時だ。腹が減ってきた。そもそも今日は朝食らしい朝食を食べていない。途中のコンビニで軽食を齧っただけだ。
多々羅大橋から高架橋を降りた所に、道の駅がある。丁度良い。ここで休憩し、飯を喰うこととする。行程的にも、全経路の大体半分弱を走った所だ。館内の一隅には生簀が並び、瀬戸内の海産物が美味い店であることを予感させる。食券制のレストランには、やはり寿司や海鮮のメニューがある。だが、今日は止めておく。午後も走り続けるため、当然酒は呑めない。美味い海産物をアルコール無しで食べるのは、かえってストレスになるからだ。また、生ものは万が一の食当たりも怖い。加えて、午後も運動するのだから、それほど内臓に負担がかからない、重くないものを選びたい。ここは無難に、鯛めしとかけそばのセットとした。これだと財布にも優しい。

かけそばは、やはり関西風のうどん出汁のそばであった。山陽地方のそばは大体こんなものなのであろう。暖まり、一息つく。レストランのテラスから、今渡ってきた多々羅大橋を眺める。少し雲が出てきたようだ。

休憩中に旅行アプリを見ていると、ここ大三島のゲストハウスに空室がある。しまなみ海道途中の宿泊施設は、いつ調べてもほぼ満室だったのだが、直前キャンセルでも出たのであろうか? 自分でも、宿泊可能な価格だ。一泊すれば、旅程に余裕が出て、よりノンビリとこの美しい旅を楽しむことが出来るし、途中で何かのアクティビティを挟むことも可能になる。誘惑だ。しかし、まださほど疲れていない。まだ走れる。少し迷ったが、旅を続けることとした。

海に面した広場に「サイクリストの聖地」の碑が立てられている。台湾のサイクリスト協会と共同で立てられたものだという。
旅行アプリを再度チラ見すると、次の伯方島にも、民宿の空室が一つある。伯方島の南東の隅の方で、しまなみ海道からは少し外れている。
この道の駅には、サイクルステーションがある。南行きのサイクリストにとっては、バッテリー交換が出来る最後のポイントだ。係員のオバちゃんに話しかけると、こちらが何かを発声する前に素早く察して「バッテリー交換ですか?」と聞かれる。予め用意してあった予備バッテリーを取り出す。極めて迅速で、実に気が利いている。
12時49分頃、道の駅多々羅を出発。しばらくは幹線道路を走る。進行方向の左側、東が海だ。今までとは逆である。四番目の橋、大三島橋を目指す。やがて見えてくる。

案内板によると、大三島と次の伯方島の海峡は、およそ三百メートル。幅が狭く、船にとっては難所であり、鼻栗瀬戸と呼称されているという。実際、大三島橋を見た感じでは、今まで渡ってきたどの橋よりも短い。
伯方島→伯方・大島大橋→大島にて雨に降られる
すぐに渡り終える。13時20分頃、伯方島上陸。本州側から五番目の島だ。スーパーで売られている「伯方の塩」の伯方である。内陸部をしばらく走っていくと、造船所の巨大クレーンが見えて来る。造船所のクレーンは、今までに何度も見てきたが、この場所が最も至近距離ではないかと思う。足を止めしばらく眺める。しまなみ海道の島々の風景は、互いに似通っていて、それでもそれぞれに違った個性があるなと思う。

西海岸に出てしばらく進むと、道の駅がある。マリンオアシス伯方。小休憩。土産物屋には伯方の塩に関するものと、柑橘類を使った食品類が多い。「まどんな」の名を冠した菓子類がある。言うまでも無く、漱石の『坊ちゃん』にあやかったものだろう。愛媛県だなぁと思う。個別包装のものを、一つだけ買って食べる。早食いしたため、味は余り分からなかった。『坊ちゃん』のマドンナって、赤シャツの金と権力に屈して、元の婚約者のうらなり君を捨てた女じゃなかったか、坊ちゃんとその盟友である山嵐は、そんな赤シャツと松山の街が大嫌いになって、生卵を投げつけて出奔するあのエンディングになったのではと、思い出す。

道の駅のスタンプを発見。押す。もしかしたら、さっき昼飯を食べた、道の駅多々羅にも、午前中に立ち寄った生口島のサイクルステーションにも、スタンプが置かれていたのかも知れない。見逃した。残念。

この道の駅の海側はビーチになっている。背の高い椰子の樹が、海岸線と並行した美しいカーブを描いて、遠くまで等間隔に植えられている。ビーチの先に、五番目の橋、伯方・大島大橋が見える。椰子の葉は強風に吹かれ、激しくはためいている。空模様が怪しくなってきた。
14時06分、道の駅伯方発。14時15分頃、伯方・大島大橋の北詰。渡る。14時22分、六番目の島、大島に上陸。高架を降りたところに撮影スポットがあったので、橋の下を通り海峡を進む船をしばし撮影する。

大島のサイクリングルートは、東海岸沿いだ。進行方向左手が海岸線となる。今までで最も海に近く、また視界を遮る構造物も少ない。良い感じで進んでいたが、やがて雨が降り始めた。なかなか大粒の雨で、屋根のある所に一刻も早く避難したい。しまなみ海道の最も美しい区間の一つを、雨に降られながら大急ぎで駆け抜ける羽目になってしまった。寒い。
道なりに駆けていくと、小さな市街地に至る。商業施設は見当たらないが、フェリー乗り場がある。その待合所「宮窪港船客待合所」に逃げ込む。14時33分。

雨はしばらく止む気配が無い。飲み物の自販機はあるが、食べ物は売っていない。無人だ。(続く)
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