生成AIを部分解禁する文学賞
生成AIの文章生成機能が発展するのに対し、各種文学賞が対策を施しだした。AIの文章が大賞をとったら賞の存在価値が無くなる。ゆえに、それらの使用法を河出の文藝賞などが明記するようになった。
無対策だとコモンウェルス短編小説賞のように荒らされる。完全厳禁をうたっても不正な応募作品はやってくる。そこで、文芸界は部分的に受け入れるようにした。つまり、
生成AIを用いて執筆した場合は、略歴に具体的な使用方法を明記すること
である。これが基本であり、更に踏み込むとこうなる。
・利用範囲の限定
生成AIの利用は、「誤字脱字のチェック」「表現の整え」「アイデア出し(ブレインストーミング)」など、創作を支援する補助的な範囲に限ります。
作品本文の執筆や構成の主要部分をAIが生成した場合は対象外となります。
・応募時の申告
執筆過程で生成AIを使用した場合は、作品本文の一番最後(Web応募の場合)または作品説明(カクヨム応募の場合)に、利用ツールと利用目的(例:誤字修正、アイデア整理など)を簡潔に明記してください。
・著作物性の担保
著作物性が法的に認めることが困難な生成AIの利用と当社が判断した場合は、審査の対象外とします。
・制作プロセスの開示
AIを使用した場合、必要に応じて制作過程(使用したツール名やプロンプト、生成された内容、生成物の利用態様など)の開示をお願いすることがあります。
いつでも提示できるよう、記録を残しておいてください。
つまり、生成AIを枝葉で使うのは許しても、幹まで使うのは厳禁するというのが、諸文学賞が選んだ道である。より厳しく、細部の豆知識を検索エンジンで得た分で埋め合わせていたのをAI文章で代替するのも禁止。更にプロンプトをどう使ったかを明記させるので、それも審査の対象となる。
では、幹でも使ったのを応募者が隠した場合、どう見分けるのか。AIの書いた文章だと下読みが感知し、見分ける訳だ。AI文章の検出ツールも所詮は科学よりもフィーリングでAIなのか人なのかを見分けているのだろう。
水際で見分ける方法が一つある。入選者を呼び出して、AI抜きの文章作成能力を面前で検証すればよい。高校どころか中学レベルの国語力テストでもよい。それで不正応募者は馬脚をあらわす。
だが、応募作が戦国ものでも、正直な入選者が日本城郭検定に受かるとは限らない。エンタメで顕著なように、医療ものの作者が医学に長じているとは限らない(むしろ執筆前は初心者だったと告白する)。現実とはそのようなものだが、執筆の根幹に関わる国語力と文章作成力は確実に判別できる。
