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博物館まるごと紹介〜長野県立歴史館編〜

初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです!

おはこんばんは〜、Fu〜です!
突然ですが、皆さんは歴史の教科書や博物館と聞いて「固くて難しそう」「資料をただ眺めるだけ」というイメージを持っていませんか?
わたしも正直、ちょっとそう思っていた側の人間です(笑)。
でも今回、長野県千曲市(ちくまし)にある「長野県立歴史館(ながのけんりつれきしかん)」に足を運んでみたら・・そのイメージ、一瞬で崩れ去りました。

ここは、ただ昔の土器や文書を並べているだけの場所ではないんです。一歩足を踏み入れれば、古代の集落から、熱気あふれる江戸時代の街道、そして世界を驚かせた明治の製糸工場まで、「当時の空気感そのまま」に再現されたダイナミックな世界が広がっています。

今回は、実際に現地を巡って体感した臨場感たっぷりの常設展示と、現在開催中の夏季企画展「戸隠の至宝」の見どころを、余すところなくお届けしていきます!


1.夏季企画展「戸隠の至宝」

まず最初にご紹介したいのが、注目の夏季企画展「戸隠の至宝〜守り継がれた信仰と由緒〜」です。

長野県北部に位置する戸隠(とがくし)エリアは、豊かな自然と古い歴史の宝庫。今回の企画展では、戸隠ゆかりの寺社や地域に伝わる貴重な文化財が一堂に会しています。

展示室で出会える至高の美術工芸品

展示室には、息をのむような美しい仏像や絵画が並んでいます。

  • 『木造伝毘沙門天(びしゃもんてん)頭部』(寶界寺蔵):力強い眼差しと立体的な造形が印象的な仏像の頭部資料。結構威圧感がある顔立ち。

  • 『木造聖観音(しょうかんのん)坐像』(長泉寺蔵):着物のひだや表情の細部まで繊細な彫刻技術が光る名品。

  • 『五所権現曼荼羅(ごしょごんげんまんだら)』(戸隠神社蔵):緻密な描線と鮮やかな色彩で当時の世界観を描き出した絵画資料。

数々の災難を乗り越えて現代に伝わった「奇跡のストーリー」

これらの展示品を鑑賞するとき、ぜひ知っておいてほしいことがあります。それは、「いま私たちが目の前でこれらを見られていること自体が、ひとつの奇跡である」ということ。

戸隠山周辺は歴史上、度重なる山火事や猛烈な大雪崩に見舞われてきました。さらに、時代の大きな転換期における混乱など・・文化財が消失してもおかしくない危機が、何度も訪れたそうです。

その度に、地元の人々が危険を顧みず火の海や雪の中から仏像や文書を持ち出し、大切に守り抜いてきたんですね。展示されている1つひとつの作品からは、職人の高度な技だけでなく、それを守り継いできた人々の熱い想いがひしひしと伝わってきます。

2.実物大の竪穴住居

常設展示エリアに入って、最初に圧倒されるのが「縄文時代」の再現コーナー。

ここには、八ヶ岳山麓(やつがたけさんろく)にあった約6000年前の集落をベースにした「実物大の竪穴住居(たてあなじゅうきょ)」が建っていて、なんと見学者が実際に中に入ることができます。

茅葺き屋根をくぐると、そこは先ほどまで人がいたような空間

暗がりの中に佇む竪穴住居の中へ一歩足を踏み入れると、思わず息を呑みました。頭上を見上げれば、狩猟の成功を願うかのように立派な角を持ったシカの頭骨が飾られ、天井の格子からは煙で燻(いぶ)して保存性を高めた干し魚が何匹も吊り下げられています。あと串に刺さった蛇も・・

そして部屋の中央にある炉(ろ)の周りには、当時の「リアルな食卓」が再現されているんです。

  • ぐつぐつ煮込まれる料理:深鉢状の縄文土器の中ではドングリなどの木の実がぐつぐつと煮込まれ、隣の鉢にはキノコや山菜を煮込んだ温かいスープが盛り付けられています。

  • 道具の工夫:床にはどんぐりを粉にするための石皿(いしざら)と磨石(すりいし)、さらには木の実を練って焼いた「縄文クッキー」のようなものまで並んでいます。

「縄文人は肉ばかり食べていたのかな?」と思いきや・・木の実のアクを抜いて調理したり、スープを作ったりと、自然の恵みを実にたくましく、そして豊かに調理していた知恵が伝わってきました。

73cmの巨大土器、最後の使い道は「赤ちゃんのお墓」?

このエリアで展示されている小諸市(こもろし)出土の「巨大縄文土器(高さ約73cm)」にも、知られざるドラマがあります。

当館収蔵の中でも最大級のこの土器、もともとは大量のドングリのアク抜きや保管に使われていたと考えられているそう。しかし最終的にはムラの広場に埋められ、「乳幼児のお墓(土器棺:どきかん)」として再利用された可能性があると考えられているんです。

平均寿命が30代前半だったといわれる厳しい時代。我が子の死を悼み、大きな土器にそっと抱かれるように眠らせた縄文人の優しさと命への想いに、思わず心が揺さぶられました。

3.五感で知る江戸のリアルな暮らし

時代は進み、江戸時代の展示エリアへ向かうと、今度はドカンと巨大な「江戸時代の農家」が現れます。

本物の古民家を移築!江戸の空気感を肌で知る

この建物、模型ではなくて、実際に使われていた江戸時代前期の農家をそのまま移築・復元したものなんです。

実際に土間に上がって、板の間や囲炉裏(いろり)のすぐそばまで行くことができます。柱の組み方、茅葺き屋根の重厚さ、道具の使い込まれた質感など・・写真や教科書では絶対にわからない「空間の広さ」や「当時の生活の知恵」をリアルに体感できました。

体験!千両箱(せんりょうばこ)ってこんなに重いの!?

このエリアで絶対に試してほしいのが、「千両箱の持ち上げ体験」です。

時代劇などで泥棒がひょいと肩に担いで逃げるシーンでおなじみの千両箱ですが、実際に持ち上げようとすると・・「ビクともしない!?」と驚かされます(わたしも本気で踏ん張りました)。

本物の千両箱には小判が1000枚入るため、箱自体の重さも合わせると約15〜20キログラムにもなるそう。これは米袋(10kg)ふたつ分や、小さなお子さんひとり分に近い重量です。

実際に持ってみることで、「当時の小判の価値や重み」、そして「時代劇のように抱えて走るのは絶対に不可能だった!」という面白い発見があり、歴史がぐっと身近に感じられました。

大交通時代を生んだ信州の「宿場町(しゅくばまち)」

江戸時代の信州は、北国街道(ほっこくかいどう)をはじめとする交通の要所でした。金鉱山からの金の輸送や商人たちの往来、そして全国からの旅人で街道は大賑わいを見せていたそうです。

千両箱で運ばれたような多額の金銀や大量の物資、そして人々の往来が活発になったことで、宿場町ごとに名物の食べ物や特産品が生まれました。私たちが現在楽しんでいる信州の食文化や観光の原形は、この江戸時代のエネルギーによって作られたんですね。

4.木の札と善光寺門前町

古代・中世エリアでは、信州が早くから「ものづくりと流通の中心地」であったことを示す貴重な資料に出会えます。

1300年前の宅配便伝票?「屋代木簡(やしろもっかん)」

千曲市の屋代遺跡群から出土した大量の木の札「木簡(もっかん)」は、現代でいう荷札やメモ帳のような存在。

そこには、税として都へ納められた麻の布(麻布)の生産に関わった人の名前が記されています。「金刺部富止(かなさしべのとみと)」のような個人名の後ろに「布手(ぬのて)」という文字が続くものがあって、これは郡の工房で麻布を織った人の呼び名だったと考えられているそうです。1300年前、信州の農民や職人たちが手作業で織り上げた布が、はるばる都まで運ばれていたという「人々の手ざわり」が、文字を通じてリアルに伝わってきます。

鎌倉時代の門前町を実物大で完全再現!

中世の展示で圧巻なのが、鎌倉時代の「善光寺門前町(ぜんこうじもんぜんまち)」の街並み再現です。

鎌倉時代のようすを描いた絵巻物『一遍聖絵(いっぺんひじりえ)』を参考に、実物大で忠実に再現されているんだそう。仏像を彫る仏師(ぶっし)の小屋や、品物を並べる見世棚(みせだな)が立ち並び、定期市でにぎわう当時の人々の暮らしぶりが伝わってくるかのような立体的な展示は、歩いているだけでワクワクしてきました。

5.世界を揺るがしたシルク産業

最後の近代エリアでは、明治時代、日本が世界へ羽ばたくきっかけとなった「製糸業(せいしぎょう)」の現場へと案内されます。

世界最高品質を生み出した「手先の技術」

展示室には、群馬県の富岡製糸場をモデルにしたフランス式の民間製糸場「六工社(ろっこうしゃ)」が実物大で再現されていて、当時の製糸場の様子を今に伝えています。

明治時代、長野県(松代・岡谷・諏訪など)は「蚕糸王国(さんしおうこく)」と呼ばれるほど養蚕・製糸業が盛んな地だったそう。富岡製糸場で学んだ士族の娘たちが、糸繰りの指導にあたったといいます。

熱湯の中に浸された繭から極細の糸を瞬時に手繰り寄せる彼女たちの驚異的な手先技術と集中力・・それが、日本の近代化に必要な外貨を稼ぎ出していたんですね。蒸気と水に包まれた再現工場を見つめていると、昭和・平成・令和へと続く長野県の「ものづくり精神」の原点がここにあることを実感します。

おわりに

長野県立歴史館を巡って感じたのは、「歴史とは、遠い昔の出来事ではなくて、かつてこの土地で生きていた人々の『日常の積み重ね』なんだな」ということでした。

  • 竪穴住居で料理を作っていた縄文人

  • 命がけで大切な宝物を雪や火から守り抜いた人々

  • 千両箱の重みに耐えながら街道を行き交った人々

  • 門前町で汗を流しながら商売をしていた中世の職人

  • 世界一の糸を紡ぎ出した明治の女性たち

彼らの暮らしや想いを知った上で長野の街や山並みを歩くと、いつもの風景がまるで違った深みを持って見えてきます。

次の週末はぜひ、長野県立歴史館で「時空を超えるタイムトラベル」を体験してみませんか?

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
もし「ここ違うかも?」という点や、感想などあれば、コメントで教えていただけると嬉しいです。それではまた次の記事で〜!

参考

長野県立歴史館 公式サイト

施設情報・アクセス

施設名:長野県立歴史館(ながのけんりつれきしかん)
所在地:長野県千曲市大字屋代260-6(科野の里歴史公園内)
開館時間:3月〜11月 9:00〜17:00(入館は16:30まで)/12月〜2月 9:00〜16:00(入館は15:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、祝日の翌日、年末年始

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