ワクチンって、毒なの? #37
こんばんは。
今日も静かにはじめさせていただきます。
最近話題の感染症といえば、「ハンタウイルス」ではないでしょうか。
集団感染が確認されてから連日のように報道されていますね。
参考までに、記事の内容を貼っておきます。
大西洋を航行中のクルーズ船で集団感染が確認された「ハンタウイルス」。すでに乗客3人が死亡しており、その危険性に注目が集まっている。
集団感染の原因となったハンタウイルスは主にネズミなどのげっ歯類が持つ。ウイルスを含むネズミの尿やふん、唾液などが乾燥して空気中を漂い、ヒトが吸い込むなどすると感染する。
(中略)
ハンタウイルスに詳しい北海道大学の苅和宏明特任教授は「潜伏期間を考えると、最初に死亡した感染者は乗船前に南米で感染した可能性がある」とみる。パンデミック(世界的な大流行)になる可能性は低いといい、「過度に恐れる必要はない」と話す。
聞き慣れないウイルスの出現に「怖いな」と思ってしまう。
これは仕方のないことです。
ただし、情報に”振り回され”てはいけないと思います。
ふくるんは、感染症を過度に恐れるのではなく、”正しく恐れる”ことが重要だと考えています。
みなさまも、インターネットやSNSなどの情報に振り回されることなく、正確な判断をするために『情報リテラシー』や『メディアリテラシー』を高めるよう意識していきましょう!
というポップな言い方もありますが、ふくるん的には「日々是勉強」ということですね。
さて、感染症つながりで今回は赤ちゃんのワクチンについて綴ります。
それではスタートです。
◼️生後2ヶ月から始まる定期予防接種について
赤ちゃんの定期予防接種には、B型肝炎、ロタウイルス、小児肺炎球菌、5種混合、BCG、日本脳炎などがあります。
赤ちゃんの出生届を出すと、役所から『予防接種のお知らせ』が送られてきます。
最初の予防接種は生後2ヶ月からなので、生後1ヶ月を過ぎたころに届くことが多いようです。
スタートしてからしばらくは約1ヶ月間隔でせっせと注射に通わなくてはなりません。
接種スケジュールはこんな感じです。

一通りの予防接種を済ませるまでは、スケジュール管理も通院も大変です。
さらに、スケジュールを調整して病院やクリニックを予約していても、赤ちゃんの急な発熱などでリスケしなければならないことも多々あります。
ふくるんも経験があるのですが、「なんで、今日?」って時に子供の具合が悪くなるっていう。。。
(イベントの日に限って発熱、とか、ありますよね。)
忙しい中通院することも、リスケが発生しやすいことも、パパやママにとって心理的に負荷のかかることですよね。
◼️ワクチン未接種の赤ちゃん
ふくるんは時々小児科外来を担当します。
その時、ごく稀に「ワクチン未接種」の患児さんが来ることがあります。
1歳を過ぎてもワクチンを1個も打っていない。
親御さんの方針のようで、「ワクチンは身体に悪いものだから必要ありません」と仰る。

このようなケースに対し、小児科医は予防接種の目的を説明します。
親御さんがワクチンに対し誤った理解をしている可能性があるからです。
医師ができることはここまでです。
説明を受けてどうするかは親御さん次第です。
予防接種の強制はできません。
少し話が逸れますが、ふくるんが勤める病院では、"ワクチン未接種"のお子さんに対し、被虐待の可能性につき審議するルールとなっています。
患児の受診理由や状況が以下のような場合は、虐待を受けるリスクがあるとしてチェックリストに沿って対応します。
・外傷や転落、誤飲による受診
・極度のやせ、体重減少
・親が治療を拒否する
・患児や親の不自然な態度
・親が寝たきりで家事育児能力を欠いている
・患児が親の介護をしている
虐待チェックリストを扱ったら患者さんのカルテに登録され、医療者で情報共有するシステムとなっています。
赤ちゃんはまだ意思表示ができません。
赤ちゃんは予防接種を受ける権利があるのに、予防接種をするかしないかは本人の意思に関わらず親の意向で決まってしまうのです。
このようなことから、背景は色々あれど、"ワクチン未接種"は患児の人権を守る意味で慎重に扱われます。
話がだいぶ逸れてしまいました。
本題に戻しますね。
ワクチンを打つということは、身体に異物が入るということです。
ですから当然、ワクチンについては様々な考え方があるでしょう。
・親族にワクチンの副反応で苦労した人がいるからワクチンは怖い
・子供を危険な感染症から守るためにはワクチンは必要
・もし費用が発生するならワクチンは打っていないかも
今回は、「ワクチンは身体に悪いものなのか?」という疑問を検証していきたいと思います。
◼️ワクチンは身体に悪いものなのか?
もともとワクチンというのは、
・病気にならないように
・病気になったとしても軽くすむように
と作られたものです。
わかりやすい情報が田辺ファーマから出ています。
死んだり後遺症が残ったりと深刻な健康問題につながる感染症がたくさんあるからこそ、ワクチンが開発されました。
ところが、ワクチンに関しては、さまざまなデマが流布されています。
もっとも多いのが、「毒である」、「効果がない」というものです。
当然のことですが、ワクチンは毒ではありません。
各国が使用許可を出す医薬品は、販売を始める前に動物やヒトで安全性や効果が確かめられ、製造工場での品質管理などのルールも細かく決められているものです。

なお、「ワクチンが自閉症の原因になる」という説もありましたが、デマであることが判明しています。
そして、副反応はゼロではありませんが、ごく稀です。
そのほか、たまに聞く誤解として以下のものがあります。
・感染症にかかったほうが、ワクチンを使用するよりも身体が強くなる
・自然に感染した方が免疫が付く
まず、自然に感染症になったからといって身体が丈夫になったり、パワーアップしたりしません。
ワクチンで予防するのは怖い病気なので、感染しないことが何より大切です。
一度感染して次の感染を予防するという考え方は、根本から間違っています。
その一度で死んだり後遺症が残ったりしてしまえば元も子もありません。
目的は「免疫を高めること」ではなく、「感染症よって死んだり、後遺症を残したりしないこと」なのです。
◼️予防接種の意義
もちろん、どんなに優れたワクチンがあっても、残念ながら病気になる人をゼロにはできません。
しかし、みんながワクチンを接種して、社会全体で抵抗力を高めると、海外などから病気が持ち込まれたとき(感染した人が入ってきたとき)に流行を広げないようにすることができます。
反対に接種率が低い場合は、周囲にどんどん広がる可能性があります。
つまり、ワクチンは各個人だけでなく、社会全体にとっても大きな意味があるのです。

「流行してから予防接種をすればいい」と考える人もいますが、感染のスピードはとても早く、特に麻疹のように感染力の高い病気では「流行が始まったらしい」と気づいた時には、すでに大勢の犠牲者が出ています。
それに日本のような自然災害の多い国では、もしも災害などが起きた時に接種しようとしても輸送ルートが断たれて医薬品そのものが入手できなくなり、感染症が流行してしまうというリスクあるでしょう。
ときどき新しい感染症がニュースになるように、これから先も常に新しい感染症の脅威との戦いが続くでしょう。
そのような新しい病気にはワクチンがありません。
ワクチンで予防できる病気をワクチンで予防しておくことは、新たな病気が流行した時の混乱防止やお互いを守ることにも繋がります。
発熱や発疹などの症状だけでは見分けがつかないことが多いからです。
では、実際、どのようにしてワクチンを受けていけばいいでしょうか。
続きは#39でお伝えします。
★おすすめの予防接種スケジュール管理アプリ★
ふくるんはこどもたちのために、以下のアプリを使っています。
ややこしいワクチンスケジュールの組み立てから解放されるのでとても役に立っています。
参考までに。
参考資料
・厚生労働省
・ワクチン.net
・『各分野の専門家が伝える 子どもを守るために知っておきたいこと』 堀成美他 メタモル出版
・『からだをまもる 免疫のふしぎ』 日本免疫学会編 羊土社
◼️ 最後に
あなたが抱えている“小さな不安”が、
今日ほんの少しでも軽くなりますように。
いつでもここに戻ってきてください。
どこかの森で、またお会いしましょう。
