【実録】落雷で壊れたガソリンスタンドのコンプレッサーを修理した話
1年間も危険な状態で放置されていた現場
こんにちは。エアコンプレッサーエンジニアをしています。
先日、とても印象的な修理依頼がありました。
ガソリンスタンドのエアコンプレッサーが落雷で故障し、
1年間もそのまま使い続けていたというのです。
現場に着いて状況を確認すると、想像以上に深刻でした。

何が起きていたのか
1年前、落雷でマグネットスイッチが完全に消失。
その後、出入りのLPガス電気工事士が修理を行ったそうですが、
配線が完全にデタラメな状態になっていました。
なぜ1年間もそのまま使い続けていたのかはわかりませんが、
圧力スイッチが機能せず、安全弁だけでコントロールしている状態。
これは本当に危険です。
実際に確認してみると:
規定圧力に達してもコンプレッサーが停止しない
安全装置が正常に動作していない
過圧による設備破損のリスクが常にある状態
この状態を放置することは、設備だけでなく
人命にも関わる重大な問題でした。

診断してわかった真の問題
テスターを使って各部の動作を詳しく調べました。
圧力スイッチ → 設定値で動作しない
マグネットスイッチ → 配線接続に問題あり
制御回路全体 → 信頼性のない接続状態
どの部品も正常に機能していません。
ぼくは、このマグネットスイッチ配線は信用出来ませんでした。
これでは部分的な修理では根本的な解決になりません。
安全性を最優先に考え、電気系統の完全なやり直しを決断しました。
修理作業:5つのステップで完全復旧
ステップ1:システム全体の再配線
安全弁の設定調整 適切な圧力値での動作を確保し、過圧防止機能を最適化
圧力スイッチの適切な設置 正確な圧力検知のため位置を調整し、誤動作防止のための固定を強化
マグネットスイッチの正確な配線 主回路・制御回路を適切に分離し、安全基準に準拠した接続方法で配線
ON/OFFスイッチの動作確認 手動操作の安全性を確保し、緊急停止機能が正常に動作することを確認
稼働カウンターの配線接続 メンテナンス管理のための記録機能を追加
ステップ2:動作確認テスト
修理完了後のテスト運転では、期待以上の結果が得られました。
自動停止:10気圧手前で正常停止(実測値9.8気圧)
自動再稼働:7気圧付近で自動再稼働(実測値7.1気圧)
安全装置:100%正常機能
すべての安全装置が正常に動作し、
規定の圧力範囲での自動運転が可能になりました。
マグネットスイッチ配線の難しさ
今回の修理で改めて感じたのは、
マグネットスイッチの配線は
思っている以上に複雑だということです。
同じ電気配線の分野でも、
機械システムに慣れた電気工事士でも、
マグネットスイッチが関わる制御回路では混乱しやすいんです。
なぜかというと:
単純に見えて実は複雑な構造
機械系と電気系の知識が両方必要
安全回路との連動が複雑
正確な配線には、これらの要素を完全に理解する必要があります:
主回路と制御回路の分離 → 電力供給と制御信号を明確に分離
自己保持回路の理解 → 一度動作すると保持される回路の仕組み
安全回路との連動 → 緊急停止や過負荷保護との適切な連携
負荷特性に応じた容量選定 → コンプレッサー特性に合わせた最適化
嬉しい結果:お客様からの継続依頼
修理の品質を評価していただき、
ガソリンスタンドの社長様から
新たなご依頼をいただくことができました。
追加の配管工事(設計から施工まで一貫対応)
2台目のコンプレッサー整備
技術者として、これ以上嬉しいことはありません。
なぜ継続してご依頼いただけたのか考えてみると:
根本原因を正確に特定した
安全性を最優先にした修理方針
説明がわかりやすく信頼できると感じてもらえた
アフターフォローを大切にしている
今回学んだこと
この複雑な修理作業を通じて、改めて確認できた重要なポイント:
根本原因の特定の重要性
表面的な対処では真の解決にならない。
診断にしっかり時間をかけることが大切。
システム全体の理解
部分的な知識では複雑な制御回路は扱えない。
継続的な技術習得が必要。
品質への責任
安全に関わる設備では妥協は許されない。
常に最高品質を目指す。
同じようなトラブルでお困りの方へ
コンプレッサーの電気系統トラブルは、
安全性に直結する重要な問題です。
こんな症状があれば要注意:
規定圧力で停止しない
異常音や振動がある
電気系統の焦げ臭いにおい
安全装置の動作不良
このような状況では、
専門技術者による適切な診断と修理が必要です。
落雷という予期せぬトラブルでしたが、
適切な診断と丁寧な修理により、
お客様の信頼を獲得し、継続的な関係を築くことができました。
複雑なトラブルに直面した際は、
焦らずに系統的な診断を行い、
安全性を最優先に考えた修理方針を立てることが重要だと、
改めて実感した事例でした。
技術者として、常に学び続け、
お客様に最高の品質を
提供していきたいと思います。
電気設備でお困りの際は、お気軽にご相談ください。 安全で確実な修理・メンテナンスサービスを提供いたします。
👇ぼくのホームページの記事👇
https://fujiisyouten.com/2025/07/26/post-13691/
