【書籍化】「ヨルダンの本屋に住んでみた」が本になります。6/13発売!🇯🇴
「noteって、どうやって本にするんだ?」
私はこのnote「ヨルダンの本屋に住んでみた」を、書籍化に向かって書き続けている。創作大賞のエッセイ部門にも入選したことだし、なかなか順調である。まあ、どうやって書籍化するかは、分からないのだが。
う〜ん。私の文章はもう忘れ去られて、この広大なネットの海へと消えてしまったのだろうか?ちなみに私はバタフライが泳げるが、今は関係がない。
出版社探し
創作大賞に入選したからといって、必ず書籍化されるというわけではないのである。「おめでとう!今後も頑張ってくださいね」と応援の気持ちをいただき、あとはまた自分次第なのだ。
ここ数年、私が毎日見る「やることリスト」の1番上には「書籍化」が鎮座している。そんなに長期間いられたら正直、邪魔である。私はいつも「どうすんだこれ」と思いながら、もはやその文字は視界にも入らなくなっていった。
あああもう、本にしたいけど、どうすればいいんだ!?出版社さんからの声がけを待っているだけじゃダメだ。自分から営業しよう!
そう思って色々調べ始めていたころ、もうなんとかして偶然、知人を辿ってある出版社さんに直接相談できることになった。
ふっふっふ。こんなこともあろうかと、私はもともと書籍化の企画書を作っていた。40話分のnoteのデータを整理し、類似本などもまとめてあったのだ。なぜなら私は用意周到なところがある。これを元に、相談してみよう…。

ついに面会の日。「ヨルダンの本屋に住んでみた」の1話を読んでくださった編集者さんからアドバイスをいただいた。「このnoteを本にするのは難しいかな。ブログっぽい文体でクセがあるし、なにせ写真が大量だから印刷費がすごいことになる」。
まあそうだよなと思った。その通り過ぎる。しかし私のnoteは、本屋の美しい写真あってこそだし、この文体を変えてしまったらもはや違う本になるし、どうすることもできない。
私の作った渾身のデータは話題にのぼることすらなく、1話の記事だけでこの話は終了した。

「でも『難しい』というのは『うちの出版社では』という意味ですからね。めげずに、あなたの本を出したいと思ってくれる編集者さんを探し続けてください」と、その方は言ってくださった。
そんな編集者さんが一体どこにいるのか・そもそも存在するのかは、知るよしもない。
自分で本にするしかない
もう、自分で本を作るしかない。
まずは資金が必要だ。私はクラウドファンディングのページを立ち上げ、「本にしたい想い」「支援者へのリターン」など詳細まで作り込んだ。が、どうしても「公開」のボタンが押せないまま時だけが過ぎた。
次に本作りだ。同時に私はこの1年間、自費出版とか製本とかZINEとか、とにかく本作りに関する本を買い漁っていた。しかし、買っても読む気力が出ない。そして次の本を買う。私は病みすぎである。
そして流通も考えねば。困ったことに、もし本を作ったとしても、それを本屋に並べてもらう方法が全くイメージできない。流通のためには「取次会社」という会社に扱ってもらわなければならないが、素人の本は破門されるらしい。
ああ、私は中東のことを知らずにヨルダンに行くことはできるのに、本の売り方を知らずに作り始めることはできないのである。
一筋のメール
そんな悶々とした生活を、1年以上続けた。
ああ、書籍化って、夢というより執着なのかも。
私は「執着を手放して楽になろう」系の動画と「夢を叶えよう」系の動画を交互に見ては、完全に身動きが取れない状態に陥っていた。あの〜、私はどうしたらいいのでしょうか?
暗闇のまま迎えた今年の1月。私のスマホがピカリと光った。「お問い合わせが届いています」というnoteからの通知だ。
メールは出版社さんからだった。「一緒に本作りができないかと。よかったら、うちの出版部にお越しいただけませんか」との連絡だ。え。これって出版の相談ってコト…!?
しかし、しかしだ。
私は昨日あいにく目にバイ菌が入ってしまい、怪物のように真っ赤に充血している。あまりに恐ろしく、誰かに会える風貌では到底ない。せめて、この目が治ってからお会いしたい。
私は2分で返信した。「今から伺えます」
なぜなら私はスピーディーなところがあるからだ。
出版社にトコトコ
「今からはちょっと、ごめんなさいね」
ということで数日後に伺ったのは、旅と暮らしの出版社「産業編集センター(SHC)」さんだった。

出迎えてくださったのは、松本さんというとても温かくて頼りになりそうな方。もしこの出版社さんで本を出せることになったら、松本さんに編集担当をしていただけるようだ。
「フウさんの本は、写真も内容も素敵だけど、読み始めたらとにかく文章が魅力的なんです。旅好きの方だけでなく、あぁこれは読書好きの人にも刺さるな..と思いました」と言ってくださった。何かが救われた気がした。もっと大きめの声で、周囲に聞こえるように言っていただいても私は全然構わなかった。
「私、こんな構成にしたいなって、もう考えてあるんです。これが文字数で、これが…」と言いながら自前の資料を見ていただいた。私の妄想の集大成である。松本さんは驚いて「フウさんって、本当に面白い方ですね」と言っていた。
本屋見学

SHCのビルは1階が本屋さんになっていて、松本さんが案内してくださった。ここの本は、どこの出版社かに限らず、「旅と暮らし」をテーマ集められているらしい。柔軟で素敵な本屋さんである。
「実はフウさんのnoteを見つけたのは私ではないんです。『面白いnoteを見つけた』って教えてくれた社員がおりまして」とのことだっただが、この日はちょうどその方(命の恩人)が店員さんをしていた。私は握手会に行くつもりでレジに向かった。
帰り際、松本さんに「フウさんの本がうちから出たら、この本屋にも置かせていただけます」と言っていただいたので、「お願いします!ぜひ、ずら〜っと一面並べてください。あの棚とかに!」とお願いして、店を後にした。
しかし帰り際、初対面であそこまで言うべきではなかったかなと少し反省し、メールを送った。「他の棚でも大丈夫ですので」
夢と恐怖
しばらくすると「本作りの出版社は弊社でよいですか」という最終確認の連絡がきた。よいに決まっているが、私は頭を抱えた。だって、もし「はい」と言ってしまった暁には、私の長年の夢が叶ってしまうではないか。その点については大丈夫そうだろうか。
何度か目にした偉人の言葉。「人は、夢を叶えられないことではなく、叶えてしまうことが怖いのである」。
そしてもう一点、本作りのスケジュールについてだ。SHCは年間の刊行スケジュールが決まっており、本を出す空き枠はあと6月発売の分だけなのだそう。それに合わせるため、来月までに原稿を仕上げることは可能か、とも聞かれた。
私が書いてきたnoteは10万文字にのぼる。自分で本を作るつもりだったから、数えたことがあるのだ。これを8万字程度に整理し直し、構成を見直し、膨大な写真の元データを整理し直し、分類し、表現を見直し、ってあれ、やることめっちゃある…?
けれど、もうやるしかないので「できます!」と答えた。きっと「1週間以内に」と言われても、そう答えていたはずだ。
本作りスタート

私は自分が数年かけて書いてきたnoteの40記事10万文字を、誇張なく本当に10周以上は読み返しながら、似た記事を統合したり、削る話を選んだり、そういえばnoteに書いていなかったエピソードを盛り込んだりしながら、なんとか原稿を完成させた。何年振りかわからないが徹夜もした。読みながら何度も「この人ほんと、ヨルダンで楽しそうに暮らしてるな〜」と思った。よく見ると主人公は自分だった。
デザイナーさんと初めて打ち合わせしたとき、「え!あのフウさんですか、本物ですか!」と言っていただいた。嬉しくなって少しだけニヤけたつもりだったが、翌朝私の口角は筋肉痛になっていた。

と思い、iPadで描いた
松本さんとも常に連絡を取り合い、「今日はタイトルを決める会議をします」と報告をいただいた。「へ〜、タイトルが『ヨルダンの本屋に住んでみた』以外になる可能性もあるのか」と驚き、そうか、この本はもう私だけのものではなく、みんなの作品なんだと気を引き締めた。「全員一致で、元のタイトルがよいとなりました!」と連絡があった時はなんだかホッとした。
「今から帯の色を決めます」「紙の種類についてはデザイナーさんに任せていいですか」などの連絡をいただくたびに、「え..。私の本の帯や紙について話し合ってくれる方が、自分以外に存在するなんて」とやっぱり慣れない気持ちだった。
まって、もしかして、このまま行くと本当に、本になっちゃうじゃん..。

これはずっと望んできたことなのに、いやだからこそ、noteが本になってしまうのが怖すぎる。「絶対本になるよ!」と何年も応援してくれている友達のみんなにも言えなかった。とうとう夢を叶えてしまうという、巨大な恐怖にうちのめされていたのだ。
6/13金 発売です
そんなこんなで、信じられないことに、「ヨルダンの本屋に住んでみた」が発売される。私のスマホのメモに眠っていただけの日記は、noteに公開したことで、本になってしまったのだ。
発売前、ある本業界のお二人が感想をくださった。「もう本当にゲラゲラ笑いながら読みました。まるで自分がその場にいるようにハラハラして、忘れられないシーンがいくつもあります」「僕、久しぶりにこんなに面白い本に出会いましたよ。これは絶対に人気になります」
とても嬉しかった。
発売日は、都内最大級の書店に「私の本はあるかな?」と偵察へ。どの書店に置かれるかは著者も分からないので、恐る恐る行ったのである。
(一部始終の動画はInstagramに)

さて、いよいよ、全てのハビービーに感謝して、本のご案内をさせていただこう。

「ヨルダンの本屋に住んでみた」あらすじ
「ここで働かせてください!」アラビア語はおろか、中東・ヨルダンの場所すら知らないのに、行ってみた日本人がいるらしい。私である。
「うわ、何この本屋・・・」。ネットで一目惚れした中東の本屋に「働かせてください」と長文メールを送ると、その返事は「OK」の2文字。
意を決してヨルダンに飛んだジャパニーズガールが、ヘンテコ店長&多国籍書店員と繰り広げる、カオスで愉快なヨルダン破天荒滞在記。

Instagram @sundemita_book

X(Twitter) @sundemita_book

【トークイベント開催!】
ヨルダンの本屋に住んでみた時の話をさせていただけることになりました。
・内容…超スペシャルゲスト・稲垣えみ子さん(朝日新聞を退社されたアフロ記者で知られるジャーナリスト/エッセイストさん)との対談。記念撮影、質問コーナー、サイン会も。
・日付…7/258/28木(変更になりました!)
・時間…19:30~21:00
・会場…本屋B&B @東京都 下北沢駅から歩いて行けます。
・チケットと詳細…こちらのリンクから
【最後に】
今まで1つでも記事を読んでくださった方、noteの皆さん、そして本作りに関わってくださった全ての皆さん、応援本当にありがとうございました。いただいたコメントのおかげで、力がみなぎって、執筆を続けることができました。これ本当です。
この本がさまざまな言語に翻訳されて、世界中の本屋に並ぶことを願って。
ヨルダンの本屋に住んでみた フウ
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