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【第3弾・完全版】GOLDは水平線を抜けたあと、本当に走るのか?|Breakout・Sweep統計検証

GOLD CANDLE LAB|Breakout / Sweep 完全検証


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「前日高値を抜けたから買い」「ヒゲで抜いて戻ったからSweep」「大きな実体で抜けたから本物のBreakout」。


どれもチャートでは説得力があります。しかし、成功例を数枚並べるだけでは分からないことがあります。


その動きは、重要な水平線だから起きたのか。それとも、同じ大きさのローソク足なら普通の価格でも起きたのか。


第2弾では、GOLDの16種類の上位足4値をRandom Levelと比較しました。その結果、前日高値・前日安値は「反発する壁」としてより、終値で抜けた後の継続を観察する場所として候補が残りました。


そこで第3弾では、対象をD1 High / D1 Lowに事前固定し、M5の終値抜けとヒゲ抜けを全件抽出しました。さらに、同じ時間帯・距離・相場環境に置いたRandom Levelを5本ずつ作り、まったく同じルールで比較しています。


先に結論


  • D1 High / Lowの終値Break後、0.5 H1 ATR継続率は35.7%

  • Random Level Breakは34.2%で、水平線固有の差は+1.5ポイント

  • Break後24有効H1以内のRetest率は94.9%。Randomも95.5%

  • 大実体Breakは0.5ATR継続率59.0%だったが、同じ大実体のRandom Breakも57.0%

  • Sweep後の0.5ATR反転率は34.6%、Randomは33.7%

  • Touch1のBreakは41.8%、Touch4+は32.8%まで低下

  • 「大きく抜けた足は続きやすい」は確認できたが、その大半は水平線ではなくBreak candle自体の情報だった


つまり、BreakoutにもSweepにも、名前を付けただけで大きな優位性が生まれるわけではありませんでした。


一方で、大実体・深い終値抜け・Touch1という三つは、次のEntry検証へ残す価値があります。


この結果は「Breakoutで売買すれば勝てる」という意味ではありません。ここで測っているのは値動きの発生確率です。Entry、SL、TP、スプレッドを含む売買成績は第5弾で別に検証します。


使用データ


  • 銘柄:XAUUSD

  • 提供元:Dukascopy

  • 価格:Bid OHLC

  • タイムゾーン:UTC

  • 期間:2015年1月1日〜2025年12月30日

  • 連続M5:969,711本

  • 値幅ゼロを除く有効M5:779,316本

  • 対象水平線:完成済みのD1 High / D1 Low

  • 実水準イベント:16,614件

  • 実水準Break:7,337件

  • 実水準Sweep:9,277件

  • Randomイベント:87,001件

  • 探索期間:2015〜2022年

  • 確認期間:2023〜2025年


見た目ではなく、機械的に定義する


High側では、M5高値が水平線を上抜き、M5終値が判定帯の内側ならSweep。M5終値が判定帯の外側で確定すればBreakです。Low側は上下を反転します。


判定帯は max(0.001、H1 ATR14の2%) としました。線ぴったりという曖昧な判定を避けるためです。


同じ水平線付近で何本も往復した動きを重複して数えないよう、Touch episode単位で最初の確定事象だけを分類しています。価格が水平線から0.25 H1 ATR以上離れた後、次のTouchとして再び数えます。


Break後は、Break確定時の終値を起点に、突破方向へ0.25 / 0.5 / 1 / 2 H1 ATRへ到達するかを観察しました。観察期限は24本の有効H1です。


目次


  1. 終値BreakはRandomより続いたか

  2. 大実体Breakの正体

  3. 終値の抜け幅

  4. Touch回数とBreak成功率

  5. 0.25 / 0.5 / 1 / 2ATR継続率

  6. False BreakとRetest

  7. MFE・MAE

  8. Sweepは本当に反転サインか

  9. 探索期間と確認期間

  10. 第4弾・第5弾へ残す条件




第1章 終値BreakはRandomより続いたか

指標D1 High / LowRandom差 0.25ATR継続49.9%48.7%+1.2pt 0.5ATR継続35.7%34.2%+1.5pt 1ATR継続24.3%23.0%+1.2pt 2ATR継続15.0%14.1%+0.9pt False Break49.0%50.6%-1.7pt 24H以内Retest94.9%95.5%-0.6pt

実水準BreakはRandomより一貫して少しだけ継続側でした。しかし差は0.9〜1.5ポイントです。


「前日高値・前日安値のBreakには何の情報もない」とまでは言えません。ただし、水平線を抜けたという事実だけで強い継続性が生まれたとも言えません。


0.5ATR継続率を確認期間だけで見ると、実水準37.2%、Random 36.4%。差は+0.8ポイントまで縮まりました。探索期間だけの偶然ではありませんでしたが、実戦で単独使用できるほど大きな差でもありません。


第2章 大実体Breakの正体


Break candleの実体をH1 ATRで割り、三つに分けました。

Break実体実水準 N実水準0.5ATR継続Random差False Break 0.25ATR未満1,99722.2%21.6%+0.7pt63.6% 0.25〜0.75ATR4,13135.5%34.5%+1.0pt48.2% 0.75ATR以上1,20959.0%57.0%+2.1pt27.1%

大実体Breakは明確に続きやすく、False Breakも少なくなりました。


ただしRandomもほぼ同じ形です。0.75ATR以上の大実体なら、前日High / Lowを抜いていなくても56.96%が0.5ATR継続へ到達しました。


ここで重要なのは、結論を二つに分けることです。


  1. 大きなBreak candleには次の値動きに関する情報がある

  2. D1 High / Lowという水平線が追加する情報は約2ポイントだった


「重要水平線を大陽線で抜いたから強い」と感じる場面の多くは、重要水平線より大陽線そのものを見ている可能性があります。


第3章 終値の抜け幅


終値が水平線からどれだけ外側へ入ったかをH1 ATRで分けました。

終値の抜け幅N0.5ATR継続RandomFalse BreakRetest 0.10ATR未満3,13924.4%23.2%60.8%98.7% 0.10〜0.25ATR2,43035.2%34.8%48.2%96.2% 0.25ATR以上1,76856.7%55.2%29.0%86.4%

浅い終値抜けは約6割がFalse Breakでした。深く抜けるほど継続しやすくなります。


ここでもRandomとの差は最大約1.5ポイントです。したがって「0.25ATR以上抜けたからD1 Highが壊れた」というより、0.25ATR以上進むだけの強いM5が出たことが主情報です。


第4章 Touch回数とBreak成功率

Touch実水準 N0.5ATR継続Random差False Break Touch11,71241.8%37.9%+3.9pt41.8% Touch21,24335.1%33.7%+1.4pt50.3% Touch396436.1%33.8%+2.3pt48.9% Touch4+3,41832.8%32.9%-0.1pt52.1%

もっとも良かったのはTouch1です。Touch回数が増えるほどBreak成功率が上がる形にはなりませんでした。


「何度も叩かれた水平線ほど弱くなる」という説明とも完全には一致しません。Touch2とTouch3はほぼ横ばいで、Touch4+だけRandomと同じ水準まで低下しています。


今回の使い方としては、Touch1を候補に残し、Touch4+を同じ条件で混ぜないことが妥当です。


第5章 0.25 / 0.5 / 1 / 2ATR継続率


継続率が35.7%と聞くと低く見えます。しかしこの数値は、勝率ではありません。


0.5ATRへ届く前に終値が水平線内へ戻れば失敗とする厳しいraceです。また、到達後にどこまで逆行したか、Entry価格で約定できたか、SLがどこにあるかはまだ含めていません。


実水準Breakの到達率は次の通りでした。


  • 0.25ATR:49.9%

  • 0.5ATR:35.7%

  • 1ATR:24.3%

  • 2ATR:15.0%


距離を伸ばすほどRandomとの差が縮む点にも注意が必要です。水平線Breakの追加情報は、遠い目標まで持続する強い効果ではありませんでした。


第6章 False BreakとRetest


Break全体の49.0%は、0.25ATR継続へ到達する前にM5終値が水平線内へ戻りました。


さらに、24本の有効H1以内に水平線へ戻った割合は94.9%です。


Breakout後にRetestが多いという観察自体は正しいものの、Randomも95.5%でした。長い24H観察窓では、相場の往復によって普通の価格へもほぼ戻ります。


この数字だけで「抜けたレジスタンスはサポートになる」とは言えません。重要なのは、戻った事実ではなく、


  • 何分後に戻ったか

  • 25 / 50 / 75 / 100%のどこまで戻ったか

  • 戻った価格からRandomより再加速したか


です。これを第4弾で分解します。


第7章 MFE・MAE


24有効H1以内の中央値は次の通りでした。

指標実水準BreakRandom Break Median MFE2.11 ATR2.06 ATR Median MAE2.05 ATR2.08 ATR

最大順行幅は実水準が0.06ATR大きく、最大逆行幅は0.03ATR小さい結果でした。


方向はBreak優位ですが、差は小さいです。24Hのような長い窓では、MFEとMAEの両方が大きくなります。そのため、この値をそのままTP・SL幅には使いません。第5弾ではEntryごとに保有期限を固定して再計算します。


第8章 Sweepは本当に反転サインか

Sweep後D1 High / LowRandom差 0.5ATR反転34.6%33.7%+0.9pt その後Breakへ移行49.5%49.8%-0.3pt

確認期間の0.5ATR反転率は実水準34.0%、Random 33.8%。差は+0.2ポイントでした。


ヒゲで抜いて内側へ戻る形は、見た目としてはきれいです。しかし今回の定義では、前日High / LowのSweepに特別な反転優位性はほぼ確認できませんでした。


Sweepが無意味なのではなく、少なくとも次のどれかを追加する必要があります。


  • Sweep幅

  • Sweep candleの終値位置

  • Sessionと時刻

  • 上位足の方向

  • 直前の値幅収縮

  • Sweep後の確定足


結果を見てから都合の良い条件を探すと過剰最適化になるため、この版では単純Sweepの結論をそのまま残します。


第9章 探索期間と確認期間


主結果を2015〜2022年と2023〜2025年に分けました。

指標探索期間確認期間 実水準Break 0.5ATR継続35.2%37.2% Random Break 0.5ATR継続33.3%前後36.4% 実水準Sweep 0.5ATR反転34.8%34.0% Random Sweep 0.5ATR反転33.7%33.8%

確認期間でも実水準BreakはRandomを上回りましたが、差は縮小しました。Sweepはほぼ一致しました。


大きな効果を主張できる結果ではない一方、「探索期間だけで見つかった派手な数字」を採用していない点は重要です。


第10章 次へ残す条件


第4弾・第5弾へ渡す条件は次の通りです。


残す


  • D1 High / Low

  • Touch1

  • Break candle実体0.75 H1 ATR以上

  • 終値の抜け幅0.25 H1 ATR以上

  • 上記を組み合わせたStrong Break

  • Random Levelとの同条件比較


単独では使わない


  • 水平線を終値で抜けたという事実だけ

  • ヒゲ抜け後に内側へ戻ったというSweep形状だけ

  • 24H以内にRetestしたという事実だけ

  • Touch4+をTouch1と混ぜた集計


最も大切な発見は、「強いBreakoutが存在した」ことより、その強さの大部分が水平線ではなくローソク足自体に含まれていたことです。


では、Strong Breakの後に飛び乗るべきか。25%、50%、75%の押しを待つべきか。抜けた水平線、FVG、Order Blockのどこから再加速するのか。


第4弾「GOLD Pullback / Retest 完全検証」では、これを各時間足のFVGとRandom Zoneまで含めて検証します。




免責事項


本記事は過去データの統計的観察を目的としたもので、将来の値動きや利益を保証しません。発生確率と売買の勝率・期待値は別です。本記事は金融商品の売買を推奨するものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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