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40年前、テープレコーダーから始まった録音生活

キャリア。

来歴、経歴、そして生涯。

「これからのキャリア」と聞くと、多くの方は仕事や転職の話を思い浮かべると思います。

しかし私がこれからも時間をかけて積み上げたい物事は、もっと単純なことです。

録音。

気付けば40年近く、何かを録り続けています。


録りたいものは、音楽だけじゃなかった

最初はカセットテープでした。

幼少期、親の持ち物だったカセットテープのレコーダーを、おもちゃ代わりに与えられていました。

そのカセットテープで色んなものを録音して遊んでいました。

家の中の生活音
テレビの音

虫の声
家族の声

果ては自分のおしっこの音まで録っていましたね(笑)

今思えば、「二度と録れないもの」が何なのか、子どもながらに分かっていたのかもしれません。

残せなかった当時の音もあります。

「あれも録っておけばよかった。」

そんな後悔は、今でもあります。


壊れることさえ、楽しかった

テープには現代のデジタル録音機器とは違った、独特の癖がありました。

電池が切れかけるとテープの回転速度がじわじわ遅くなって、音程まで下がっていく。

切れる直前は、篭った、沼に沈んでいくような音になったり。

普通なら「あ、電池切れた」で終わる現象を、私は「違う聞こえ方がする」と面白がっていました。

テープが切れることもありました。

そんな時は、びーーっとテープを引き出して、切れた場所を接着して、鉛筆をリールに突っ込んでくるくる巻き戻す。

下手をすれば変な場所で繋がってしまう、子どもにとってはかなり緊張感のある作業でしたね。

慎重に作業するが、上手く直るかどうか。最後は結局神頼み(笑)

壊れることも、直すことも、全部が遊びの一部でした。


20年前、DTMに出会った

そこから音楽制作が始まりました。

ところが、自分の歌を録って愕然とします。

下手でした。いや、、、もう、とんでもなく。

「これ、本当に自分の声なの?」

録音は、現実を容赦なく突きつけました。


呼吸を鍛える日々

ビブラートを覚えたくて、
呼吸を鍛えたくて、
ドギーブレスを毎日の習慣にしました。

大学の講義を受けながら。
社会人になってからは、コーディング中にも。

週に一度はカラオケへ行き、発声練習。
昼休みを潰して歌いに行くこともありました。

上達は、とても遅かったです。


センスは、たぶんなかった

「才能がある」なんて、そんなことは一度も思ったことがありません。

むしろ、センスは無かった。

だから、人より時間がかかりました。

それでも続けられたのは、録ること自体が、ただただ楽しかったからです。

それに、才能があったらどこかで飽きてしまっていたかもしれない。

思うように録れない、上手くいかないという障壁が、却って録音の試行回数に反映されている気がします。


40年後に残ったもの

先日、作品を公開したとき、某所で

「綺麗な録音ですね。」

と言っていただきました。
もちろん、お世辞も入っているでしょう。

でも、少しだけ嬉しかった。

録音し続けて40年。
DTMを始めて20年。

積み重ねた時間は、ゼロではなかった。


これからのキャリア

「キャリア」という言葉は、肩書きや仕事だけを指すものではないと思っています。

来歴、経歴、そして生涯。

誰にも評価されなくても、才能がなくても、好きだから続けてしまうこと。
それも、その人だけのキャリアなんじゃないでしょうか。

どんなにセンスがなくても、楽しいと思えることなら続けられる。

続けていれば、素人にも毛は生えます(笑)

だから私は、これからも録り続けます。

40年前に押した、あの赤い録音ボタンの続きを。

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