【ラジオ原稿】富士山自然図鑑⑭「キノコって何?」
Green & Brownをお聴きの皆さま、こんにちは。
さて、今日はいきなり質問です。みなさんの秋の楽しみといえば何でしょうか?読書、芸術、スポーツ、食欲・・・。「食欲」にピーンときたそこのあなた、今日は秋の味覚「きのこ」のお話です。

日本菌学会の調査によると富士山の北麓では236種類のキノコが確認され、その中で食べられる種類は数十種類程度あったそうです。実にたくさんのキノコが、標高や環境に適応して繁栄していることがわかりますね。

では、キノコは森において一体どのような存在なのでしょう?
実はキノコには大きく分けると「分解型」と「共生型」の2タイプがあります。
たとえば、枯れかけた樹木や倒木から生えるサルノコシカケやカワラタケのようなキノコたち。彼らは枯れ木の内部に菌糸を巡らせ、分解の進行を早めます。分解された木はやがて土に還り森の土壌を肥やします。

方や、地面から直接生えるマツタケやハナイグチのようなキノコたち。彼らは木の根を菌糸で覆い、木の根が届かない微細なところから、水分や養分を集めて樹木と共有します。代わりに樹木が光合成によって作り出した糖質を木の根から吸収することで共生関係が成り立っています。

いずれのタイプも森を育むための土台のような役割を担っていることから考えると、「木の子」というより「木の親」と呼ぶにふさわしいのです。

また、森は木の根と菌糸が構築した関係性「菌根ネットワーク」を利用して、樹木間のコミュニケーションを行っているとさえ言われています。私たちとは全く異なる形の感覚器官をもち、情報伝達をしているなんて、私たちの知らない新世界が足元のその下に存在しているかのようです。

私たちが自然そのものがもつ知性を認識し、そこに思いを巡らせることで、自然との対話や自然を思いやる心が生まれるのではないでしょうか。
今日は「森のキノコから森を見る」というお話でした。

あれっ、「食欲の話」どっかいっちゃった・・・
それではまたお会いしましょう、富士山ネイチャーツアーズ岩崎でした。
