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富士山自然図鑑⑬「新芽が赤い理由?」※ラジオ原稿(無料)

Green&Brownをお聴きのみなさん、こんにちは。富士山五合目図鑑を担当します、富士山ネイチャーツアーズの岩崎です。

今日は植物の「色」についてのお話しです。
私は新緑の葉を透き通って林内に降り注ぐ春の陽ざしの中を歩く時間が大好きです。色白の人の顔が黄緑色に見えるほどに林内の空気が黄緑色に輝いて、冬を乗り越え、これから始まる生命の息吹を思いっきり感じられるからです。

新緑が眩しい富士山二合目の森

この新緑の森を歩いていると、そこかしこに赤系の色をした新芽を目にすることがあります。富士山周辺では「アセビ」という樹木の新芽が鮮やかな朱華色(はねずいろ)を纏い、新緑の森に色を添えています。
この美しい赤い芽を見られるのは春の季節のみで、葉の成長と共に通常の緑色に変化していきます。

アセビの新芽は朱華色(はねずいろ)

では、なぜ新芽は赤いのでしょう?

植物が発する赤色の殆どはアントシアニンという色素です。一方、緑色はクロロフィルと呼ばれる色素。クロロフィルは葉緑体の大部分の色を構成していて、結果として葉は緑色に見えているわけです。この葉緑体は光合成を行う小細胞器官で、葉の中では最も重要な役割を担っているといってもよいでしょう。
植物は日光と二酸化炭素を利用して光合成を行うことで、グルコースなどの栄養分を自分で作り出し、消費していくわけですから、この光合成は植物の活動の中で欠かすことのできない大切な生きる術となっているのです。
しかしながら、日光に含まれる紫外線は一方で植物の最大の敵でもあるのです。実は、この裏腹な関係性から弱い新芽を守るのがアントシアニンの役割なのです。
クロロフィルもアントシアニンも紫外線を吸収してしまう性質を持っているのですが、葉の最重要器官「葉緑体」を守るため、表面にアントシアニンを露わにすることによって、クロロフィルまで紫外線が届いてしまうことを極力防いでいるのです。

つまり、新芽が赤いのは、生まれたばかりの「赤ちゃんの葉」を立派に成長させるための植物たちの生存戦略だったのです。
あっ、そういえば「赤ちゃん」というのも「赤」なのは偶然でしょうか・・・

それではまたお会いしましょう、富士山ネイチャーツアーズ岩崎でした。

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