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【原文】富士下山ガイド「富士宮口五合目~水ヶ塚」

割引あり

各五合目からの下山には様々なルート設定が可能である。今回のコースは富士宮口五合目をスタートして、水ヶ塚駐車場をゴールとするとても利用しやすいルート設定となる。7月~9月上旬の登山シーズンにはシャトルバスが頻繁に運行し、春、秋もハイキングバスが数は少ないが運行しているので、2台目の車を用意する必要がないのは大きなメリットか。
さて、コース前半は「富士宮口五合目~御殿場口五合目」と同ルートとなるため、本編では『御殿庭中』からの下山ルートについて記すこととする。

季節外れの降雪とセイタカスギゴケ

取材に訪れたのは季節外れの11月の降雪に見舞われた翌日。せっかくなので雪の宝永第三火口を眺めに御殿庭中の分岐を左折して寄り道してみる。森の中にはまだしっかりと雪が残っており、テンの物と思われる足跡が雪面に続いていた。11月は富士山では既に初冬に相当するため、カラマツの黄葉は終わりを迎え、夏の間大きなパッチを形成していたイタドリも冬支度を済ませていた。火口底にはうっすら雪が積もり、火口の側面には雪の筋が何本も確認できる。この雪の筋は全て崩落によって刻み込まれた溝に雪が溜まったもので、安定している第三火口も小規模ながら今でも崩落が起きていることが窺える。広々とした火口底に立つと、やはりこの景色は季節を問わず壮大で、時の流れを忘れさせる力が大地から脊髄を通って大脳に達する感覚を覚える。最高のパワースポットだ。

11月の積雪と宝永第三火口

さて、林内を折り返し須山口登山道に戻る。御殿庭中の道標を水ヶ塚方面へ下山を再開する。勾配は急で、大小様々な溶岩石が転がっているため、転倒や捻挫などには十分注意しながら進みたい。シラビソを中心とした典型的な富士山の亜高山帯の森林は森の香りに溢れ、11月のキリリとした空気も相まって、とても清々しい。

美しいシラビソの純林

20分ほど下ると突然視界が開け、眼下に悠然と対峙する愛鷹山塊が飛び込んでくる。周囲はカラマツ林となっており、落葉した分、この時期は一層視界が良好なのだろう。林床には地衣類ミヤマハナゴケが大きな群落を形成していた。

溶岩大地を覆う地衣類「ミヤマハナゴケ」

再び針葉樹の深い森へと登山道は続く。雪解け水を一杯に吸収して冬とは思えないほど活き活きと輝くセイタカスギゴケが木の根元を覆っていた。およそ20分ほどで御殿庭下の道標と自然休養林歩道の大きな案内図が見えてくるので、現在地の確認と周囲の情報をインプットしておくと、道迷いの際の大きな指針となる。現地は三差路になっており、水ヶ塚駐車場方面に歩みを進める。

御殿庭下の道標と富士山自然休養林歩道案内図

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