「ニワゼキショウ」のマイクロノベル 他3篇 #121
この原っぱは、数学の解法にちょうどいい。ニワゼキショウのどの花の中にも、数学記号の「∵」(なぜならば)が仕込まれているからね。きっと答えを導いてくれる。だから、この花が咲かない季節には数学はお休みだ。

ヘビイチゴは蛇が食べると聞いて口にした実は、誠に味気なかった。あのとき、自分は蛇だと思っていた。その後、クサイチゴの方がよほど美味しいと知った。食べているうちに脚が伸び、翼が生え、わたしは鳥になった。

公園の芝生に佇むあの姿、彼の名はネジバナマン。ときにしゃがみ込み、足もとに咲くその花をじっと眺める。「この花、そして絶妙なねじり加減がたまらないな」そうつぶやくと、今日もまた颯爽と去って行くのだった。

最初はグー、じゃんけんぽん。昔聴いた言葉が、たまに身体から染みだしてきて、突然じゃんけんをはじめることがある。相手をすると、たいていグーチョキパー以外の手を出してくるので、勝敗はわからないのだけれど。

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