富士通の「断捨離フェスティバル」のススメ~業務のムダをなくし、変革を加速せよ!~
皆さん、こんにちは! 今回の記事を担当するフジトラ探検隊の荒田です。
皆さんは、日々の業務の中で「これ、本当に必要?」と感じることはありませんか? 富士通では、全社DXプロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」(以下、フジトラ)の取り組みとして、業務の中にあるムダを徹底的に排除し、業務効率化と働き方改革を推進するイベント「断捨離フェスティバル」(以下、断捨離フェス)を実施しています。
今回は、断捨離フェスとは何か、どのような効果があるのかを、富士通の実践事例を踏まえ、詳しくお伝えします!
1. 解説!断捨離フェス
断捨離フェスとは、その名の通り、“断捨離”によって現場の業務変革に取り組むイベントです。
現場に放置されている、より良くできるチャンスや課題のある業務を、デザイン思考を用いたワークショップを開催し、全員参加で、前向きに、楽しく、まるでお祭り(フェスティバル)のように業務変革に取り組んでいくことをコンセプトとしています!

断捨離フェスの実施にあたっては、特定の組織だけに捉われず、チームや本部などあらゆる組織単位で、かつボトムアップ型で改革を推進していきます。具体的な進め方は次の通りです。

テーマアップ
参加者全員で、日々の業務の中でそれぞれがムダだと感じている業務、もっと改善した方が良いと思う業務を自由に出し合います。変革を自分ごとと捉え、やめられないか、シンプルにできないか、自動化できないかなど、身近な業務を見つめ直します。(発散)
続いて参加者から出てきた業務や課題に対して、参加者全員で、共感したり、取り組みたいと思うものに投票します。この時点では、誰がその業務を実際に断捨離するかではなく、純粋に断捨離したいかどうかで投票を行います。(収束)
アイディエーション
次に課題を共有し、解決策のアイデアを検討します。ここで重要なのは対象となる業務の本来の目的を達成しつつ、どのようにして断捨離を行うかという点です。業務やルールは、必ず何らかの背景や過去の学びから出来上がっており、それらを無視してはいけません。断捨離の対象になった業務が今の時代や環境に合っているのか、今のデジタルツールなら解決できるのではないかなどを全員で議論し、チームワーク力なども用いて乗り越える方法を検討していきます。(発散)
続いて参加者全員で「共感する・取り組みたいアイデア」に投票し、具体的に取り組むアクションを決めます。ここで大切になのはイベントの最後にトップマネジメント(組織長や責任者)が実行宣言することです。(収束)
そして、いざ実行です。断捨離フェスで出たアクションは必ず実行することがルールです。また、アクションはコミュニケーションとスピードを重視して進めていきます。アジャイルな手法を取り入れ、円滑なコミュニケーションを取りながら、スピーディーに、継続的な改善を図ります。
業務改革のプロセスでは、専門性の高いメンバーを集めプロジェクトを立ち上げ、そこで決まったことをトップダウン型で実施するケースが多くありますが、断捨離フェスでは、課題の当事者が全員参加型でアイデアの発散、収束を繰り返すデザイン思考的なアプローチを採用しています。そうすることで参加者一人ひとりのコミットメントを高め、「みんなで解決していこう」という機運を生み出しやすくなります。

また、各組織の断捨離フェスで出た運用の改善策やデジタルツールの活用方法などのアイデアは、ナレッジとして社内SNSやフジトラの会議などで共有することにより、全社で効率的な業務改善を加速していきます!
2. なぜ、断捨離なのか?
2020年より始動したフジトラはこれまで様々な変革を進めてきており、定期的に「Fujitsu Transformation Survey」という社員アンケートを通じて変革の実感や課題などを確認しています。フジトラが発足してから、間もない頃のアンケート結果では、ポジティブな意見にもネガティブな意見にも「時間」というキーワードが多く書かれていました。多くの社員が日々の業務の中で、「DX活動を推進するためには時間を捻出する必要がある」、「時間がなくてDX活動ができない」という課題意識を持っていたのです。

この課題を解決し、効果的なDX推進を実現するために、断捨離フェスが誕生しました。この取り組みの根幹にあるのは、「時間を取り戻し、未来を創る」という強い想いです。断捨離フェスには次の期待効果があり、富士通ではこの取り組みを通じて、次の4点を実現していきます。
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👉DX推進の加速
既存業務のムダを削減することで、限られた時間とリソースを、より重要なDX関連活動に集中できます。
👉働き方改革の実現
業務負担の軽減は、社員の生産性向上やワークライフバランスの改善に繋がります。
👉組織風土改革
社員が主体的に業務改善に取り組む風土を醸成します。
👉社員のモチベーション向上
業務におけるムダや非効率さへの不満を解消し、社員がより創造的でやりがいのある仕事に集中できる環境を整備します。
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3. 断捨離した業務、うち、これやめました!
続いては、富士通社内の実践事例をご紹介します。これまで数多くの部門で断捨離フェスを行い、日々の業務におけるムダを徹底的に洗い出し、業務の改善や大胆な廃止を実施してきました。以下が実践事例の分類です。

全社的に見ると、作業工数の削減や会議の効率化などの割合が非常に多く、また特徴的な取り組みとして、年末調整の効率化など部門に特化した取り組みや、メール送信時における役職呼称の廃止などユニークなものなどもあります。
この社内実践事例の中から、「紙とハンコの断捨離」、「会議のムダ削減」の事例を紹介します。様々な企業が取り組んでいる業務効率化の王道のテーマではありますが、全社を対象とする規模の大きな断捨離や、多様な解決策のアイデアを創出するなど、断捨離フェスの特長を活かし、成果を上げた実践事例となります!
(1) 全社を巻き込んだ変革 - 紙とハンコの断捨離
2020年のコロナ禍以降、日本でもテレワークが急速に普及しましたが、その一方で、従来の紙とハンコ中心の業務プロセスでは、テレワーク環境下での円滑な業務遂行が困難という課題が見えてきました。テレワークと出社のハイブリッドワークを推進する富士通も同様の課題に直面しており、全社を対象とした「紙とハンコの断捨離」を実施し、そのプロジェクトに断捨離フェスが活用されました。国内で7万人もの従業員を有する富士通には、数多くの業務とそれに関わる複数の部門があり、全社横断的に業務の変革をするには、プロジェクトの推進体制の構築と方針の策定に加え、迅速に運用を定着化させるために、自分ゴトとして取り組む意識を形成することが重要となります。
そこで、断捨離フェスによって、紙とハンコを利用しているそれぞれの業務の担当部門が集まって、紙とハンコの断捨離に向けたアイデアの発散と収束を行うことで、業務改善の方向性の策定し、行動変容に向けたモメンタムを形成しました。その後、具体的なアクションとして、電子申請システムの導入、デジタル署名ツールの活用、ペーパーレス化に向けた社内規定の見直しなどにつなげていきました。
その結果、紙とハンコによる物理的な書類のやり取りが大幅に削減され、業務の迅速化やコスト削減を実現しました。
(2) 会議のムダを徹底的に削減
非効率な会議は、多くの企業が抱える課題です。特にオンライン会議が主流となった現在では、会議の在り方などを見直している企業が多いと思います。富士通においても、多くの組織が断捨離フェスによって、会議の見直しを行いました。各組織における会議内容や目的は違っても、共通していたのは会議時間、参加人数、開催回数などには課題があり、それらを見直すことによって、DX化を推進する時間の捻出が可能だというものでした。
断捨離フェスで、様々なアイデアを発散させ、収束することにより、会議の目的の明確化、議題に沿わない議論の排除、参加者の最小限化、資料の事前共有など、具体的な対策を立案し、その結果、多くの部門で会議時間の短縮、参加者の負担軽減、生産性向上に繋がりました。
また、物理的な会議時間の短縮だけではなく、本来の会議目的を効率的に果たすため、デジタルツールの活用も積極的に実践しています。議事録作成のプロセスにおいては、自動要約ツールなどの活用をすることで、作業の大幅な時間短縮、迅速な情報共有を実現しました。また、会議品質も向上しており、オンラインホワイトボードを活用した意見の収集、AIを活用した意見の傾向分析など実施することで、アイデアを創造するための会議も増えてきています。
4. 今後に向けて
現在、断捨離フェスは、継続的な業務改善活動を促進するための仕組みとして、各組織で自律的に推進されています。 また、生成AIをはじめとした最新技術の活用も積極的に進められており、業務効率化はさらなる進化を遂げようとしています。
また、断捨離フェスは社内実践の枠を超え、お客様との共創活動にも積極的に展開しています。これまで体験したお客様からは、寮社宅の入居、退去などの申請作業や、警備日報(委託先警備会社との煩雑な報告、確認、承認作業)の廃止、効率化など、お客様毎の業務効率化につながる積極的なアイデアが生まれました。
断捨離フェスを体験したお客様からは次のような感想が寄せられています。
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・意見出しから断捨離する業務の決定まで、スピーディーに行うことが可能。
・多様な視点で自部門の業務に向き合い、ディスカッションすることで、業務の見直すべきポイントを見つけられる
・自分たちの意見が反映されるため、変革が自分ゴトとなり、部門内でのDX活動が加速される
・トップやミドルマネジメント層の本気度が部門にも伝わる
・具体的なアクションが、組織やチームのエンゲージメント向上につながる
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今後も、富士通は、断捨離フェスを継続的に実施することで、さらなる業務効率化、働き方改革、DX推進を図り、更にその実践事例を社外へ積極的に展開することで、お客様への貢献を目指します。
【今回のフジトラ探検隊員】
荒田 知浩(あらた ともひろ):DX Division所属
2022年から全社DXプロジェクト「フジトラ」に参画し、各組織の断捨離フェス実践等を支援。フジトラで培った実践知をお客様へ紹介する活動を通し、その先の社会にも貢献できるようになることを目指す。

