【ナフサ問題】政府「目詰まり」主張に塗料業界が供給減を指摘
2026/06/14
https://www.youtube.com/watch?v=mzcZSyJENn4&t=5s
今回は、ナフサ目詰まり問題。政府「目詰まり」と主張するも、塗料業界が「供給が単に不足していただけだ」と指摘したことについてお話ししたい。
ナフサ不足は目詰まりではなかったと、塗料業界の方がブログで主張しており、X(旧Twitter)でかなり話題となっている。

『私がナフサや石化製品の需給状況をブログでご紹介する理由 | かんとこうブログ | 関東塗料工業組合(6月11日付)』このブログでは、政府発表を基にどのくらいナフサの供給が足りていないのかを解説している。以下に引用する。
『4月以降、本ブログではナフサや石化製品の需給状況に関する記事を数多く掲載してきました。今日はその理由について説明いたします。理由は単純明快で、「塗料製造業は目詰まりなどさせていない」ことを理解してもらいたいという一心からです。ことの起こりは4月に塗料、シンナー不足の原因は川中業者の目詰まりによると報じられたことです。だれがどのように言い出したのかはわかりませんが、テレビのニュースでそのように報じられました。
一方で、組合員はじめ業界の方からは、「溶剤が手に入らない」という話ばかりが聞こえてきます。また塗装現場では相変わらず塗料が入ってこないという声が聞こえてきます。このままでは、世間から「川中にあたる塗料製造業、販売業が意図的に供給をとめているのではないか?」とみられてしまうのではないかと危惧しました。この疑念を晴らすには、ナフサはじめ溶剤などの供給に関する統計数値と塗料の生産量とを一緒に示して、塗料製造業がそうした目詰まりを起こしている元凶ではないことを証明する以外に方法がないと思いました。私には塗料製造業がそうした意図的な目詰まりを起こしていないという確信がありました。』
「塗料やシンナーが足りないのは、川中が原因だ」と言ったのは明らかに政府だ。政府が「犯人はお前だ」とテレビで流し、多くの塗装業界から怒りの声が寄せられる。大変つらかっただろう。しかし彼らは政府をかばいつつも、濡れ衣を着せられてはたまるかと必死に訴えている。

以下ブログの続きだ。
『統計数値を探すと、経産省の石油統計でナフサの需給状況が公表されていることがわかりました。溶剤に関しては、トルエン、キシレンや極性溶剤の原料となるエチレン、プロピレンなどは日本石油化学工業協会が毎月生産数量を発表していることがわかりました。また代表的な塗料原料については、毎月本ブログで単価動向をご紹介しているので、経産省の速報、確報(生産動態統計調査)で生産数量、出荷数量が公表されているのを知っていましたので、これらの統計数値が公表されるたびに、輸入数量、生産数量、出荷数量などとその前年同月比をご紹介してきました。
その結果、3月4月のナフサ、トルエン、キシレン、エチレン、プロピレンの出荷数量は、前年同月よりも少ない数量でした。一方、塗料の出荷数量は3月4月とも前年同月を上回った一方で在庫数量は減っていましたので、塗料製造業は少ない原料供給にも拘らず、なんとか手を尽くして原料を調達し、在庫の一部も切り崩して、前年同月を上回る数量を出荷したことをわかっていただけると考えました。
以上が私が本ブログでナフサや石化製品の需給状況を頻繁に書いていた理由です。先日、ある社長さんから、「ブログでナフサや、トルエン、キシレンの統計数値を見ていたため、お客さんに具体的に説明することができ大変助かりました。」と言っていただきました。多少は業界のお役にたてたようです。
6月2日には、塗料業界へのトルエン、キシレンの供給について大きな動きがありました。末端の塗装現場における塗料、シンナー不足がなかなか解消されないことに鑑み、政府が思い切った供給強化策を発表しました。トルエン、キシレン等について石油元売りからのルートを強化するなどして、例年の1.8倍までの数量が供給されることになりました。今度は塗料製造業がそれに応えなければなりません。果たしてどこまで増産できるか、設備、人員の制約など難しい課題はありますが、できる限りを増産を行い期待に応える必要があります。』と、本当に大変な思いをされているようだ。
先日赤沢亮正経済産業大臣は、記者から「石油を供給し、ナフサを大量に生産すればよいのではいか」との意見に対し、「石油を精製すれば、10がナフサ、29がガソリンだ。それだけのガソリンを貯蔵するタンクがない」と発言した。経産省と連携が取れていないのだろうか。上記のブログの最後の段落にあるように、供給を強化すれば不足問題は解消している。
経産省の現場も大変だろう。高市早苗首相の“石油あるある詐欺”。その論調に合わせなければならない。事実とは異なる発表に、官僚らもかなりの尽力をしただろう。

以下の表は、境野春彦氏のXでの投稿資料からの引用である。
(https://x.com/LPGadvisorJP/status/2065949127402557443)
令和8年4月の需給概要が、5月29日に発表されたものだ。左が昨年と今年の精製と販売量である。昨年は、輸入が196万KL(キロリットル)、精製117万KL、販売が301万KLだ。ところが今年に至っては、輸入が約半分の110万KL、精製が22.8%減の91万KLまで減っている。これにより販売も35.6%減の194万KLとなっている。
また右のグラフでは、ベンゼンが約36%減、トルエン42%減、キシレン37%減と30~40%も供給が減っている。
現実問題として供給量が減っていると、自分たちが発表している政府統計を見れば分かる話だ。なぜ、それを隠さなければならなかったのか。
塗装業界も政府に反発したくはない。しかし、そもそも総量が足りず、現場のメーカーが困っていると、ブログにて必死に訴えていたのだった。
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