日中領事協定が外務省ウェブサイトから消えた! 米弁護士の見解「実質スパイ合法化協定ですね」
2025/08/09
https://www.youtube.com/watch?v=Igsu5pQ1gSY
今回は、日中領事協定が外務省のウェブサイトから消えていたという、笑うに笑えない話をしたいと思う。今度ワシントンDCでアメリカの政府関係者と会う予定があり、用事は二つある。
一つはジェイソン・ホー氏と、焦佑鈞(ショウユウキン)ことアーサー・チャオ氏の戦いである。TSMCの実質的支配者であるアーサー・チャオ氏とジェイソン氏は長く争ってきたが、ついにジェイソン氏とIRSの法廷にアーサー・チャオ氏が呼び出されることになった。その前段階としてデポジション、いわゆる宣誓証言を行う手続きがあり、そのためにワシントンDCに行く。自分の英語力に自信がなく、言い間違えが怖いという不安はある。通訳を雇ってもうまくいくかはわからないため、とりあえず自分で対応しようと考えている。
もう一つは、ワシントンDCで政府関係者に日本のフェンタニル問題について話をすることだ。なぜアメリカがフェンタニルについて日本で捜査をしようとしても、それができないのか。その背景には日中領事協定という壁がある。先ほどまでアメリカの弁護士とこの件について話していたところ、その弁護士から日中領事協定の英語版が見たいと言われた。確かに英語版を渡せばいいと思い、外務省のウェブサイトにアクセスした。外務省のサイトには日中領事協定が掲載されており、日本語版と英語版の正文がある。
しかし、この英語版をクリックすると、なんと正文が消えていた。これは深刻な事態だ。数日前、日中領事協定について話をした際には英文が確かに存在していた。それが今朝見るとなくなっていたのだ。私はアメリカ人弁護士に、この協定があるため日本は中国の言いなりになり、裁判所や警察も中国の犯罪隠蔽工作に協力せざるを得ないと説明した。すると弁護士から「そんなことがあるのか?英語版を見せてくれ」と言われ、英語版があるはずだと思い出した。なぜなら、この日中領事協定は日本語・中国語・英語で等しく正文されており、2008年10月24日に北京で作成されたことが原文に記載されている。そして、解釈に相違がある場合には英語の本文による、と明記されている。
つまり、日本語と中国語は正文であるものの、両者の間で解釈に食い違いが生じた場合には英語を基準とすることになる。これは実質的に英語が最終的な正文となることを意味する。三言語が等しく正文であるなら、どれを基に議論しても良いはずだが、日本語と中国語の間で相違があれば英語版が優先されるのだ。したがって、英語版の条約が消えているのは極めて重大なことだ。私は非常に驚いた。
一昨日、韓国で韓中領事協定があるはずだと思い、パク・ボヨン氏に探してもらったところ、「あるにはあるが国民には見せられない、非公開とする」と韓国政府のホームページに書かれていたという。それを聞き、韓国は恐ろしい国だと笑っていたが、今回の件で日本も同様の状況であると知り、危機感を覚えた。
この条文の問題点は、第三条の日中領事協定にある。第三条のI項が危険なのだ。第三条I項には、「派遣国の国民が不在その他の理由で適切な時期に自己の権利及び利益を守ることができない場合に、当該権利及び利益を保全するために接受国の法令の定めるところにより暫定的措置がとられるようにするため、接受国の裁判所その他の当局において当該国民を代理し、又は当該国民が適当に代理されるよう取り計らうこと。ただし、接受国の慣行及び手続に従うことを条件とする」と記されている。
この規定は、恣意的に運用された場合に非常に危険であると指摘されている。なぜなら、接受国の裁判所や当局で当該国民を代理するということは、日本の場合は中国の意向に従う形となり、中国様のために中国人を代弁するという構図が成立するからである。一方で、中国側は中国の裁判所や当局が日本人を代理することになるが、それは逆に危険であるとの指摘もある。さらに、この協定では、日本の文化・経済・技術に関する情報をすべて中国に提供することが取り決められている。これは実質的に「スパイ活動合法化協定」ではないかという批判もある。
そしてもう一つ、第三条のJ項である。J項には、「両締約国の間で効力を有する国際取極に従い又は、このような国際取極がない場合には、接受国の法令に合致する方法により、裁判上若しくは裁判外の文書を送達し、又は派遣国の裁判所のために証拠調べの嘱託状若しくは委任状を執行すること」と記されている。
弁護士の説明によれば、J項は理論上、日本が中国国民を巻き込んだ日本での訴訟手続を支援するために、中国から取得する権利を与えている。しかし実際には、この文言は中国がそうしなければ受け取る権利も取得する権利もできない。あらゆる種類の情報を、訴訟を通じて受け取ることを正当化する手段は与えている。したがって中国人が日本において裁判手続きに関与している場合、この協定の文言により中国は裁判手続きに関連するなんらかの証拠であると正当化するあらゆる情報を受け取る権限を有することになる。
実際、私と呉思国(ゴシゴク)氏との裁判において、中国大使館の人間が出てきたことがある。呉思国氏は藤井一良という名を名乗っているが、中国国籍も有している。そのため、呉思国氏との証人尋問の際、中国大使館の人間が立ち会い、中国語で「大丈夫、安心して」などと声をかけていた。なぜそこに中国人がいて、中国語で会話しているのか疑問に思った。しかし、足立康史氏との裁判にまで中国大使館が介入してくる理由については、いまだ謎が残る。
弁護士によれば、この日中領事協定は極めて一方的に運用されている可能性が高い。中国人が日本で裁判や警察沙汰になった場合、上からの指示で「問題ないから早く釈放しろ」と言われ、実際に釈放される事例が多い。裁判になっても有利な判決が出たり、刑事事件になりそうな場合でも検察が不起訴にしたりなど、恣意的な対応がなされている。
その一方で、日本人が中国で逮捕・拘留された場合、日本側は一切情報を得られない。この協定が悪用され、第三条I項の「接受国の慣行及び手続に従うことを条件とする」という文言が、中国の法令に従って日本人被疑者に中国式の措置を取ることを正当化してしまう。しかも、この運用は対等ではない。日本人が中国にてスパイ容疑で逮捕・拘留された場合、日本に残る家族は本人と連絡が取れず、一体どうなっているのかと心配し続けるしかないのだ。それに対して日本政府は、何の情報も持っていないため、分からないとしか言いようがない。
その一方で、中国人が日本で逮捕された場合、日本の当局はすぐに中国の領事館へ連絡しなければならない。実際、私が中国人ストーカーを110番通報して逮捕してもらった時などは、20〜30分で警視庁の人間が来て、すぐに釈放しようという動きになった。このように不平等な協定が存在する。文言上は対等だとされているが、実際の運用はまったくそうなっていない。この実質的な不平等条約を改正するか破棄しない限り、スパイ防止法を議論しても何の意味もない。
