見出し画像

100年の歴史を担う4代目の挑戦!大野の星空と歴史を閉じ込めた「石垣スイーツ」の開発秘話

福井県大野市にある、大正12年(1923年)創業の「毎川金花堂」。名水百選に選ばれた清らかな水と、豊かな自然に育まれた食材を使い、地元の人々に愛され続けるお店です。

大野市にて開催されたイベント「逸品創出事業」にて、毎川金花堂がひとつの特別なスイーツを創り上げました。名前は「天空石語」。

大野市にて開催されたイベント「逸品創出事業」

この記事では、その逸品が生まれるまでの知られざる物語と、そこに込められた職人の熱い想いに光を当てるべく、4代目の毎川さんにお話をお伺いしました。


今回開発された「天空石語」、その独創的なコンセプトにまず驚きました。大野城の石垣と、星空。この二つを結びつけた発想は、どこから生まれたのでしょうか。

毎川: もともと、「いつか大野城をテーマにしたお菓子を作りたい」という想いは長年持っていました。特に「野面積み(のづらづみ)」の石垣ですね。

野面積み(のづらづみ)の説明

無骨ながらも力強いあの姿を、お菓子で表現できないかと。それが最初の着想です。

── その長年の想いが、今回形になったのですね。

毎川: ええ。ただ、全くのゼロから新作のお菓子を作るのではなく、既存の人気商品「にしき」をリニューアルするという手法を選びました。

新しい材料の在庫を抱えるのは、物価が上がる今の時代では経営的な負担も大きい。それならば、すでにお客様に愛されている味を土台にし、その価値をさらに高める方が、私たちにとってもお客様にとっても誠実な選択だと考えました。

── 現実的な経営判断と、職人としての創造性が両立している。非常に興味深いです。その石垣のアイデアに、「星空」という要素が加わったのはなぜですか?

毎川: 構想自体は数年前からあったのですが、商品として世に出すには、もう一つ、お客様の心を掴む “ ひねり ” がほしいと感じていました。

そんな折に、市内の六呂師地区が国際的な「星空保護区」に認定されたというニュースを知ったのです。その瞬間ですね、「これだ」と。大野が誇る歴史遺産と、世界に認められた自然の宝。この二つを掛け合わせることで、今この時代にしか作れない、大野ならではの物語が生まれると確信しました。


開発の過程で、特にこだわった点や、ご苦労された点はありますか?

毎川: お菓子職人として、もちろん味には最もこだわりました。越前大野産の麦やきな粉、福井県産の小麦、そして上品な甘さの和三盆糖。地元の恵みへの感謝を込めています。

こだわりの4つの素材を使用している

苦労した点で言えば、お客様に気軽に手に取っていただきたいという想いと、原材料費とのバランスを取る価格設定でしょうか。何度も計算し直しました。あとは…少しお恥ずかしい話ですが、お菓子のサイズを決めるのに随分と時間がかかりまして。

── と、申しますと?

毎川: 先にお菓子のことばかり考えていて、それを入れる「箱」の大きさを想定していなかったのです(笑)。理想のお菓子が、用意していた箱に収まらない。当たり前のことですが、中身と外側のパッケージ、その両方が調和して初めて一つの商品になるのだと、改めて基本に立ち返る経験でした。

── 職人としての情熱が伝わるエピソードですね。そのパッケージにも、特別な仕掛けがあると伺いました。

毎川: はい。これは、お菓子を召し上がっていただいた後のお楽しみとして考えました。箱に描かれた星のマークに穴を開け、下からライトで照らすと、満天の星が浮かび上がるようになっています。

お菓子がなくなった後も、この箱を通して大野の美しい夜空を思い出していただけたら、と。ささやかな遊び心です。


商品に込められた「想い」を教えていただけますか?

毎川: このお菓子を通じて、大野の歴史や自然の魅力をPRしたい、という想いがあります。ただ、PRだけではなく、進学や就職でこの大野を離れていった若者たちにも想いを込めています。

── 故郷を離れた方々ということですね。

毎川: ええ。彼らが何かの折にこのお菓子を手に取った時、パッケージを見て、故郷の風景を思い出してくれたら、と。このお菓子が、自分が育った場所を懐かしく、そして大切に思う一つのきっかけになってくれたなら…。

それが、100年この地で商売を続けさせてもらってきた私たちが、次の世代に対してできることの一つではないかと思っています。これはお菓子作りを通した、未来への投資のようなものかもしれません。

── お話を伺っていると、これは単なる新商品開発ではなく、お店の歴史と、町の未来を見つめ直すプロジェクトだったのですね。

毎川: そう言っていただけると、大変嬉しいです。時代は変わりますが、守るべき伝統と、時代に合わせて挑戦すべきことがある。その両方を大切にしながら、これからも大野の地で、お菓子を作り続けていきたいですね。

(了)



「天空石語」は、以下でお買い求めいただけます。

道の駅越前おおの 荒島の郷」
道の駅「道の駅九頭竜」
越前おおの 結楽座
・毎川金花堂の店舗内

現在は大野市内でしか購入できませんが、ネットでも購入できるような方法も模索中とのことです。

福井県大野市に訪れた際は、ぜひ毎川金花堂の「天空石語」をお手に取ってみてください。

【毎川金花堂の店舗情報】
黄色いおうちのケーキやさんをコンセプトとした、2025年で102年目を迎える4代続く老舗。名水百選に選ばれた大野の地下水を使用した菓子作りをしている。人気メニューは、シュークリーム、でっちようかん、焼菓子全般。

*住所*
〒912-0085 福井県大野市新庄14-16-2

*電話*
0779-66-2746

*営業時間*
平日9:00~19:00 土曜・祝日9:00~18:00
※定休日: 日曜日

*SNS・HP*
HP/ECサイト: https://maikawa-kinkado.raku-uru.jp/
Instagram: @maikawakinkado
ブログ: https://ameblo.jp/kinkado1923/
Facebook: https://www.facebook.com/maikawakinkado/


いいなと思ったら応援しよう!