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親と子の通院費で破綻する前に『自立支援医療』の活用を

「子どもの心のケアで通院が始まり、さらに実家の親も認知症の疑いで通院することになった……」
30〜50代の働き盛り、責任世代の皆様は自分たちの生活費に加え、親や子の「医療費」も背負う立場に立たされる、という過酷な現実が降りかかる時がありますよね。
今回はそんな過酷な現実に抗うためのお力になれれたらと思い、病院が教えてくれない公費医療を紹介します。

1.医療費の自己負担は3割負担だけじゃない

病院の窓口で保険証を提示すれば、全額の3割を支払えばよい、という日本の社会保障制度は世界でも手厚い保障といわれますが、度重なる通院や薬の費用は積もり積もれば家計を破綻させます。

そうならないため、日本には様々な公費負担医療制度がありますが、実は患者本人が能動的に動かなければ利用できない仕組みなっているものも少なくありません。

病院には患者に対し、保険証の確認義務はありますが、「あなたはこんな公費が使えますよ」などと推奨することは義務付けられていません。

「この制度を知っているかどうか」だけで、家庭の貯金残高に数年で数十万円の差が出ます。

後になってから、そんなに支払わなくてよかった、と家庭が崩壊してから気付いても手遅れです。
知識を持っておくことが家庭を守る最強の盾となります。

2. 「自立支援医療」は、親にも子にも使える家計の盾

今回紹介したいのは自立支援医療(精神通院)という公費負担医療制度です。

名称からして多くの人が「精神科や心療内科に通う人のためのもの」と思っているこの制度。実は、対象となる疾患の幅は非常に広いのです。

* 【子どもや若者世代】

自立支援制度の対象:
不登校・ひきこもり、発達障害、うつ状態など心のエネルギーを取り戻すための長期的な通院。年齢に制限はありません。

* 【親世代】

自立支援制度の対象:
アルツハイマー型認知症、血管性認知症など「物忘れ外来」や認知症の進行を遅らせるための継続的な通院。
高齢者の方は意外と当てはまることがあるのですが、見落とされ易いものでもあります。

*訪問診療でも利用可能

自立支援医療(精神通院)という名称ですが、通院困難で訪問診療を受けている方ももちろん利用可能です。

3.自立支援制度の利点

*窓口負担「1割」

自立支援制度の対象に当たる方は、窓口負担が原則1割となります。

3,000円の支払いが1,000円になる。この「2,000円の差」を、10年、20年と続く通院生活の中で想像してみてください。
度重なる通院に少しだけ光が差してきませんか。

*月額上限額が決まる

自立支援医療の本当の凄さは、1割負担になることだけではありません。
「1ヶ月の支払い上限額」が設定されることです。

世帯の所得によりますが、月の負担上限が10,000円や5,000円、一部の人はもっと低額に設定され、それ以上の支払いは必要なくなります。

そしてそれは窓口毎の負担金ではありません。全ての医療費の上限額をさします。

例えば仮に月の上限額5000円の場合、病院窓口で5000円支払ったとしたら、薬局や訪問看護に対しては精神通院にかかる費用は自己負担は1円も発生しないということになります。

例えば認知症の薬の中には、比較的高価なものもありますが、それらをどれだけ処方されても、上限を超えた分は1円も払わなくていいのです。

「終わりの見えない不安」を「計算できる支出」に変える。これがこの制度を「最強の盾」と呼ぶ理由です。

4. なぜ、病院は「親の認知症」にこの制度を勧めないのか

先にも触れた通り、自立支援医療は高齢者の認知症のケースではスルーされるケースが多々あります。
もちろんひとえに認知症といっても対象となるかどうかは分かれますが、当てはまるかどうか検討する余地は絶対にあります。
しかし、何故か病院側からはなかなか話が出てこないのです。

* 現在の自己負担で満足してしまう

高齢者はすでに1割や2割負担になっているため、「十分負担が少ない」「これ以上安くならないだろう」という思い込みが病院側にも家族側にも潜在的にあるのです。

確かに後期高齢者の方の多くは窓口負担1割負担、月の上限額は安くても8000円ですが、自立支援制度が使えれば月の上限をもっと抑えることができる可能性があります。

* 医療機関側が手間を避ける:

医療機関からすれば、自立支援医療を使ってる方でもそうでない方でも、受け取る医療費の総額は変わりはありません。請求先が患者本人か行政かの違いだけです。

ただ、その請求先の違いや請求額の調整が生じることは意外と手間がかかり、避けたがる事務員がいるのは事実です。

また、自立支援医療を申請するには医師の診断書が必要になります。
診断書を書く医師や、手続きを説明する事務員にとっては「追加の業務」となります。

つまり、不親切な病院は医師も事務員も面倒だからわざわざ言わない、ということがありえます。
信じられませんがこれが不親切な医療機関側の本音であり、中にはそもそも自立支援医療の制度に精通していない事務員も少なくないのが現実です。

* 申請主義の壁

行政が自動的に交付するマル乳医療症などと違い、自立支援医療は役所も病院も、あなたが「申請します」と言わない限り、手に入りません。
家から出ることのできない患者様にとってはこれが大きな壁になります。

自立支援の申請は代理人であっても申請は可能です。ご家族、またはケアマネジャーや計画相談員、ケースワーカーの方などと相談してみてください。


5. 申請までの3ステップ

* 1.診察時に「自立支援」を切り出す

「親の認知症(または子の引きこもりなど)で自立支援は使えますか?」と主治医に聞いてください。外出困難な方は同時に申請を委託できる方を探す方が効率的でしょう。

*2.主治医に診断書を作ってもらう

初めて自立支援医療を申請する際、医師の診断書が必要になります。
自立支援の対象になるとわかったら診断書の作成を依頼しましょう。

* 3.指定医療機関を選定する

この制度は病院だけでなく、薬局や訪問看護なども「登録した事業所」でのみ有効です。
診察を受ける病院だけでなく薬局、訪問看護ステーションを決めてセットで登録しましょう。

ここまでくればあとは必要書類を持って行政窓口に行くだけです。

6. 結びに:お金の余裕は、介護と子育ての「命綱」です

親の介護も、子どもの不登校や引きこもりも、どちらも介護や看護の「正解」はありません。だからこそ、せめて「お金」という、解決策がある問題で悩まないでください。

月々浮いたそのお金で、家計の崩壊を防ぎ、時には美味しいものを食べる、映画を観に行く、好きなものを買う。

制度を使い倒すことは、家族の笑顔を守るための立派な技術です。

上述したような不親切な病院を除けば、私たちは、あなたの家計の軍師(タクティシャン)として、いつでもお手伝いする準備ができています。
まずは診察時に先生に、もしくはクリニックへ電話をかけてみてください。

💡 事務管理職からのワンポイントアドバイス:ハズレ事務員の見分け方

認知症で自立支援の話をした時
「高齢者は既に1割負担ですよ?」
「介護保険があるから関係ないですよ」
と適当に答える事務員がいたら、そこは「生活の質」を見ていない証拠です。

在宅医療の現場では、医療保険と介護保険の使い分け、そして自立支援のような公費負担制度をいかに組み合わせるかが事務方の腕の見せ所。

事務員の知識のレベルはそのクリニックの「家族への寄り添い度」につながると思って間違いありません。

クリニック窓口の方とのお話した時の印象を振り返ってみて下さい。
そしてそのクリニックのホームページを覗いてみて下さい。

●●科です、土日も診療します、●●の治療をします、●●の薬を出せます、●●診断書を書きます、患者様が●人います、●●な経歴の医師がいます。

そんなどこでも謳っている内容だけでなく、クリニックとして医師以外の職員はどんな教育、研修、知識習得の施策を行なっているか。
そうした部分にもぜひ目を通してみて下さい。
きっとクリニックの本質がそこには見え隠れしているはずです。

あなたのそこにある幸せが続きますように🌻

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