文学フリマ大阪13で買った本の感想【その2】
個人的に激動だった文学フリマ大阪13。出店しながらも15冊の宝を見つけ出し、購入しました。感想をまとめたのでどうか作者に届け。
そしてこれきっかけに新しい出会いが生まれるように読者に届け。
すでに買った本がある方は是非、各自感想を送ってあげてくださいね。作者からすると感想が心の支えになったりします。
あなたの感想は、創作者に時々訪れる真っ暗な夜空で光る星になるのよ。
それでは作者名敬称略で失礼します!
今回は【その2】として8冊分。
■ 先生だって、あのね/碧魚まり

小学校の先生になって約10年。子どもたちとのエピソードがギュッと詰まった1冊。
よすぎた。碧魚さんの愛が溢れんばかりに込められた本だ。いつだって子どもたちのことを考えて行動する様子に心が温かくなる。それでいてユーモアやアイディアもあるから生徒たち楽しいだろうな。「こんな先生に当たりてぇー」って思った。あとキレのある関西弁が気持ちいい。
みんなが筍ご飯を好きになるようにした話、放課後バレンタインの話、ベテラン先生の愛と力技を学んだ話、不登校の子と秘密の交換ノートをした話…そのどれもが具体的で特別なエピソードだった。他の人には書けない貴重な体験ばかり。
さらに子ども食堂、ブックサンタなど学校以外での子どもとの関わり方を模索する姿には感動すら覚える。
いやー、自分には今子どもがいないけど年齢的には親世代にズッポリ足を踏み入れてるので、何かしらの形で子どもたちと関わってみたいとは思う。そういった意味でも有意義な本だった。
最後にご自身の夢を語ってる章にもグッと来る。あなたはきっとこれから、もっと多くの人に言葉を届けられる書き手ですよ。この本と、碧魚さんに出会えてよかった。
■ 羽ばたく本棚/つる・るるる

日常生活と本が交差する。13編の読書エッセイが詰まった1冊。
濃密なおもろさ。エッセイの途中で本の一文が引用されて日常と本が自然に溶け込んで話に深みをもたせる。技巧派かよ。どうやったらこんなことできるんですか。日常エッセイと読書感想のいいとこどりなので一編一編の満足度が高かった。
かと思いきや『フィンランドの昔話』の魅力を流れ落ちる滝のような勢いで教えてくれる章もある。約束を守らない主人公が成功しちゃったりとか、日本の道徳観とは全く違う感じの作品もあるらしくて心躍る。真面目さや美しさだけで人間は語れないから。
つるさんのベースの文章がうまいし、テンポのいいツッコミが合間に入るので前のめりに楽しめた。素晴らしい本です。
■ 推しがラジオで喧嘩してる/秋海まり子

推しへの愛と葛藤が込められた1冊。
自分の中を好きを毛布にくるんで丁寧に温めながら育ててるような印象を受けた。その好きを見つめて、深掘りして解明しようとする姿はオタクの鑑。とても勇ましくて美しい。
本にするという行為は究極の推し活だと思った。だって愛を形に残したんだよ?素晴らしいよね。
暗い空間の、とある一点に置かれた強い光源
この表現がよくて何回もかじった。イメージしやすいしこの言葉があることによって助かるオタクもいるはず。
『その業界全体』が好きなパターンと
『その人』、『そのグループ』が好きというパターンが存在することを忘れたくはないなと思った。
秋海さんの場合、お笑い全体にはそこまで詳しくないけど、とあるコンビが好きと書かれていた。全っ然ありだと思った(ありなしを言うことすら烏滸がましいんですがここはあえて肯定の意味を込めて)
今は大グラデーション時代だから人の推し活の形を咎めることなくバカにすることなく互いが微笑ましく認め合っていたいね。知らないことを責めたり、競ったりしないでいたい。
■ 世の中って、2種類の人間おらん?/祝

世の中には2種類の人間がいる。
冒頭、この文言から始まるエッセイが集まった1冊。
いいフォーマットだなぁ。おもろい。
『カラーコスメをプレゼントできる人、できない人』の章では祝さんの考えすぎで気遣いな面が爆発しててよかった。ひとつの物事でここまでのパターンの想定ができるのかといった感じ。
ブラマヨ吉田さんの「でもなぁ…」が聞こえてくるかのような考えすぎ感がとても好みでした。(私もそっちの流派でやらしてもろてます)
その他、ほとんどの章で共感した。もっと色んな2種類を見たい!文章は我々に与えられた武器である!
■ ラストライブ/りんちゃん

ポルノグラフィティと共に歩いてきた道のりを振り返った1冊。
ライブに参加した思い出やグッズの話、自分との関わりが小分けのエッセイで乱れ撃ちされる。一見、推し活の本かと思いきや、そうでもない。彼らの音楽に救われた事実はありながらも、彼らに頼らずともりんさんが自分の足で前に進めるようになるまでの軌跡を辿った本だった。
文章も人生もしっかりとクセが強くて「あなたは十分な個性をお持ちです!」と言いたくなる。
『自信のない少女が自信のあるおばさんになるまで』というキラーフレーズが光り輝いていた。カッコいい。
■ 最近覚えた言葉/波多江幸広

覚えたての言葉を友達に言って回ったあの頃を思い出すような純粋な気持ちが詰まったエッセイ本。
装丁が市販の文庫本みたい!再現度がめちゃくちゃ高くて本屋の本棚にあってもまさか個人のZINEだとは気付かないだろう。
『高円寺喫茶のチーズトースト』という話が特によかった。東京の隣接県に住んでるのにわざわざ都内に宿をとって小旅行をする波多江さん。その理由をこう語る。
いかに綺麗な気持ちでいられるか、そんな場所を探している。ある意味、好きの嗅覚を磨くための修行のようである。
カッコいいぞ。心ファーストというか、気持ちの豊かさを優先するためにやってることなのだと知った。一見、珍しい行動だとしてもこうして自分なりの理由や哲学があればその価値は計り知れない。
あと「友達が少ない」という割に結構友達出てきてるじゃないっすぁーー。とちょっと思った。
■ おだやかでごきげんな毎日を過ごしたいのに、結局これが私のリアル#3/かきのきいろは

日記3部作の#3。かわくてインパクトのある表紙に吸い込まれる。A5サイズの大きい本に文字がびっちり詰まってる。日記でよくこんなに書けるなぁ。すぎょい。
相撲のように押し合って、笑っちゃって仲直りするシーンが微笑ましくてよかった。力技で仲直りに持っていくやつね。わかります。時に言葉を超えた方法も大事。
文字が小さくてボリュームが多めなので途中お腹いっぱいになっちゃった。(あたしの読書胃袋が小さいのがいけないんです)
■ コウメ太夫論集『絶叫』/作者多数

複数の筆者たちが様々な観点からコウメ太夫について論じた1冊。
いい意味で狂ってる。これぞ自主制作のZINEならではだ。内容が小難しいのでサラッと読んだだけじゃ全然噛み砕けない。よって、まだ全てを読み切れてない。でもそれでいい気もする。時間をかけて読み進めていきたい。
これは静かな狂気の結晶。手元に置いておきたい本であることは間違いない。
これにて大阪編の感想終了。
みんな個性爆発してていいよなぁ。
よい刺激をいただきました。
ありがとうございます。
僕ももっと強くなっておもしろくなりたいと思いました。みなさん、才能と行動力があるので無理のない範囲で創作を続けてくれたら嬉しいです。そしてどこかでまた会う日まで。
こっちも良作揃いなのでぜひ
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