プロフィール
書いたり欠いたり
はじめに|ショートショート『2019年生まれ、火星のアウストラレ在住です』
「私は2019年生まれ、火星のアウストラレ在住です」と就活生の男は自己紹介した。
「君、就活の場でふざけるのかね?」と面接官は厳しく問うた。今は西暦2021年だ。この就活生はたった2年前に生まれたというのか? それに火星出身などと言っているが、人類はまだ火星に有人着陸するという悲願を達成できていないじゃないか。馬鹿馬鹿しい。
と同時に、面接官は目の前の男が今までに見たことのない妙な髪型をしているのに気づいた。不思議の国に迷い込んだかのようだ。
「いえ、これは事実なんです」と就活生は答えた。「早い話が、私は未来人です」
「……その髪型は未来で流行っているのかい?」
「あ、そうです。しまった……髪型もこの時代に合わせるべきでした……」
「しかし、なんでまた未来人様とやらがこの町工場で働きたいんだい?」
「順を追って説明します」と就活生はまっすぐ見つめた。
就活生は咳払いをしてから語り始めた。
「私が元いた時代では火星のテラフォーミング——環境を意図的に変化させることです——が実行されました」
「ほお」
「火星の地下に水素の貯蔵層があったのは既にご存じですね? 二酸化炭素の分解によって酸素も生成できます。さて、これらが揃うと水、そして海をつくりたくなるものです」
「うむ」
「が、彼らはそれに熱中するあまり、水素は使いすぎるわ海は広くなりすぎるわの大失敗。なんとか人類の定住は進んでいますが、もっとやりようはあった。そこでこの惨事をなかったことにすべく私は過去に派遣されたのです」
「ん?」
「テラフォーミングの実行部隊が乗った宇宙船のとある重要な部品は、実はこちらの工場で作られました」
「ということは……?」
「そう、私はこちらの工場を閉鎖させるため今ここにいるのです。さあ雇ってください!」
プロフィール
福永フクロウと申します
このペンネームは軽いノリでつけましたが、しばらく経った今でもすごく気に入っていて、熟考することへの虚しさを禁じ得ません
1994年、長崎県生まれです
英仏海峡トンネル、北米自由貿易協定と同い年で、つい先日同窓会でも顔を合わせましたが元気そうにしていました
2017年、大学を卒業しました
宮崎大学教育文化学部1年+同志社大学社会学部3年の合計4年で卒業とちょっとややこしく、アイデンティティの揺らぎで乗り物酔いの毎日です
2018年1月に公募に応募するかたちでショートショートを書き始めました
この決断が吉と出るか凶と出るかは今の僕次第ですね
同年9月に個人サイトを作成しそのショートショートを公開し始めました
こちらの個人サイトはすでに閉鎖させましたが、当時、閑古鳥もいなくなるほど人気がありませんでした
2021年2月以降は公開の場をこちらのnoteに移行し、引き続き更新をしています
終の棲家にしたいです
どうぞよろしくお願いします
アチーブメント(時系列)
『青だけがすべて』
阿刀田高 選 ショートショート・コンテスト
主催 『小説現代』(講談社)
2018年8月号に氏名掲載
『団地奇譚』
投稿企画 #2000字のホラー
主催 note with WEB別冊文藝春秋
note読書公式マガジンに掲載
ノベルゲームを制作
『茶道・サ道・鎖道』
毎週ショートショートnote
主催 田原にか氏
主催者様からピックアップ
『誰モガ・フィンガー・オン・ユア・トリガー』
春ピリカグランプリ2023
主催 ピリカ氏(+運営協力者および審査員 複数名)
🎖️ すまスパ賞 受賞
『愛も変わらず』
青ブラ文学部
主催 山根あきら氏
🎖️ 優秀賞 受賞
『ハロー・グッバイ・ハロー・グッバイ』
note編集部公式マガジンに掲載
『入道雲にはもう手が届かない』
夏、トキメキが発動した瞬間
主催 ヤマハ発動機『HATSUDO』
🎖️ 入選
副賞 中辻作太朗氏によってイラスト化
SNS
📙 Tales|ショートショート / 詩
🔔 X|お知らせ
🏝️ Instagram|トリップクリップ
メール

re8ryo@gmail.com
いいなと思ったら応援しよう!
人生に必要なのは勇気、想像力、そして少しばかりのお金だ——とチャップリンも『ライムライト』で述べていますのでひとつ