50人に1人の「ひきこもり」。2026年6月、精神科の初診がオンラインで受けられるようになります
「精神科のオンライン初診」が解禁へ。ひきこもり支援に、大きな追い風が吹くかもしれません。
精神科のオンライン診療が、2026年6月から条件付きで「初診」でも可能になります。ひきこもり状態にある方や、ご家族、支援者にとって、この一報は大きなニュースだと思っています。
出典:福祉新聞「オンラインの精神医療、条件付きで初診に導入 厚労省検討会で方針」
なぜ、これが大きなニュースなのか
内閣府(現・こども家庭庁)の調査では、15〜64歳でひきこもり状態にある方は推計 約146万人。およそ「50人に1人」とされています。
数字でみると、もはや一部の家庭だけの課題ではないことがわかります。
福祉職時代、ひきこもり支援の学習会に関わっていた頃、アウトリーチ(訪問支援)の重要性は何度も語られていました。
こちらから出向くこと。
関係性をつくること。
家族だけを孤立させないこと。
どれも本当に大切です。 ただ、支援を必要としている方の数に対して、担い手は圧倒的に足りていない。 そして、訪問支援だけでできることにも限界がある、というのも実感でした。
だからこそ、医療・福祉・就労支援が早期につながる「導線」が必要だと思っています。
「初診」が、いちばん高いハードルでした
医療につながることには、大きな意味があります。
精神障害者保健福祉手帳の申請には、原則として初診日から6か月以上経過した時点の医師の診断書が必要とされています。
つまり、ひきこもり状態になった「その時」がスタートではなく、「初診」を踏んだ日がスタートになる。 ここが、福祉サービスや就労支援につながる起点になります。
そして、その「初診」こそが、ご本人にとっても、ご家族にとっても、いちばん高いハードルでした。
外出の不安。
人と会うこと自体への抵抗。
病院の待合室。
それらを越えるエネルギーが残っていないからこそ、ひきこもり状態にあるとも言える。
そこに、自宅から、保健師などに伴走されながら受けられるオンライン初診という選択肢が加わる。 これは、本人と医療をつなぐ「最初の一歩」を、ぐっとやさしいものにしてくれるはずです。
ペースを守りながら、選択肢をふやす
もちろん、医療につなげること自体を目的化してはいけません。 本人の意思とペースを尊重することが、大前提。
それでも、「必要なときに必要な支援にたどり着ける」ための選択肢が早期にふえることは、当事者にとって大きなメリットだと思っています。
厚生労働省も、相談支援・居場所づくり・ネットワークづくりを一体で進めるべく、令和7年度はひきこもり支援ステーション事業を129自治体、ひきこもりサポート事業を164自治体で実施予定としています。
この動きが、ご本人やご家族にとって、孤立から支援へとつながる追い風になってほしい。心からそう願っています。
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