エッセイ:観劇教室の結末が喜劇
こんにちは。不屈の屈葬です。
今回は、#岩男を笑わせろ杯 への参加作です。
素敵な企画をありがとうございます!
(エッセイ本文:532字)
* * *
何という劇団だったか、忘れてしまった。
私の高校にプロの劇団が来校して「観劇教室」が開かれた時のことだから、かなり昔の話だ。記憶が薄れてしまったことを許して欲しい。
ただ、本格的な演劇を初めて観て、ひたすらに圧倒され続けたことは、よく覚えている。息をのまずにはいられないその演技は、未だに色を失わず私の中で再生できるほどだ。
劇が始まった時はだるそうにしていたいつもは悪ぶっている連中も、すぐに劇に夢中になっていた。授業中は寝てばかりいるK君も、この時ばかりは、一睡もせず見入っていた。
体育館中に響き渡る声。
鬼気迫る演技。
その圧倒的な迫力は、私たちの度肝を抜いた。
劇が終わる頃には、ふだん感情を露わにしないS君まで涙を流していたのが印象的だった。
なお、私の高校では日直が2人体制でその日にあったことを学級日誌に記すというありがちな風習があった。全文覚えてはいないが、当日のコメントがとにかく印象的だったので、記憶を頼りに再現してみる。
【日直A】
「マザー・テレサ」感動しました!涙が止まりませんでした!
【日直B】
「マザー・テレサ」本格的で驚きました!一生忘れません!
翌日、日直だった私は日誌を見て驚愕した。
観たのは「ヘレン・ケラー」だったのだから。
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