【毎ショセレクション選出】ショートショート:冷戦
こんにちは。不屈の屈葬です。
今回はショートショートです。お願いします!
(本文:400字)
* * *
ごぉぉぉぉぉぉ……。
轟音とともに吹きつける風が、凍てつく身体を更に冷やし続けた。
——丑三つ時。
ここからは、星も見えない。
文字通りの「一寸先は闇」に、頼りになるのは身体の感覚だけだと、改めて思い知る。
あたりに人の気配はない。
それでも、そばには彼がいるはずだ。
ひっそり息を殺し、開戦の合図を待つ彼が。
私たちはいつからか、ここで合戦を繰り返してきた。
かつては大勢の仲間がいたように思うが、気がつけば、私と彼だけになってしまった。
「熱い戦い」など、一度もなかった。
ただ「冷たい戦い」があっただけだ。
果たして生き永らえることがいいことなのか、もはや分からない。
分かるのは、この場所から脱出できるのは、「選ばれし者」だけということだった。
ふいに、光が差し込んだ。
——合図だ。
ガシッ……!!
聞こえるはずもない柄を強く握る音が、確かに聞こえた。
「……先に往くぞ、メロンバー!」
彼は不敵な笑みを浮かべ、光の中へ消えた。
(了)
* * *
田原にかさん主催の「#毎週ショートショートnote」参加作でした。
お題は「#合戦バー」です。いつもありがとうございます!
ではまた!最後までお読みいただきありがとうございました!
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