子どもの「比較」対処法
「なんであの子はできるのに、自分はできないんだろう」
子どもがそう口にしたとき、どう声をかけるかはとても悩むところだと思います。
私自身、4人の子どもを育てながら、そして指導の現場でも、同じような場面に何度も向き合ってきました。
まず前提として、他人と比べて落ち込むこと自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、それだけ周りをよく見ていて、自分なりに現状を理解しようとしている証でもあります。
ただし、その比較が「自分はダメだ」という結論に直結してしまうと、行動が止まりやすくなります。
ここで大切なのは、
「比較をやめさせること」ではなく、
「比較の捉え方を変えること」です。
例えば、子どもが「○○くんは速いのに、自分は遅い」と言ったとします。
このとき、「気にしなくていいよ」と否定するのは一見優しさですが、子どもの感じている事実そのものは変わりません。
結果として、「分かってもらえない」という感覚だけが残ることもあります。
そうではなく、「どこが違うと思う?」と問いかけてみると、子どもは自分なりに考え始めます。
フォームなのか、練習量なのか、それとも単純な得意不得意なのか。
このプロセスを通して、「差=ダメ」ではなく、「差=理由があるもの」と捉えられるようになります。
もう一つ重要なのは、「過去の自分との比較」を意識させることです。
昨日より少しでも良くなっている点があれば、それは確実な前進です。
特に運動や技術の分野では、成長は直線ではなく、階段のように進みます。だからこそ、「今の自分」と「少し前の自分」を並べて見る視点を持たせることが、継続の土台になります。
私の家庭でも、「前よりどう?」という声かけはよく使います。
他人との優劣ではなく、自分の変化に目を向ける習慣がつくと、自然と表情も変わっていきます。
そして最後に、親として気をつけたいのは、無意識の比較です。
「あの子はできているのに」という言葉はもちろんですが、
「前はできていたのに」という言い方も、受け取り方によってはプレッシャーになります。
意図せず子どもの視野を狭めてしまうことがあるため、ここは慎重である必要があります。
他人と比べることは避けられません。
ただ、その比較が前に進むための材料になるか、自信を失う原因になるかは、関わり方で大きく変わります。
目の前の結果だけでなく、その子がどう考え、どう捉え、どう次に向かうか。
そこに目を向けていくことが、結果として長く続く力につながっていくと感じています。
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