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「できない」と言う時の本当の心理構造

子どもが何かに取り組もうとした時、
「できない」
と口にする場面はないでしょうか。

親としては、
「やってみないと分からないよ」
「そんなことないよ」
と声をかけたくなるものです。

私自身、4人の子どもを育てる中で、同じような場面に何度も向き合ってきました。

ただ、この、
「できない」
という言葉は、単に能力の有無を表しているわけではなく、
むしろ、その裏側にはいくつかの共通した理由が隠れていることが多いです。

一つは、
「うまくいかなかった時の自分を守りたい」
という気持ちです。

最初から「できない」と言っておけば、失敗しても傷つきにくい。
特に周りの目を気にする子ほど、この傾向は強く出ます。
挑戦して失敗するよりも、最初からやらない方が安心だと感じてしまうのです。

二つ目は、
「できるの基準が高い」
ことです。

例えば、少しでもミスがあると「できていない」と判断してしまう子は、途中までできていても「できない」と言います。
本来は過程の中に成長があるのですが、その途中段階を評価できない状態です。

三つ目は、
「経験の少なさによる不安」
です。

やったことがないことに対して、人は自然と慎重になります。
大人でも初めてのことには構えてしまうものです。
子どもであればなおさらで、「分からない=できない」と結びついてしまうのは自然な流れとも言えます。

そしてもう一つ、
「どうせ無理だと思い込んでいる状態」
も見逃せません。

これまでの経験の中で、うまくいかなかった記憶が積み重なっていると、挑戦する前から結果を決めてしまうことがあります。
この状態では、実際の力とは関係なく「できない」という言葉が先に出てきます。

こうした背景を踏まえると、
「できない」
という言葉への関わり方も少し変わってきます。

私が意識しているのは、その言葉をすぐに否定しないことです。
「できるよ」
と励ますことも大切ですが、それだけでは子どもの中にある引っかかりは解消されません。

それよりも、
「どこが難しそう?」
と聞いてみる。

「全部」ではなく、「どの部分」で止まっているのかを一緒に見ていくことが大切だと感じています。

例えば運動であれば、一つの動きを細かく分けて、
「ここまではできているね」
と確認していく。
そうすると、子ども自身が、
「全くできないわけではない」
と気づくことがあります。

また、ほんの少しでもできたことを具体的に伝えることも有効です。
「さっきよりもここが良くなっているね」
と言葉にすることで、自分の変化を認識しやすくなります。

「できない」
という言葉は、その子の限界を示しているのではなく、
「どこに不安やつまずきがあるか」
を教えてくれているサインだと私は考えています。

少しだけ立ち止まって、その背景を一緒に見ていく。
その積み重ねが、
「できない」を「やってみよう」に変えていく
きっかけになるのではないでしょうか。

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