「47都道府県名の名前の由来について -諸説や有力な説の紹介-」
北海道・東北地方
北海道
北海道という名前は、明治2年(1869年)に新しく定められたものです。それまでは、「蝦夷地(えぞち)」と呼ばれていました。
この「北海道」という名前を提案したのは、幕末・明治維新期に活躍した松浦武四郎(まつうら たけしろう)という人物です。彼は、蝦夷地を何度も探検し、その地理や文化に詳しい人物でした。
松浦武四郎は、新しい名前の候補としていくつか案を出しました。その中で採用されたのが「北海道」です。この名前には、「北方の広大な大地」という意味合いが込められています。「北」という文字は、本州から見て北に位置することを示し、「海」は日本海やオホーツク海に面していること、「道」は将来に向けて発展していくべき地域であることを表していると言われています。
蝦夷地と呼ばれていた時代から、豊かな自然と独自の文化を持つ地域でしたが、「北海道」と名付けられたことで、日本の新たな frontier(フロンティア)、開拓の地としてのイメージが強く打ち出されることになりました。
ちょっと面白いエピソード
松浦武四郎が提案した名前の候補には、他にも「北加伊道(ほっかいどう)」や「海北道(かいほくどう)」などがありました。最終的に「北海道」が選ばれた背景には、彼の熱意や、新しい時代への期待感が込められていたのかもしれませんね。
青森県
青森県の名前の由来には、いくつかの説があります。その中でも有力なのは、「青い森」に由来するという説です。
江戸時代初期、現在の青森市には「青森村」という小さな村がありました。この村には、鬱蒼とした青々とした森があり、航海の目印となる一本の大きな松があったと言われています。この松が常に青々と茂っていたことから、「青い森の村」と呼ばれるようになり、それが転じて「青森」という地名になったと考えられています。
また、別の説としては、アイヌ語の「アオモリ」(小さな森)に由来するという説もありますが、一般的には前者の「青い森」説が有力視されています。
明治4年(1871年)に廃藩置県が行われ、弘前県と斗南県が合併して青森県が誕生しました。県庁が置かれた青森村の名前がそのまま県名になったのです。
ちょっと面白いエピソード
青森県はりんごの生産で有名ですが、「青い森」という名前からは、みずみずしい緑豊かなイメージが湧いてきますね。県庁所在地である青森市には、現在も「青い森公園」という美しい公園があり、その名残を感じることができます。
岩手県
岩手県の県名の由来は、「鬼の手形伝説」にあります。
昔々、現在の岩手県盛岡市には、羅刹鬼(らせつき)という悪鬼が住み着き、人々を苦しめていました。そこで、三ツ石様という三つの大きな岩の神様が鬼を退治しました。退治された鬼は、二度と悪さをしないという誓いとして、この三ツ石に手形を押して逃げ去ったと言われています。
この伝説から、「岩に鬼の手形が残った」という意味で「岩手(いわて)」という地名が生まれたとされています。盛岡市には現在も「三ツ石神社」があり、この伝説を今に伝えています。
明治維新後、いくつかの藩が統合されて岩手県が誕生しましたが、この古くから伝わる伝説にちなんだ「岩手」という名前が採用されました。
ちょっと面白いエピソード
岩手県には、この鬼の手形伝説にちなんだお祭り「チャグチャグ馬コ」があります。これは、華やかな装束をまとった馬たちが鈴を鳴らしながら行進するお祭りで、その鈴の音は鬼を追い払う力があるとも言われています。
宮城県
宮城県の名前は、鹽竈神社(しおがまじんじゃ)の神領であった「宮城郡(みやぎぐん)」に由来します。
鹽竈神社は、古くからこの地域の信仰の中心であり、広大な神領を持っていました。この神社の「宮」を守る地域という意味で「宮城」という名前が付けられたと考えられています。
明治維新後、仙台藩などが統合されて宮城県が誕生した際、県庁が置かれた仙台を含む宮城郡の名前がそのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
鹽竈神社は、海の神様として信仰を集めており、航海の安全や豊漁を祈願する人々が多く訪れます。宮城県の豊かな海の幸は、この神社の加護によるものかもしれませんね。
秋田県
秋田県の県名は、古代の豪族「秋田氏」に由来するとされています。
平安時代から鎌倉時代にかけて、現在の秋田県北部を中心に勢力を持っていたのが秋田氏です。この地域は古くから「秋田」と呼ばれており、その名前がそのまま県名になったと考えられています。
「秋田」という地名の語源には諸説あり、アイヌ語の「アク・タ」(背の高い草が生える湿地)に由来するという説や、豊かな穀倉地帯であったことから「飽田(あきた)」と書かれたという説などがあります。
明治維新後、久保田藩などが統合されて秋田県が誕生しました。歴史のある「秋田」という名前は、地域の人々にとって馴染み深く、そのまま県名として採用されました。
ちょっと面白いエピソード
秋田県は、美しい自然と豊かな温泉に恵まれた地域です。「秋田美人」という言葉があるように、色白で美しい女性が多いことでも知られていますね。
山形県
山形県の県名は、山形城があった「山形」という地名に由来します。
山形城は、戦国時代に築かれた 頑丈な城で、この地域の中心的な役割を果たしていました。城下町も発展し、「山形」という名前が広く知られるようになりました。
「山形」という地名の由来は、文字通り「山の形」に由来すると考えられています。山々に囲まれた盆地に位置する山形は、その地形からこの名前が付けられたのでしょう。
明治維新後、山形藩などが統合されて山形県が誕生した際、県庁が置かれた山形城の所在地である「山形」が県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
山形県は、さくらんぼやラ・フランスなどの果物の生産が盛んです。豊かな自然が、美味しい果物を育んでいるんですね。
福島県
福島県の県名は、江戸時代に存在した福島藩の城下町「福島」に由来します。
福島藩は、現在の福島市を中心に置かれ、この地域を治めていました。城下町として発展した「福島」という名前は、人々に広く知られていました。
「福島」という地名の由来には、**「二つの川が合流する場所」**という意味があるという説があります。「福」は「幸福」に通じる縁起の良い字であり、「島」は川に囲まれた土地を表していると考えられます。阿武隈川と荒川が合流する地点に福島城が築かれたことが、この地名の由来になったのかもしれません。
明治維新後、いくつかの藩が統合されて福島県が誕生した際、県庁が置かれた福島藩の城下町「福島」が県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
福島県は、会津地方、中通り、浜通りという三つの地域に分かれており、それぞれ異なる文化や風土を持っています。豊かな自然や歴史的な建造物も多く、魅力あふれる県です。
関東地方
茨城県
茨城県の名前は、古くこの地域に繁茂していた茨(いばら)の茂る野原に由来するという説が有力です。
かつて、この地は広大な野原であり、そこに多くの茨が生い茂っていたと考えられています。「茨城(いばらき)」という地名は、そのような風景を表していたのでしょう。
また、別の説として、古代にこの地域を治めていた豪族「茨城国造(いばらきのくにのみやつこ)」に由来するという説もあります。
明治維新後、水戸藩と笠間藩などが統合されて茨城県が誕生しました。古くからこの地域を指す言葉として使われていた「茨城」が、そのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
茨城県は、納豆の生産量が日本一です。県庁所在地の水戸市には、「水戸納豆」として全国的に知られていますね。
栃木県
栃木県の県名は、県庁所在地である栃木市に由来します。
栃木市は、江戸時代には日光街道の宿場町として栄え、商業の中心地でした。「栃木」という地名の由来にはいくつかの説があります。有力なのは、この地に多く自生していた「橡(とち)」の木に由来するという説です。
また、別の説として、古代にこの地域を治めていた豪族「栃木氏」に由来するという説もあります。
明治維新後、宇都宮藩などが統合されて栃木県が誕生した際、県庁が置かれた栃木市の名前がそのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
栃木県には、世界遺産にも登録されている日光東照宮があります。徳川家康を祀るこの壮麗な神社は、歴史と文化を感じさせる場所ですね。
群馬県
群馬県の県名は、古代にこの地域に置かれた「群馬郡(くるまのこおり)」に由来します。
「群馬」という名前の由来は、古代にこの地域で馬の飼育が盛んだったことに由来すると考えられています。「群」は「集まる」という意味で、「馬」が集まる場所、つまり牧場があった場所を示しているのでしょう。
明治維新後、高崎藩と前橋藩などが統合されて群馬県が誕生しました。古くからこの地域を指す言葉として使われていた「群馬」が、そのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
群馬県は、温泉地としても有名で、草津温泉や伊香保温泉など、多くの温泉地があります。古代から馬の産地として知られていた群馬は、豊かな自然にも恵まれています。
埼玉県
埼玉県の県名は、古代の「埼玉郡(さきたまのこおり)」に由来します。
「埼玉」という地名の語源には諸説あります。有力なのは、「幸魂(さきたま)」という言葉に由来するという説です。「幸魂」は、人の心に宿る幸福をもたらす霊的な力のことと考えられています。
また、別の説として、この地域が「前玉(さきたま)」と呼ばれていたことに由来するという説もあります。「前」は「先」という意味で、肥沃な土地が広がっていたことを示唆しているのかもしれません。
明治維新後、いくつかの県が合併して埼玉県が誕生しました。古くからこの地域を指す言葉として使われていた「埼玉」が、そのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
埼玉県には、「彩の国」という愛称があります。これは、豊かな自然や歴史、文化など、多様な魅力を持つ埼玉県を象徴する言葉として親しまれています。
千葉県
千葉県の県名は、平安時代にこの地域を支配した有力な豪族**「千葉氏」**に由来します。
千葉氏は、現在の千葉市周辺を拠点とし、広大な勢力を持っていました。「千葉」という地名の由来は、この千葉氏の居館があった場所が、幾重にも重なる葉のように見える地形であったことに由来するという説があります。
明治維新後、新しく県を設置する際に、この地域で最も有力な名前であった「千葉」が県名として採用されました。
ちょっと面白いエピソード
千葉県は、東京湾に面しており、東京ディズニーリゾートや幕張メッセなど、多くの観光施設があります。また、温暖な気候を利用した農業も盛んです。
東京都
東京都の名前は、日本の首都である「東京」に由来します。
「東京」という名前は、明治2年(1869年)に京都から首都が移された際に付けられました。それまでの首都であった京都に対して、「東の京(みやこ)」という意味で名付けられました。
江戸時代には「江戸」と呼ばれ、徳川幕府の中心地として発展しました。「江戸」という地名の由来には、「入り江の奥」という意味があるという説や、古代の豪族「江戸氏」に由来するという説などがあります。
明治維新後、江戸は東京と改称され、日本の首都となりました。その後、周辺の地域と合併し、現在の東京都となりました。
ちょっと面白いエピソード
東京都は、世界有数の大都市でありながら、皇居や庭園など、豊かな緑も残されています。新旧の文化が混在し、多様な魅力を持つ都市です。
神奈川県
神奈川県の県名は、県庁所在地である横浜市神奈川区にある神奈川宿(かながわしゅく)に由来します。
神奈川宿は、江戸時代の東海道五十三次の宿場の一つとして栄えました。「神奈川」という地名の由来にはいくつかの説があります。有力なのは、この地の地形が「神の川」のように見えることに由来するという説です。
また、別の説として、古代にこの地域を治めていた豪族「金川氏(かながわし)」に由来するという説もあります。
明治維新後、神奈川県が設置された際、県庁が置かれた横浜に近い神奈川宿の名前が県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
神奈川県は、横浜中華街や鎌倉の大仏など、歴史的な観光地が多くあります。また、湘南海岸など、美しい自然も魅力です。
中部地方
新潟県
新潟県の県名は、県庁所在地である新潟市に由来します。
「新潟」という地名は、江戸時代初期に、信濃川の河口付近に新しく築かれた港「新潟湊(にいがたみなと)」に由来します。文字通り、「新しい潟(干潟)の港」という意味です。
それまで、この地域は「沼垂(ぬったり)」と呼ばれていましたが、新しい港の建設とともに「新潟」という名前が広まりました。
明治維新後、新潟県が設置された際、県庁が置かれた新潟市の名前がそのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
新潟県は、米どころとして有名で、「コシヒカリ」をはじめとする美味しいお米が生産されています。また、日本酒の生産量も多く、酒蔵が多く点在しています。
富山県
富山県の県名は、江戸時代にこの地域を治めていた富山藩の拠点であった富山城の城下町「富山」に由来します。
「富山」という地名の由来にはいくつかの説があります。有力なのは、この地にあった「安住山(あずみやま)」が転訛したという説です。「安住」が「富」に通じ、縁起の良い字が使われたと考えられています。
また、別の説として、豊かな土地であったことから「富める山」という意味で名付けられたという説もあります。
明治維新後、富山県が設置された際、県庁が置かれた富山城の城下町「富山」が県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
富山県は、立山連峰をはじめとする雄大な自然に恵まれています。また、「薬の都」としても知られ、製薬業が盛んです。
石川県
石川県の県名は、県庁所在地である金沢市を流れる石川という川に由来するという説が有力です。
この川は、かつて砂金が採れたことから「砂川」と呼ばれていましたが、後に「石川」と改められました。この川の名前が、周辺の地域名となり、最終的に県名となったと考えられています。
また、別の説として、古代にこの地域を治めていた豪族「石川氏」に由来するという説もあります。
明治維新後、金沢県などが合併して石川県が誕生しました。地域を代表する川の名前が県名として採用されました。
ちょっと面白いエピソード
石川県は、加賀百万石の城下町として栄えた金沢を中心に、豊かな歴史と文化が息づいています。兼六園や金沢城など、見どころもたくさんあります。
福井県
福井県の県名は、江戸時代にこの地域を治めていた福井藩の拠点であった福井城の城下町「福井」に由来します。
「福井」という地名は、もともとこの地にあった「北ノ庄(きたのしょう)」という地名が、藩主であった結城秀康によって改められたものです。「福」の字は、秀康の出身地である河内国茨田郡福井(現在の大阪府枚方市)にちなんで付けられたと言われています。また、「井」は、城の近くにあった井戸に由来するという説があります。
明治維新後、福井県が設置された際、県庁が置かれた福井城の城下町「福井」が県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
福井県は、恐竜化石の発見地として有名で、「恐竜王国」とも呼ばれています。県立恐竜博物館は、迫力満点の恐竜の化石を見ることができます。
山梨県
山梨県の県名は、甲斐国(かいのくに)の古い呼び名である「山梨郡(やまなしぐん)」に由来します。
甲斐国は、周囲を山々に囲まれた地域であり、その地形から「山に囲まれた国」という意味で「山梨」と呼ばれるようになったと考えられています。
明治維新後、甲斐国は山梨県と改称されました。古くから親しまれてきた「山梨」という名前が、そのまま県名として採用されました。
ちょっと面白いエピソード
山梨県は、富士山の麓に位置し、美しい自然に恵まれています。ぶどうや桃などの果物の栽培も盛んで、「フルーツ王国」とも呼ばれています。
長野県
長野県の県名は、県庁所在地である長野市に由来します。
「長野」という地名は、善光寺の門前町として発展したこの地の地形に由来すると考えられています。細長く伸びた平野に位置することから、「長い野原」という意味で「長野」と名付けられたと言われています。
明治維新後、長野県が設置された際、県庁が置かれた長野市の名前がそのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
長野県は、避暑地としても人気が高く、軽井沢や上高地など、多くの観光地があります。また、そばの生産も盛んで、「信州そば」として全国的に知られています。
岐阜県
岐阜県の県名は、織田信長がこの地を訪れた際、中国の故事にならい「岐阜」と名付けたことに由来します。
信長は、この地の稲葉山城を攻略し、居城としました。その際、中国の周の文王が岐山(ぎざん)の麓から天下統一を目指した故事にちなみ、「岐」の字と、周の文化が栄えた「阜(ふ)」の字を組み合わせて「岐阜」と名付けました。
明治維新後、岐阜県が設置された際、信長ゆかりの地名である「岐阜」が県名として採用されました。
ちょっと面白いエピソード
岐阜県には、世界遺産にも登録されている白川郷の合掌造り集落があります。日本の原風景が残る美しい場所です。
静岡県
静岡県の県名は、県庁所在地である静岡市に由来します。
「静岡」という地名は、江戸時代に駿府城(現在の静岡市)に隠居していた徳川家康が、この地を「静かな丘」と呼んだことに由来するという説があります。
また、別の説として、この地の賤機山(しずはたやま)の麓にある岡(丘)という意味で「賤ヶ岡(しずがおか)」と呼ばれていたものが転訛したという説もあります。
明治維新後、静岡県が設置された際、県庁が置かれた静岡市の名前がそのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
静岡県は、富士山や伊豆半島など、豊かな自然に恵まれています。また、お茶の生産量も日本一で、「静岡茶」として全国的に知られています。
愛知県
愛知県の名前は、古代の「愛智郡(あいちぐん)」に由来します。
「愛智」という地名の由来には諸説あります。有力なのは、この地域を治めていた豪族「海部氏(あまべうじ)」の一族である「阿比知(あいち)氏」に由来するという説です。
また、別の説として、この地の地形が「相合(あいあい)」、つまり二つのものが合わさる様子を表していることに由来するという説もあります。
明治維新後、名古屋県と額田県が合併して愛知県が誕生しました。古くからこの地域を指す言葉として使われていた「愛知」が、そのまま県名となりました。
ちょっと面白いエピソード
愛知県は、名古屋城や熱田神宮など、歴史的な建造物が多く残っています。また、「名古屋めし」と呼ばれる独特の食文化も魅力です。
近畿地方
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「つれづれなるmy歳時記」(2023年5月執筆分~)
2023年5月以降にnoteにおいて発表してきたエッセイや短編小説・クイズ・言語に関する練習問題などからピックアップして、当マガジンにまと…
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