Xmas懐かしの映画鑑賞(その2) 『追想』1975
日本では「冒険者たち」で有名なロベール・アンリコ監督作品。
類似品にご注意下さい。
やはり『追想』(1956年作)という邦題映画がありますが、これは原題『アナスタシア』といって、ロマノフ家のアナスタシア皇女の話。
イングリッド・バーグマン主演です。
大昔観た懐かしの映画『追想』は、原題を『Le Vieux Fusil』といって、直訳すれば【古い銃】。
復讐譚です。
主人公はフィリップ・ノワレ演じるところの、冴えないお医者さんジュリアン。
ポッテリした体で、眼鏡かけていて、お世辞にもかっこいいとは言えない。
彼には彼そっくりのポッチャリ系娘と美しい妻がいる。
妻クララ役は、当時30代後半だったロミー・シュナイダー。

ウィーン出身で、10代の時『シシィ』でオーストリア皇后を演じアイドルとなる。
シシィは、バイエルン(ウィーンからしたらド田舎)からお輿入れしたお姫様なので、一挙手一投足が姑の気に入らず、いっぱいイジメられる。

子供時代、こういう顔の良さは分からなかったが、あれから幾星霜…今ではすっごく可愛い🩷し綺麗✨だと思う。
時代は第二次世界大戦中、ドイツ占領下のフランス。医者ジュリアンは、妻子を田舎の持ち家、というか持ち古城に疎開させることにする。
別れ際、「そのうち会いに行くからね。」とジュリアンが言うと、クララは
「ウイ、ムッシュー」と答える。
さしずめ「はい、あなた。💕」
良きかな❗️
しかし、ある日時間をやりくりして妻子を訪ねてみると、村の人々は教会に集められ惨殺されていた。
古城に辿り着くと、庭に倒れた娘と火炎放射器で焼かれたらしい妻と思しき黒い塊が、城の壁に縋る様にあった。
ジュリアンは教会の天辺に昔隠した古い猟銃を取り出し、磨いて装填する。
城に渡るための橋を落とし、古城の中に張り巡らされた裏通路を使い、ナチの行状を窺うジュリアン。
彼の復讐が始まる。
城の居間には鏡がある。
これはマジックミラーで、居間からは鏡に見えるが、城の内部の暗い通路からは、透けガラスになっている。
ジュリアンは暗い通路から、ナチが彼のシャンパンを飲み、彼のプロジェクターで彼の家族の8mmフィルムを大騒ぎで鑑賞するのを見る。
そこに映し出された幸せそうな妻の姿。
チャラリ〜という音楽と共に彼は過去に引き戻され、妻との馴れ初め、妻との会話を思い出す。
水道を止め、井戸を使えなくし、カンテラと銃を持ったジュリアンは走り回る。
ナチは、城内に入り込んだ敵を複数のパルチザンだと思い込む。
ナチを殺すたび、チャラリ〜と寂しげで美しい単音のメロディが鳴りまた過去へ。そこには、いつでも美しい妻がいる。
首をそらして笑う妻。
泣いている妻。
復讐とチャラリ〜の繰り返しでストーリーは遅々とし進まない。
チャラリ〜の部分がやたら長いこともある。


本物のパルチザンが村に続々とやって来る。
部下を失い観念したナチの将校は居間で自殺しようとする。
鏡の前で拳銃の引き金を引こうとしたその時、鏡に映る自分の顔がぐしゃっと歪むのを見る。
その途端、鏡の奥から凄まじい勢いで炎が吹き出して来る。
鏡の奥には火炎放射器を構えたジュリアンがいる。
迎えに来る友人。
友人にまるで生きているかのように妻の話をするジュリアン。
友人は怪訝そうにジュリアンの顔を窺う。
復讐を終えた彼の頭はチャラリ〜部分だけになってしまったのだ。
映画の冒頭と同じ妻子と自転車に乗って走るシーンで終わる。

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映画の構造は、サンドイッチのパン(自転車シーン)とパンの間にミルフィーユ状に殺戮と愛の思い出が幾層にも重なっているというもの。
ブレーキをかけながら運転しているような映画だが、昔観た時はそんなことに全く気がつかなかった。
鏡のシーンのインパクトに負けたのだろう。
邦題『追想』、確かに追想し続けてるけどね…
