ベルリン白鳥島・曰く付きの場所(怖)❗️
ずいぶん前、写真のモダンな巨大邸宅は、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが入居する、というデマが流れた。
この家、景観を損ねると隣人には評判がよろしくない。
その巨大さから貯蔵倉庫と陰口をたたかれている。
ベルリンの南西部、Wannsee(ヴァン湖)付近をドライブしていて、小さな橋を渡った。
長さ10〜20mしかない橋だ。
橋の先は一本道。
道なりに行くと、元の場所に戻った。
どうやら道がループになっているらしい。
Google先生に教えを乞うと、ここはハーフェル川に浮かぶ小さな島だった。

schwanenwerder(白鳥島)というらしい。
正確には、島ではなく中州。
へええ、そばのPfaueninsel(孔雀島)は有名だけどねえ。
有名でないのは、住宅しかないから。
と言っても、でっかいお屋敷ばかりだ。
島の内部にループ状の道路が一本あり、それに沿ってお屋敷が建っている。
屋敷の敷地が水辺になっているから、水際に住んでいる人には素晴らしい景観なんだろう。
ループの出発点あたりにアクリル板が立っている。
何なに?島の歴史?

19世紀の末、灯油ランプで財を成した工場主が島を買い、水に面した土地を分譲。
20世紀に入り、銀行家や工場主、出版社オーナーなどお金持ちが住むようになる。
1930年の段階で、島内15の土地のうち9はユダヤ人の所有であったそう。
1933年、ナチが政権をとると、国外に逃れるユダヤ人は逃亡税などを課され、屋敷の売却を余儀なくされる。
その屋敷や土地はナチ高官やその関係者が、アホみたいに安い値段で手に入れていた。
その中でも最も有名なナチ高官は宣伝相ゲッぺルス。
他にもヒトラーお気に入りの建築家シュペア、ヒトラーの医者モレルなどがいた。
女優リダ・ヴァーロヴァも俳優の恋人と島に暮らしていたが、ゲッぺルスと関係を持つようになる。
ゲッペルスの家はどこかいな?と番地を頼りに探してみる。
当時の邸宅は取り壊されている。
ネオナチの聖地になる可能性があるものは残さない。
だからヒトラーの墓も無い。
ゲッぺルスの屋敷跡は、道路から水際までなだらかな傾斜のある広い庭が広がり、ボートを係留する桟橋も見られた。
一等地。
ここにナチ高官が集い、水遊びしたりパーティーを開いたりしていたのかと思うと、美しい庭が一転禍々しいものに変わる。
夏のカラッとした空気。
強い日差し。
白いシャツやパンツ姿でグラス片手に談笑する男たち…。
このゲッぺルスの土地を買って住む人はいるだろうか?
現在では、島は静かな高級住宅地の呼び名が高く、タイトル写真のようなモダンな邸宅も建てられたわけだが、こんな曰く付きだと島全体から瘴気がたち昇っている気がする。
気に入って住んでいる住民の人たちには申し訳ないけど…。
* * * * *
プラットフォーム17そばに宅地開発された高級住宅地がある。
元々ベルリンの高級住宅地であったグリューネヴァルトのグリューネヴァルト駅。
ナチ政権下、この駅の17番ホーム(プラットフォーム17)から、多くのユダヤ人が死の収容所に移送された。
今は17番ホームは使われておらず、ホロコーストの記念碑となっている。
ここの線路に沿って、最近よく見るモダンな真っ白いサイコロ型邸宅が並ぶ。
整備された道路に広い土地。

あたりは森も湖もあり環境も良い。
しかしである。
そんな悲劇的な、非人道的な所業の起点となった場所の目と鼻の先に住みたいか?と問われたら、全力で
NEIN‼️
と言うけどなあ。
ドイツでは、若い世代でもそれはそれはシツコくホロコーストの歴史を習うが、
「いい加減勘弁してくれ。俺関わってないのに。」
という気持ちもどんどん大きくなっているのだろうか?
でなきゃアソコには怖くて住めないよ。
