『大使とその妻』上巻までの感想
今回は自分の愉しみのために読む読書案内シリーズです。
ご紹介するのは上下巻の長編物語。
上巻を読んだだけでの感想とはちょっと早すぎるでしょうか。下巻の世界は上巻とは全く違うものになるかもしれないのに。
noteクリエイターさんに贈る読書案内シリーズ。
テーマ・選定者・ご紹介方法についてはこちらをご覧ください。
途中まででも面白くご紹介しようと思った初めての本かも。
文学、物語、Storyへどっぷり浸れる世界へようこそ♪
「大使とその妻」水村美苗 著

題名:大使とその妻 上
著者:水村美苗
出版社:新潮社
出版年:2024年
分類:日本の小説
この本は完全に作家さん名で選びました。
水村美苗さんといえば力作揃いのイメージ。ほとんどの著書で賞を取られている方ですね。
私は著者の「本格小説」に心つかまれました。ちょっと硬質な翻訳のような文体も好みです。その著者の12年ぶりの長編小説となれば、読まずにはいられませんでした。
近代文学がお好きな方はもう既に読まれていると思います。
最近は物語を読んでいないけど「源氏物語」「奥の細道」「嵐が丘」「自負と偏見」などが好きだったという方に、ぜひおすすめしたい本です。
フィルター越しのエッセンス3
軽井沢に山荘を持つアメリカ人の翻訳者ケヴィン。彼による、隣人の元大使とその妻について回想録のような形で物語は進んでいきます。
多くの日本人が知らないまま、失われていくだろう古き日本。
夫妻の謎が下巻に回収されていくのでしょう。
私の心に響いた3つのエッセンスです。(太字は当方によるもの)
今回のフィルター越しのエッセンスであり、次回読んだらまた違う箇所になるかもしれません。
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人類は亡びなかった。しぶとく生き続けた。
ー中略ー
ところが文化は同じようなわけにはいきませんでしょう。マヤもアステカもそうですが、今までにいくつもの文化が消えてしまったのでしょう・・・
貴子の言より
日本人は他の日本人に対してもおおむね優しかった。そのせいかこの国には人を安心させる細かい粒子のようなものが空気に漂っているのが雑踏の中でも感じられた。皆忙しそうに歩いていても、とげとげしい緊張感はなかった。
わたしには自分を責めるだけの心の余裕がまだあったが
ー中略ー
自分を責めるのにはあまりに苦しかった彼女は私を責めるよりほかなかったのだ。
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古き日本文化の入門ポータルサイトを未来に残そうとする、繊細なケヴィン。静謐の中で始まったこの物語が、下巻にどんなうねりを持って進んでいくのか楽しみです。
あとがき
仕事のお役立ち本ばかり読むようになっていませんか?
私自身も大いにその傾向があります。
折角「note」というクリエイティブな場に身をおいているのです。時には他の世界線へ飛び込んで、長編小説の世界に浸ってみてはいかがでしょう。
いつも仕事、有料、収益、など目の前の直接的なワードだけに反応していると、考え方も行動もワンパターンに陥ってしまうかも。
視点をちょっとほかに向けてみると、思わぬところから新たな気づきが生まれます。
日本版「嵐が丘」とも言わているこの本もおすすめです。
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