顔部|ショートショート
爪毛さんの企画に参加させて頂いております
顔部。
それは恵まれた顔面を持った生徒だけが入ることのできる部活動。
顔面力、つまり、顔を磨き上げることを趣旨としており、度々対外試合も行われる。
試合は剣道のように五人一組の団体戦で行われ、顔面力を競い合って勝敗を決める。
その日もとある高校の体育館で顔部の試合が行われていた。
館内は超大型新人のデビュー戦見たさに大勢のギャラリーで埋め尽くされていた。
新人の名ははるか。
橋本環奈と広瀬すずと能年玲奈と全盛期の中森明菜と宮沢りえを足してホットミルクで割ったような顔をしていた。
「先鋒! 前へ!」
審判の声が響きわたり、先鋒を任されたはるかが前に出る。
「はじめ!」
相手選手と見つめ合うはるか。
すぐに、
「面! 一本!」
審判から声があがる。
はるかの一本勝ちだ。
その後もはるかは相手チームから面一本を取り続け、いよいよ大将が出てくる。
相手の大将もなかなかの顔。
エマワトソン似だ。
「勝負あり!」
アウェイであることが影響したのか、一本勝ちにはならなかったものの、はるかの判定勝ち。
結局、はるかの五人抜きの活躍で試合は終わる。
試合後はお決まりのドーピング検査。
仲間たちが勝利に浮かれる中、はるかの鼻からまさかのプロテーゼが検出され、はるかの高校は失格となった。
記録剥奪の上、はるかは顔部を退部となり、校内の生徒たちからサイボーグ女の烙印を押された。
この件についてはるかの幼なじみが語った。
「あの子はもともとかわいかったし、整形なしでも全国大会で優勝できた。あの子が誰よりもかわいいのは本当なのに、整形したから退部って、何かおかしくない?」
ドーピングにまつわるこの手の問題はどの世界にも見られるが、それに対する答えは未だ出ていない。
(おわり)
