顔の呪い|ショートショート

爪毛さんの企画に参加させて頂いております





君には双子の妹がいる。

双子といっても二卵性双生児だから、
見た目はまるっきり違う。

君の妹は顔がよかった。

小顔で、色が白く、瞳は大きく、
親からは大きくなったらアイドルにしようだなんて、冗談半分でいわれていた。

一方で君は、こういっちゃ悪いが、
まるでジャガイモのように無骨な顔だった。

「本当に双子?」

それが君たち双子への決まり文句だった。




時が経ち、君は高校生。

君に初めての推しメンができた。

人気の若手イケメン俳優で、
流行の塩顔は君のタイプの顔だった。

君は推しメンの動画を眺め、写真を眺め、
甘美な空想に浸っていた。

その頃、君は妹と反りが合わず、
会話を交わすことがほとんどなかった。

内向的な君は家の中で過ごし、
反対に妹は決まって外で遊んでいた。

君が家に一人でいるときだった。
妹が置き忘れたスマホを君は見つけた。

魔がした。

君は何か恐ろしい予感に胸をざわつかせながらスマホの中身を覗き見た。

画像フォルダーに入っていたのは、
君の推しメンによく似た顔立ちの、
妹の何人もの彼氏たち。

妹と仲むつまじく寄り添う、
君の好きな顔、顔、顔ーー


ああ、哀れな君。

顔という名の悪魔に、
この先いったい何度苦しめられるのだろう。

優しさや真心でさえ悪魔にひれ伏す瞬間に、
この先いったい何度立ち会うのだろう。

でも、君は知っている。

その苦しみが深い知性を生むことを。

そしてそれは、
君の顔が君に授けたものあり、
妹が決して持てないものであることを、
君は知っている。

君のその顔が地図となり、
みちしるべとなり、
君に真実を探させるのだ。

(おわり)

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