見出し画像

マリの歴史

マリ共和国(Republic of Mali)は、西アフリカに位置する内陸国です。北部はサハラ砂漠で、南部はサバナや農地で構成されています。公用語はフランス語で、国民の約90%がイスラム教徒です。マリはかつてマリ帝国やソンガイ帝国などの強力な王国が栄えた歴史を持ちますが、現在は貧困や紛争に直面しています。

マリの歴史は以下のように詳しく説明できます。

古代

7世紀から13世紀にかけて、現在のマリにあたる地域では、ソニンケ族のガーナ王国やソンガイ族のガオ帝国など、いくつかの黒人王国が興亡しました。これらの王国は、北アフリカと西アフリカの間で行われたサハラ交易によって繁栄しました。サハラ交易とは、北アフリカから塩や布などを輸入し、西アフリカから金や象牙などを輸出する貿易です。

マリ帝国

13世紀に、マンディンカ族の英雄スンジャタ・ケイタがガーナ王国を滅ぼしてマリ帝国(Mali Empire)を建国しました。マリ帝国はイスラム教を公式宗教とし、サハラ交易で大きな富と権力を得ました。14世紀初めには、ムーサ1世という有名な王が即位しました。ムーサ1世は1324年にメッカ巡礼に出かけ、その途中で金や贈り物をばらまいたことで知られています。ムーサ1世の時代には、マリ帝国は西アフリカのほとんどを支配し、トンブクトゥやジェンネなどの都市はイスラム文化の中心地となりました。しかし、14世紀半ばからマリ帝国は衰退し始め、16世紀にはソンガイ帝国によって滅ぼされました。

ソンガイ帝国

15世紀から16世紀にかけて、西アフリカ最大の帝国となったのがソンガイ帝国(Sungai Empire)です。ソンガイ帝国はもともとマリ帝国の属国でしたが、14世紀末に独立しました。その後、スンニ・アリやアスキア・ムハンマドなどの強力な君主のもとで領土を拡大しました。ソンガイ帝国はマリ帝国を継承してイスラム教を奉じ、サハラ交易で繁栄しました。しかし、1591年にモロッコから派遣された火器を持った軍隊に敗れて崩壊しました。

帝国滅亡以降

16世紀から19世紀にかけて、現在のマリにあたる地域では、モロッコやバマナ帝国、トゥクロール帝国など様々な勢力が入れ替わりました。これらの勢力はそれぞれ異なる民族や宗教を持ち、しばしば争いました。また、この時期にはヨーロッパ人が奴隷貿易や植民地化を目的として西アフリカに進出し始めました。

フランス領スーダン

19世紀後半から20世紀前半にかけて、フランスは西アフリカの大部分を征服し、フランス領西アフリカという植民地を形成しました。現在のマリにあたる地域はフランス領スーダン(French Sudan)と呼ばれ、フランスの支配下に置かれました。フランスはこの地域の人々に高い税を課したり、強制労働をさせたりしました。また、フランスはこの地域の文化や言語を抑圧し、フランス語やキリスト教を広めようとしました。

独立以降

第二次世界大戦後、西アフリカの植民地では独立運動が高まりました。1959年には、フランス領スーダンとセネガルが連合してマリ連邦(Commonwealth of Mali)を結成し、1960年にはフランスから独立しました。しかし、マリ連邦はわずか数ヶ月で解消され、セネガルと現在のマリ共和国に分かれました。独立後のマリは、社会主義的な政策を採用したモディボ・ケイタ大統領のもとで発展しようとしましたが、内政や外交の問題に直面しました 。1968年には軍事クーデターが起こり、ケイタ大統領は失脚しました 。その後もマリは政治的な混乱や経済的な困難に苦しみました。

現在

1991年には民主化運動が起こり、軍事政権は崩壊しました。1992年には多党制の選挙が行われ、アルファ・ウマル・コナレが初代民選大統領になりました。しかし、マリは依然として貧困や不安定な状況にあります。特に2012年以降は、北部で反政府武装勢力やイスラム過激派の活動が激化し、国際社会の介入を招くなど、深刻な危機に直面しています。

マリの文化

マリは西アフリカにある多民族国家で、約80種類以上の言語が話されています。そのため、マリの文化は多様で豊かです。マリの文化は、古代から栄えたマリ帝国やソンガイ帝国などの王国の影響を受けています。また、イスラム教が国民の約90%を占める宗教であることも、マリの文化に大きな影響を与えています。

マリの文化の特徴の一つは、音楽です。

マリはアフリカの音楽大国として知られており、ジャズやブルースなどの西洋音楽にも影響を与えました。マリの音楽は、コラやバラフォンなどの伝統的な楽器や歌声を使って、歴史や社会や人間関係などを表現します。マリにはグリオと呼ばれる音楽家や物語語りがおり、彼らは王族や貴族の家系に仕えて、歴史や伝統を伝える役割を果たしてきました。

マリの文化のもう一つの特徴は、美術です。

マリにはドゴン族やボボ族などの先住民族がおり、彼らは木彫りやテラコッタなどの素材で独自の美術作品を作ってきました。これらの作品は、祖先崇拝や自然信仰などの宗教観や世界観を反映しています。また、マリにはトンブクトゥやジェンネなどの古都があり、イスラム教建築や書物なども見ることができます。

マリには、4か所の世界遺産があります。そのうち3か所は、文化遺産で、サハラ交易で栄えた泥建築の都市や遺跡です。

ジェンネ旧市街は、日干しレンガで作られた建物が特徴的な交易都市で、アフリカ最大の泥建築であるジェンネ大モスクがあります。アスキアの墓は、ソンガイ帝国最盛期の皇帝の墓地とされており、西アフリカの伝統的な泥建築の傑作と言われています。トンブクトゥは、サハラ砂漠の南端にある都市で、金や塩などの貿易で繁栄しました。イスラム教の学問や文化の中心地としても有名で、数多くのモスクや図書館があります。

マリにあるもう一つの世界遺産は、複合遺産であるバンディアガラの断崖(ドゴン人の地)です。この断崖は、150kmにわたって広がっており、ドゴン族が住んでいます。ドゴン族は独自の言語や宗教や芸術を持ち、祖先崇拝や自然信仰を行っています。断崖には岩窟や墓所などがあります。

以上がマリの歴史と文化についての簡単な説明です。ご参考になれば幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!