ふたごのひとコマ|涙を忘れた、初めての花火
「ドーン!」
「うゎー!」
初めての打ち上げ花火。
3歳双子の男の子・おーくん、女の子・うーちゃん、小学3年生のねえねも、3人そろって初めてだ。
歓声とともに、夏の夜が始まった。
双子は肩を組みながら、立って花火を見上げている。
その後ろ姿だけで、なんだか胸がほっこりする。
さっきまで、かき氷をもっと食べたくて泣いていたおーくんも、すっかり笑顔だ。
おーくんとねえねはトルコアイス。
うーちゃんはかき氷。
……なのに、自分のトルコアイスを食べ終わった途端、おーくんはうーちゃんのかき氷が食べたくて仕方なくなった。
「うーちゃん、いっしょにたべよ」
なんとも調子がいい。
さっき、おーくんは自分のトルコアイスを一口も分けてあげずに、全部ひとりで食べきったばかりなのに。
うーちゃんも、
「おーくんは、アイス食べたでしょ」
と、少し怒っている。
それでもおーくんは、「わんわん」と犬のマネをしたり、変な顔をしたりして、なんとか笑わせようと必死だ。
うーちゃんも根負けして、
スプーンにちょっとだけのせて「あーん」。
そのやり取りを何度も繰り返していたら、ついにパパが、
「もうおしまい」
とストップ。
その瞬間、おーくんは大泣きだった。
でも――
「ドーン!」
「うゎー!」
次の花火が上がると、涙なんてどこかへ飛んでいってしまった。
3人の甚平姿の後ろ姿と、夜空いっぱいの花火。
子どもたちの笑顔が見られて、きれいな写真も撮れて、遠くまで来てよかったと思った。
帰りの車では2人が爆睡。
そのまま寝てしまったので、月曜の朝からお風呂に入れたり着替えさせたりで、親はなかなか大変だったけれど。
それでも、来年もまた、みんなで来たいと思う。
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