歴3年目未満の広報担当者のnoteから、ひとり広報の悩みを乗り越える秘訣を探ってみた
「広報を任されたけれど、何から手をつけたらいいのか分からない」
未経験からその役割を担うとき、多くの人がこの問いに直面します。
特に、相談相手の少ない“ひとり広報”の環境では、不安や迷いを抱え込んでしまいがちです。
実は、この記事を書いている私自身も、ライターとして活動するなかで広報に興味を持ち、学び始めたばかりの立場です。だからこそ、広報に向き合い始めた方の戸惑いや手探り感に、強く共感します。
では、同じような状況を経験してきた先輩たちは、その壁をどう乗り越えてきたのでしょうか。
本記事では、広報歴3年目未満で活躍している担当者のnoteを読み解きながら、彼女たちが実践してきた工夫や考え方を整理します。そこから見えてきた共通点——いわば「成長の型」を手がかりに、最初の一歩を踏み出すヒントを探っていきます。
今回が1本目となる連載『ひとり広報のための広報実践ログ』では、月に1回、広報にまつわる実践的なテーマを取り上げていく予定です。
「これから広報に挑戦したい」「今のやり方でいいのか迷っている」そんな方にとって、立ち止まったときに読み返せる記事を目指します。
一緒に考え、学び、少しずつ前に進んでいけたらうれしいです。

ライター:水田やきいも
長野県在住のフリーランスライター。2児の子育てに励みながら広報を勉強中、noteでの発信にも精力的に取り組む。好きな食べ物は焼き芋。
「何から始めたらいいか分からない」を打破するには情報収集から
2020年10月、未経験から広報を始めたというガレージファクトリー合同会社の七瀬さん。2021年2月に公開された記事では、広報を経験した4ヵ月間を振り返っています。
広報=プレスリリースくらいのイメージしかなく、どんな仕事をやるのかなんて全く知らなかったのでまずは情報収集。あとは他社の広報さんのTwitterをフォローしてひたすらツイートを追う日々でした。勉強会にも参加して『広報とは?』の答えを見つけることに注力していました。
七瀬さんは情報収集する中で、ご自身と同じようにひとり広報として日々悩みながらも成長していく他社の広報担当者を真似ることから始めます。その姿に共感する方もきっと多いのではないでしょうか。
そして、彼女は試行錯誤を経た2年後の2023年4月『未経験広報がやってよかった4つのこと』としてこんなnoteを投稿。
広報は正解がなく、なかなか成果が見えづらい仕事の一つですが、情報を集める、整理する。SNSは真似をする。こうして感覚を掴むことで、右も左もわからないという状況から抜け出せるはずです。
「何から始めたら良いか分からない」という悩みに対し、まずは情報収集し、自社のフェーズに合わせた情報の整理が大切だと七瀬さんは語っています。
全体像を把握し、自社の現在地を確認する、そして先達のノウハウを真似ることでゴールに向かって進む等身大の体験談に背中を押されました。
一次情報を取るだけでなく、情報を提供する側にもなる
新卒1年目で広報に抜擢された体験を語ってくれているのは高岡さんのnote。
この記事では「1年間広報としてやってきて良かったこと」として10個のマインドが紹介されています。その中で印象的だったのは、徹底的な情報収集。
横のつながりを得るため広報コミュニティに複数参加したり、何事も自分で体験したりするマインドを大切にしてきたのだそう。また、情報を得るだけでなく、自ら情報を提供することも。
お会いする方がどんな情報に興味がありそうか仮説を立てて、何か一つでもいいから提案するようにしています。そのために、どんなに忙しくても必ず、プロフィールなどの基本情報はもちろん、最近の露出傾向や記事などの事前情報を調べています。
「相手が何を求めているか」を知るために時間を惜しまない姿勢に、思わず「広報って意外と泥臭さが必要な仕事なんだな……」と驚かされます。どれだけ相手を想って動けるか。人としても大切にしたいマインドに、背筋が伸びる思いです。
そんな地道な努力は次に紹介するnoteにも現れている広報担当者共通の姿勢です。
メディア視点を身に付けるには?
広報活動の起点となるプレスリリース。せっかく時間をかけて書いたのだから、メディア掲載に繋げたいですよね。
メディアアプローチは営業であり、もっとも大切なことは「顧客(メディア)理解」です。
そう語るのは「広報担当1年目からメディア視点を身に付けるためやったこと」としてnoteにまとめている宿谷(シュクヤ)さん。
結局はどれくらいメディアに触れられるか、メディアをどうみるかだと思います。
メディアを見ながら、自分ならどのようにそこに掲載されるための企画・コミュニケーションをとるか。
それを意識しながら365日過ごす。
宿谷さんは多角的にインプットするだけでなく、ご自身でメディア研究シートを作成し、ターゲットメディアを分析。それだけにとどまらず「記者理解」までこだわり、必要なコミュニケーションを取るなどの努力をされてきました。
メディアリレーションズを構築するためにも、やはり情報収集はマスト!宿谷さんのように多様なメディアに触れ、分析を続けることで、広報担当者としてのスキルや自信が少しずつ身についていくのかもしれません。
1人で抱え込まず、適切に専門家を巻き込む
ひとり広報時代を経て、2人体制の広報活動がスタートしたことをきっかけに「どうしたらひとり広報としてうまく業務を遂行できたのか」について改めて振り返るのは、おくださんのnote。
1人広報は「社内における広報担当が自分のみである」ことから、「自分でなんとかせねば」「自分で考えなければ」と過度にプレッシャーをかけてしまう傾向にあります。
その一方で「広報が抱える大抵のタスクは、『事業部など他の担当者から情報をもらって組み立てる必要があるタスク』など、広報1人で完結できないものであることが多い」のだそう。
この経験から、場合によっては人の手を借りながらタスクを完了させることで、早いタイミングで狙ったゴール(メディアへの情報提供など)にたどり着けるようにすることが大切だとおくださんは語ります。
また、ひとり広報の多くは会社を代表する広報として理想を描く存在であることを求められがちなのだそう。
その理想を描くために、おくださんは日頃から本による情報収集や社内外の人と交流。インプット後はXでのアウトプットを習慣化したことで、広報の理想を組み立て、自分の言葉で伝えられるようになったそうです。
その他にも、「自らが得たい情報を得るために、例えそれまでに話したことがない人であっても積極的に巻き込む勇気を持つことが必要であった」と、他者を巻き込む必要性も教えてくれています。
「勇気を持って巻き込む」。一人でできることの限界を知り適切に他者に頼ることが、広報として次のステージへ進む鍵になるようです。
歴3年未満の広報体験談から取り入れたい、一歩踏み出す秘訣は?
ここまで広報担当4名の体験談を参考に広報初心者が意識すべきことを読み解いてきました。
飛躍する広報担当者に共通してみられる特徴は、質の高い情報収集(インプット)とアウトプットをしていることです。
その他にも広報として成長するためのリアルなヒントが得られました!

「広報、何から手をつけたらいいんだろう?」という悩みを解決する最初の一歩として、まずは本や各種メディアから情報収集し全体像を掴む、そして他社の広報担当者と横の繫がりを作ることで孤独感の解消につながるという一つの道筋が見えたように思います。
広報担当者として正解のないなか手探りで進む姿が想像できる体験談から勇気をもらい、日々の地道な積み重ねの大切さも強く感じました。
この記事が、広報として一歩踏み出そうとしているあなたの小さなヒントになれば嬉しいです。
