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北九州〜由布院の旅③ 究極の爪楊枝に出会う 

高速を下り由布院駅前を過ぎ湯布院へ向かう。
由布院市湯布院。由布院市の中に湯布院があることを今回の旅で初めて知った。

参宮通りに入ると乗客を乗せた幌馬車とすれ違う。観光地で人力車はよく見るけれど、馬車は珍しい。

そのまま参宮通りを走り、予め調べていた「ゆふいん 山椒郎」さんに直行。周りは田んぼで後ろには由布岳がデンと構えている。

平屋の木造和風建築と由布岳がよく合う。

店内に入ると木枠の窓からは由布岳が眺められ、ゆったりと落ち着ちつく。

注文したのは「合わせ箱」。
木箱の上に桜の枝が乗せられている。

そおっと蓋を開けると目に飛び込んできたのは色鮮やかな野菜たち。

奥はお漬物、もろみ味噌?、だし巻き

木箱の下にはゆふいん米、その上に由布院のお野菜が彩よく敷き詰められている。
ご飯と野菜の間に「山」は豊後牛と冠地鶏、「海」は旬魚のリュウキュウが隠されている。
もっさりは「山」、私は「海」を頂く。
リュウキュウは新鮮な魚の切り身を醤油、酒、みりん、生姜、胡麻などを合わせたタレに漬け込んだ大分の郷土料理。刺身とは違ってももちもちとして弾力のある食感。お上品な漬けのような感じがした。身の甘みが増していて美味。
もっさりの豊後牛も頂いたが、柔らかくていいお肉だった。
そして付け合わせのお味噌汁とお漬物、これがまた美味しかった。お漬物は既製品を使うお店が多いけれど、きっと自家製だと思う。お漬物まで美味しいお店は本当にいいお店だと思う。

由布岳を眺めながら由布院で採れたものを頂く。これぞ旅の醍醐味。

このお店が素晴らしかったのはこれだけではなかった。
それはこれまでで最高の爪楊枝に出会えたこと。矯正をして歯の隙間ができてから、私の歯にはとにかく色んなものが挟まる。食事途中にもガンガン挟まるので、お行儀が悪いけれど途中で爪楊枝を使うことも少なくない。
最近は爪楊枝を置いていないお店も多く、私はマイ爪楊枝も持ち歩いている。
マイ爪楊枝にはこだわりがあって、竹楊枝と言う通常の爪楊枝よりも先端が細いものをつかっている。が、ここの爪楊枝はそれよりもさらに細い。その上両端とも使えるようになっている。
見た瞬間、わっ凄い!と感動した私は大興奮。もっさりに前のめりで話す。
「なぁなぁ見て。この爪楊枝。めっちゃ細いで。しかも両方使えるようになってるで」
「ほんまやなぁ」
とあまり関心のなさそうな返事。

こらだけ細ければ折れるのではないか、と思ったが折れない。細いのでフロス並みによく取れる。
「これ、ほんまに凄いで。フロスいらんかも」
「なぁ、フロスいらんくらいほんまに凄いで」
私がしつこく話しかけると、もっさりは面倒くさそうに
「もう分かったから。爪楊枝くらい買ったるから」
と言って話を切り上げた。
「やったーっ」
と思ったのも束の間、買うってどこに売ってるの?お店の人に聞くの?

結局 お会計を済ませると 何も聞かずにお店を後にした。

もっさりはもう、あの爪楊枝のことを忘れているだろう。
ネットで検索してみると両端が使える竹の極細爪楊枝が見つかった。ストックの爪楊枝がなくなったら、絶対この爪楊枝を買おうと思う。


たかが爪楊枝。されど爪楊枝。
爪楊枝にもこだわるなんて、いいお店に決まっている。
由布院に訪れることがあれば、ぜひ訪れてみてほしい。
(今日、お店のInstagramを拝見すると、池波志乃さんが訪れていた。絶対美味しいお店確定)


いつものようにお腹がいっぱいになり、私は食べきれない分をもっさりに食べてもらった。
すると、私が噛みきれずに口から出して端の方に置いていたリュウキュウの筋までも、無くなっていた。
もっさりが気がつかずにそれも食べてしまったんだ。
しまった と思ったが、もう後の祭り。
もっさり、ごめんね。


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