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「この学校、どうだった?」——学食のラーメンと、娘の答え

【効率の学び】学校リサーチ | Future Family Project 航海ログ

「夢は何ですか」と、壇上の先生が小学生に問いかけた。

娘は隣で、静かに聞いていた。

【現場】説明会という名の、夢の品評会

中学受験を見据えて、家族で郁文館中学・高等学校の学校説明会に参加した。

開会早々、理事長が言った。

「私たちは大学をゴールとしていません。25歳から本番の人生が始まる。そのために中高6年間がある」

続けて教頭が受験生たちに問いかける。「夢は何ですか。好きなこと、得意なこと、隣の人に話してみてください」

会場がざわめいた。

私の隣で、長女は黙っていた。次女は好きなことをニコニコ話していた。

その後、公開授業見学へ。英語のクラスでは外国人教師が「All English」のルールで授業を進めていた。理科のクラスでは細胞の仕組みを全編英語で教えていた。国語のクラスでは有機化合物の歴史をディベート形式で扱っていた。

廊下の壁には生徒たちの「夢」が書かれた紙が並んでいた。

「社長になる」「両生類を絶滅から救う研究者」「ディズニーアンバサダー」「優しい人」

解像度がばらばらで、それがよかった。娘たちもマジマジ人の夢を見ている。

【発見】学食のラーメンが、本音を引き出した

説明会が終わって、学校の食堂でラーメンを食べることにした。

券売機でラーメン2つを買って、空いている席に座る。

パパは聞いてみた。

「この学校、どうだった?」

しばらく沈黙。ラーメンをすする音。

「……普段と一緒ぐらい」

「普段と一緒って?」

「なんか、ちゃんと勉強してなんかこういうことやりたいって言って、応援してくれそうだね」

それだけだった。でも、それで十分だった。

小6の子どもが説明会を聞いて「応援してくれそう」と感じた。評価軸が「偏差値」でも「設備」でもなく、「応援してくれるかどうか」だった。

少し驚いて、少し嬉しかった。

その後、帰り道でこんな会話になった。

「今行きたいのが、ここと……あと広島叡智学園も見に行きたい」

「じゃあ英語クラス狙うなら英検3級で加点もあるし、単語もっとやった方がいいよ」

「英検4級だもん、まだ」

「だから今からやるんだよ」

説明会帰りの商店街で、二人は通学のルートを確認しながら歩いた。

【考察】「夢教育」という設計思想を読む

郁文館が掲げる「夢教育」の構造はシンプルだ。

好きなこと × 得意なこと × ありがとう = 夢

そこに逆算思考を掛け合わせる。25歳のゴールから現在を引き算して、今日やることを決める。それを「夢手帳」というPDCAツールで毎日回す。

これは探究学習でも受験勉強でもない。「生き方の設計」を中学1年から練習させるという発想だ。

注目したのは、教頭先生の一言だった。

「2011年にニューヨーク州立大学の研究者が言った。今の小学生の65%は、今存在しない仕事に就く」

だから夢がないのは問題じゃない。今ない仕事に就く可能性がある、ということだ——そう言い換えて、子どもたちの「まだわからない」を肯定した。

子供のときからの、バックキャスティング型の時間軸の取り方が刺さった。

【余韻】

800年後の子孫へ。

2026年の春、ある小6の子どもは「応援してくれそう」という理由で学校を選ぼうとしていた。

それが、この時代の夢の選び方だった。

【シリーズ案内】

「効率の学び」シリーズでは、中学受験など教育環境の選び方・学校設計の読み方を記録しています。


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