13歳で家を出る、ということ——広島叡智学園という選択肢。
【効率の学び】広島叡智学園リサーチ | Future Family Project 航海ログ
お風呂場で、よくこう言う。
「キキは13歳で家を出たよね。君たちも13歳で独り立ちだよ」
5人娘は笑う。半分冗談、半分本気だ。
【現場】4年前に知った、離島の学校
広島叡智学園の存在を知ったのは約4年前だった。教育系の事業に関わる中で、「瀬戸内海の島に全寮制のIB公立校がある」という情報に出会った。
すぐに動画を探して、子供たちに見せた。
「こんな学校があるよ」
長女はその頃まだ小2だった。でも画面を見ながら、何か感じるものがあったようだった。
昨年、見学に行こうとした。
オープンスクールの予約を開こうとしたら、30分で満席になっていた。
2025年3月に初の卒業生を送り出し、その進学実績が話題になってから、人気は一気に加速している。今年は6月に家族で見学に行く予定を入れた。
【発見】この学校の設計思想を読む
広島叡智学園(HiGA)は、2019年開校の公立全寮制中高一貫校だ。
データを整理する。
場所: 瀬戸内海に浮かぶ大崎上島。人口約8000人の離島で、本州と橋でつながっていない。フェリーでのアクセスとなる。
規模: 定員40名、原則として男女各20名。全国から出願可能。
倍率: 募集定員40名に対して262名の応募。6倍超の高倍率が続いている。
入試の特徴: 英語力は第1次・第2次選抜ともに問われない。入学後のIB教育に対応できる思考力や協働する力が重視されている。第2次選抜は2泊3日の合宿形式で実施される。
学費: 中学校は授業料無償、高校でも月額9,900円。公立校でありながらIB教育を受けられる。
進路: 卒業生の半数以上が海外の大学を志望している。
【考察】なぜこの学校なのか
我が家の教育方針は「自立した大人になること」だ。
世界のどこでも、自分の力で生きていける人間になること。
その文脈で考えると、広島叡智学園は設計思想がそのまま一致している。
北海道から沖縄まで、さらに海外からの留学生も含む多国籍の環境。中学1年から高校1年までの異学年が共同生活を送る全寮制。これは「多様性の中で生きる練習」を6年間続けるということだ。
自分自身のことを思い返す。
18歳で家を出て、奨学金で学費を払いながら自治寮に入った。寮運営をしながら大学と交渉したり、地域の人たちと協働したり、生活を自分で切り盛りしていたあの数年間。
あの頃が、家がすべてではない。多様性とは何かを学び一番成長した。
勉強じゃない。人と一緒に生活することで、はじめてわかることがある。
広島叡智学園の全寮制は、それを13歳から始めるという設計だ。
「キキは13歳で家を出た」という話をお風呂でよくする。
魔女の宅急便のキキは、修行のために知らない街にひとりで行く。ほうきが飛べなくなって、落ち込んで、それでも立ち直る。あの物語が描いているのは「自立の痛みと喜び」だ。
5人娘にも、いつかそれを経験してほしい。
広島叡智学園は、その入口として本気で検討している学校だ。
ただ、現実的な課題もある。
東京から広島の離島という距離。フェリーを使わないとたどり着けない場所に、12歳の娘を送り出すことへの覚悟。帰省のたびにかかる交通費。そして何より、本人が望むかどうか。
いまは日本各地の全寮制校や島留学プログラムも並行してリサーチしている。叡智学園は素晴らしい学校だ。決めるのは最終的に子供たち自身だ。
【余韻】
800年後の子孫へ。
2026年、ある家族は12歳の娘を離島の全寮制学校に送り出すことを、真剣に考えていた。
「自立」という言葉の意味を、親自身がまだ模索しながら。
【シリーズ案内】
「効率の学び」シリーズでは、教育環境の選び方・設計思想の読み方を記録しています。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!いただいたチップは800年後の誰かに届けます!