074 時代の変化に適応するために言葉を創造しよう
1.なぜ言葉は変化するのか?
もし100年後の未来に行けたとして、未来人たちはどんな言葉を使っているのか?
たぶんけっこう変化していると思う
とくにオノマトペはだいぶ違うんじゃないかな
オノマトペとは、きゅんきゅん、もふもふ、ほっこり…といった表現のことだけど、年々増えていると同時に、旬が過ぎたらあっと言う間に淘汰され、入れ替わりが激しい(現在4500くらいあるらしい)
オノマトペ程ではないにしろ、言葉は、時代の変化とともに創造と淘汰を繰り返す
若い世代が新しい表現を発見し、古い表現から置き換えるたび、世の言葉は少しづつ変化する
そのイメージは次の感じだ

もちろん言葉は、幼少期に親から受け継がれるわけだから、世代が変ろうとも基本的な言葉はそこまで変わらない
変化が激しいのは10〜20代の感性を表現した言葉だ
多感な若者たちは、その時々の状況や価値観を敏感に感じ取り、うまい表現を次から次へと生み出す
その中から同世代から共感されたら広まり、さらに淘汰されずに生き残れば定着する
これが言葉の変化の原理である
2.言葉の変化は人間の適応能力の現れである
ところで、どうして言葉は変化しなければならないのか?
変化しない方が社会的に効率だと思うけど、どうしてなんだろう
これを説明する前に言葉の背景に価値観と状況があることを図で示しておく

言葉の変化は人間の適応能力の現れである
当たり前だけど世の中は常に変化している
時代とともに状況が変われば、人々の価値観も変化する
それに伴い従来の言葉では表現しづらい微妙な事柄も出てくる
頭の固くなった世代には感じ取れない些細な変化も多感な年代は感じ取り、そのニュアンスをなんとか表現しようとする
そして新しい言葉を創造する
当の若者たちは気づいていないだろうけど、この創造には次の効果がある
新しい状況と古い表現のズレの解消
会話の効率性アップ
この有用性があるから新しい言葉はやがて市民権を得る
3.状況が変化すれば言葉も変化するし、言葉が変化すれば状況も変化する
きゅんきゅん、もふもふ、ほっこり…といったオノマトペは、誰が発見者か知らないけれど、ネットやテレビを通して市民権を得ている
この言葉を聞いた人が「そうそうこれこれ!」「言いたかったのはこの感覚!」と共感したことで、広まっている
ここで気づいてもらいたい
これまで心の中でぼんやりしていた非言語の価値観が、言葉で表現でき、大勢で使えるようになったことに
それは、新しい価値が生まれたと言っても良い
と同時に「商業化」の芽が生じたとも言える
人々の求めている価値がはっきりすれば、それを利用した商品・サービスが生まれるのは必然である

言葉の発見と商業化の関係がよく分かる例として「映え」が挙げられる
もともと映えという言葉は昔から使われていた
ただし、今のような商業化された言葉じゃなく、もっと内面的で控えめな言葉だった
この控えめな言葉が「SNSで拡散効果の高いインパクトのある写真」という意味で再発見されたのである
この「〇〇映え」という言葉は、発見されると同時に一気に広まり、加熱ぎみに商業化されていった
あっと言う間の出来事だったと思う
4.時代の変化に適応するために言葉を創造しよう
「映え」ほどでないにしろ、どんな言葉も多かれ少なかれ似たような流れで拡散し、定着している
単なる流行語で終わる場合も多いけど、いくつかは確実に表現の進化につながっている
そう考えれば、言葉の創造は人類に課せられた「適応の課題」のひとつとも言える
言葉の発見=人類の進化とするならば、我々は次の問いを持つ必要がある
今、どんな変化が起こっているのか?
この現象を表現するなら、どんな言葉が適切か?
その言葉は周囲に納得感を与えられるか?
激しい変化の時代、世代に関わらず変化に適応しなきゃいけないと思う
これまで言葉の発見は若者の専売特許だったかも知れないけど、これからはそうも言ってられない
脳の健康のためにも、何歳からでも言葉を創造・発見したいものだ
